東坡肉が高額店のウリ料理になっている、天香楼

台湾では珍しい杭州料理とのふれこみの高額店。
東坡肉(皮付き豚バラ肉の煮込み)が有名と言われておりますが、日本では居酒屋メニューにもありそうなこの料理が高額店の看板になるとは友里ビックリ。己の知識(経験)のなさを思い知ったのですが、大陸に行ったことがないので杭州料理がなんたるかはまったくわかっておりませんから当たり前ですね。

この店は台北のランディス台北ホテルの地下にありまして、大箱でありますが内装など普請は結構高そう。入り口もゴージャスです。


 

我々は15人ほどのグループだったので2卓に分かれ、1500NT$(ニュー台湾ドル 当時1NT$≒3.33円)のコースに加えて、富貴土鶏(鶏の泥土包み焼き)を事前予約しての訪問でありました。

まずは東坡肉と並んで看板料理の龍井蝦仁(川海老の龍井茶炒め)。
黒酢がかかっていてお茶の香りはそれほど強く感じなかった。というか、肝心の海老がぬるかったのは誠に残念。

続いて杭州名物魚のとろみスープの登場です。台湾の料理は濃厚味だと思っていたのですが、杭州料理はこの皿だけではなく出てきた料理すべてが予想外に薄味でありました。椎茸、グリーンピース、白身魚が入ったお粥のようなもので淡い味付け。

唯一味が濃いめだったのが鶏モモを揚げてから醤油と砂糖で味付をしたような料理(料理名失念)。これはかなり甘かった。
このあとに本日の主役、富貴土鶏の登場です。

 

選ばれた客が固まった泥を木槌で割ってから、スタッフが蓮の葉などを開いて鶏肉をサーブしてくれます。
蓮と泥の間には、セロファンのようなもの(餅の紙みたいなものだとの説明)がありました。椎茸や玉葱がしっかり効いていて、このテーブル前でのパフォーマンスの影響もありこれは美味しく感じました。その昔、今はなき新橋の翠園酒家で何回も食べたことがありますが、まさか台湾で遭遇できるとは思ってもいなかった。

 

続く豆腐とホタテの煮込みは再び薄味へ導かれましたが、この料理だけイマイチだったのが鯉の黒酢煮。処理が甘かったのか質が悪いのか、鯉の臭みが抜けておらず食べにくかった。

そしてもう1つの看板料理、天香楼東坡肉がご飯と共に登場しました。八角を効かせてありますが、色の割に味は薄めで日本の街場中華のそれとは段違い。かなり良かったです。


 

このほかデザートが2皿出てコースは終了。ワインの値付けが高い(NVシャンパンが1万円台半ば)のが残念でしたが、イメージする台湾料理と異なる上品な料理の連続。
ディープな台湾料理の合間には、こんな料理を挟むのも一考であると考えます。