1つ1つの料理は悪くないけど友里と相性が悪い、レ セゾン

ド素人相手の口コミサイトだけではなく、同業者である料理人からの評判も高いと言われている帝国ホテルのフレンチ。
東京、いや日本でトップに位置する料理を出すとの賞賛も聞きますが、友里とは相性があまり良くないのではないか。今まで4~5回訪問しましたが、完璧に満足したのは1回だけ。
後は掲題のごとく、1つ1つの料理には納得するけどトータル的な満足感はイマイチだったのであります。

この原因は何なのか。それはシェフがコース料理に重きを置いているからだと考えるのです。
アラカルトも用意されていますが、種類が少ないというかコースの中に設定されているものと被るんですね。
パリの3つ星でも用意があれば前菜&メインの2皿のオーダーとするアラカルト主義の友里でも、これではコースに追い込まれてしまうのであります。

今回は満を持してシェフが店に出ている日を確認しての訪問でしたが、結果は今までの再確認となってしまった。
1口アミューズ(鮪のタルタルやフォアグラなど)はまずまず。というかポーション小さくよく味わえない。まあアミューズなんてこんなものでよいかなと。

黒トリュフ入りの半熟玉子の後に出てきたのが、毛蟹と黒大根のナチュラル仕立てというもの。
毛蟹を3種の調理法で供するものでして、蟹身のソーセージ、タルタルにしたものを黒大根で挟んだもの、そしてフラン(トンカ豆という甘い香り付き)と、非常の手を掛けているのは理解できるのですが、こんな種々の調理を出してくるとガニェール料理を思い出して盛り下がってしまったのです。
大食いの友里としては、しっかり大きなポーションで1種の調理を美味しく食べたかった。

続くは南瓜のニョッキ黒トリュフ掛け。これは良かったけど皿が温かったのが残念。そしてここからが友里には疑問の調理が続いたのであります。

魚の1皿目は金目鯛。ソースは貝の風味を持たせたバターふんだんのソース。これは単品としてはかなり美味しかった。
続く2皿目はオマールブルーの3調理。オマールの質は良いのですが、リソレはソースがクリームベース。ソーテルヌとフヌイユの香り付けを加えておりますが、見た目とトーンが前皿と大差なし。
もう1つが天麩羅みたいなもので、3皿目がフォアグラを混ぜたフランでこれまたクリーム?かバターのスープ仕立てのようになっておりました。

ここまでは我慢の友里、最後のプーラルド(高質のブレス産若鶏)に期待したのですが、これまた濃厚クリームソース(シュプレムソース)に浮かんで登場してきてしまったのです。
そしてトドメは鶏料理の2皿目。ポトフ風と聞いたので普通のブイヨンベースだと思ったら、なんとこれまたクリーム系のスープに浸かっておりました。

ニョッキの後に5皿がバターorクリーム系の調理というシェフの偏り、もとい拘り。
一皿一皿は美味しかったのですが、友里にはこのコース構成がまったく理解できなかった。
次回訪問するなら、トーンが重ならないように、アラカルトにすると誓って店を後にした友里でありました。