身内から「瓢亭玉子」を食べてみたいと言われて4年ぶりに訪問(でも2回目)した京都の料亭形式の和食店。
単なるゆるめの茹で玉子だからどうってことないと説明したのですが、食べてみなければわからないとの要望に友里は重い腰を上げたのであります。
朝がゆなど安いコースにも瓢亭玉子がついているとのことでしたが、どうせ行くならこのコラムのネタにしようと考えまして、夜と同等といわれる自称懐石料理(2万7000円)を昼訪問で頼んだのであります。
紅葉シーズンの終わりでありましたが予想以上の道混雑でちょっと遅れて到着。
そのまま即茶室へ案内されたので他の部屋の状況を実際に見ることは出来ませんでしたが、食事のさなかの中座(おトイレタイム)で付近を歩きまわったところ、盛況さを感じ取ることは出来なかった。
その理由は、「この料理ではあまりに価格設定が高すぎる」という最悪のCP感からであるとの結論に友里はコース半ばで達したのであります。
まずは、冬は寒く夏は暑い茶室(エアコンの効きが悪い)に直座りして出てきたお膳を見てビックリ。
折敷と言っても足打のお膳に乗っていたのは唐墨大根と柿と胡瓜の白和え、そして鯛の刺身でありました。
普通、うやうやしく茶室へ通され、懐石料理(会席ではない)と自称されたら、折敷に乗っているのは飯椀、汁椀、向付の3種ではないか。
不調法な友里でありますが、お酒を飲む前に汁や飯でまずは胃を満たすのが懐石の作法と聞いているだけに、居酒屋や小料理屋で見かけるようなツマミが初っぱなにでてきて驚いたのであります。
これって懐石じゃないじゃん
大根は炙ってあってそこらの居酒屋ツマミよりは手をかけておりましたが、白和えはまったくの普通味。
救いは関西では珍しくかなり寝かせていたと思われる鯛の造りでありました。これはそれなりに美味しかった。
そこで続く椀盛に期待したのですが、出てきたのは大根の薄切りに小豆が数粒入った白味噌椀。出汁は鮪節使用で悪くはなかったですが、このコース価格では手抜きではないか。
そしてウニイカ、鯛寿司(いずれも小盛り)と共に本日のメイン、瓢亭玉子の登場です。
いずれも悪くはないけれど、どこでも食べられるレベルのもの。(瓢亭玉子も)
そして続いた海老芋の炊き合わせ(強肴?)のような料理を見て友里は焦ったのであります。
おいおい、この後は焼き物で〆のご飯となってしまうではないか
皿数だけは懐石並(でも八寸や預け鉢などに相当するものがあったかどうか)で少ないですが、中身はよく言って会席、はっきり言って小料理レベルであるだけに、友里たちの大驚嘆は大変なものがあったのです。
案の定次に出てきた甘いだけのマナガツオの焼き物の後、舞茸とムカゴのご飯などで料理は終了となってしまいました。
そして最後のデザートではい終わり。
う~ん、京都に用事があったからといってもわざわざ東京から来て一人当たり3万円以上支払っての、茹で玉子&小料理だけのオモテナシ。
価格設定が半額になったとしても友里の再訪はあり得ません。