昨年末にオープンした立ち食いステーキ店。
特徴ある店名は、前菜を頼まずささっと300g以上のステーキを立ち食いして次の1軒へ行ける店とのコンセプトから考えついたとか。
リブロース1g5円(サーロインは1g6円)の量り売り(300g以上)と見た目は安く感じますが、1500円のステーキを狭いスペースで隣客と肩触れあいながらの立ち食いですからそれほど割安感があるとは思えません。
オーストラリアの特選牛使用との触れ込みでもありますが、「オージーやニュージーの牛肉に旨みあるものなし」の定説を信じる友里、雑誌の取材を兼ねて今年1月に検証のため訪問したのであります。
火曜と週初めだったからか18時で店前に行列はなく即入店。かなりの待ち時間を覚悟してきただけに一気に拍子抜けしてしまった。
店内はガラガラでしたがなぜかスタッフが立つ場所を指定するんですね。
当然ながらコートを掛けるところはなく客は鞄や衣類をカウンター下の棚に押し込むことになります。
加えて店内は油のミストが充満していますから汚れや匂いが染みついても平気な衣装で訪問しなければなりません。環境的にもガード下の立ち食いと大差ないのであります。
いくら「いきなり」と言っても前戯なしは失礼かと250円のミックスサラダを頼んだのですが、ドレッシングは添加物を強く感じ肝心の野菜は造り置きもあって鮮度も質も悪い。
同行したライターはほとんど箸をつけておりませんでした。
それでは肝心のステーキはどうかと言いますと、リブロース300gにサーロインを200g食べての結論は、事前の予想通り旨みが薄いというか牛肉らしい味がしない。
店にあるステーキソースは緩すぎて不味いとネットにあったので、持ち込んだNYの名店ピーター・ルーガーのソースと最近嵌まっているデスソース、そして店に追加で頼んだすりニンニクの助けを借りて、総量500gのステーキを食べきることが出来たのです。
味がないからリブロースとサーロインの部位の違いはブラインドでわかる人はいないのではないか。
こんな環境で一人前2000円近く投入するくらいなら、1000円追加しても市井のメキシコ料理店などで座ってステーキを食べた方が食後感は良いと考えます。(最近はデニーズでも、アンガス牛ステーキを1000円台で提供しています)
ガーリックライスはあるけど白飯は1時間かかるとの説明にもビックリ。推測するに、この店では米を炊いておらずガーリックライスは造り置きでありましょう。
そして帰り際に友里はこの店のあざとい行為(はっきり言って行列偽装)を目にしたのであります。
19時頃になっておりましたが店内は1/3ほどの席が空いたまま。満席にはほど遠い状態なのですが、店前には長い行列が出来ていてビックリ。客の入店を制限していたのです。
入店時に立ち席を指示していた理由がわかった次第であります。おそらく満席にしたら客寄せ効果がある行列が出来ないと判断したのでありましょう。
行列を無理に造っている味の薄いステーキ店。わざわざ偽装行列に並んでまで訪問する必要はないと友里は考えます。