オープン当初(7~8年前)は、代々木上原にCP良い四川料理屋ありと言われた人気店。
立地の妙もあったでしょうが、オープン直後からヨイショ雑誌の後押しも効いたのか連日満席。
しかも東京の四川料理好きが足繁く通っていたとも聞いておりました。
この友里も、陳麻婆豆腐など四川料理に目覚めてから何回か通いましたっけ。
確かに当初は狭い店内と半オープンキッチンの臨場感からかディープな四川料理店で食後感は悪くなかったのであります。
ところがその後、通うたびに支払額の増大(早い話が値上げ)に反比例して食後感は落ちるばかり。
そして決まり手は三越銀座新館への支店出店か。無理に屏風を広げたからか(まともな料理人を確保できないなど)、その食後感劣化に加速度がついてしまった。
わざわざ代々木上原まで食べに行くほどではないと近年は近づいていなかったのですが、いつの間にか友里の居所と同じ港区内の麻布十番に移転してきたと聞きまして、重い腰を上げたのはこの夏の終わり。
当日の電話問合せで入店することが出来ましたが、店内は地元の年配客と思われる客層で満席でありました。
それでは代々木上原時代より更に値上がったと思われる料理について書いていきましょう。
まずはウリのよだれ鶏(1680円)。
香菜が添えられていて辛いですが(3辛中2辛)、まったくコクというものがない。しかも質が良くないから鶏肉自体も美味しくない。香菜でごまかして何とか食べきることが出来ました。
パプリカとピータン(1260円)も花椒の香りがするだけのもの。デパ地下で出会う代物と大差なしのレベルであります。
大海老のピリ辛炒め(2730円)はピリ辛というより甘辛ではないか。
3辛の水煮牛肉(2940円)も朝天唐辛子の量だけはあったけど、使い回しと思うほど唐辛子の風味を感じないもの。ただ辛いだけの調理でありました。
そして陳麻婆豆腐(1890円)。2辛とのことでしたが、これまた醤のコクがなく辣油のキレもない。代々木上原時代より更にペケとなっていたのであります。
正宋担々麺(1260円)も何かの間違いかと思ったほどの不出来。
これまたコクがないというか、まったくの薄っぺらなお味。
酸辣豆腐(840円)も同じようなトーンでありまして、頼んだすべての料理にダメ出しとなってしまったのであります。
料理だけではなくオペレーションにも疑問。
ボトルシャンパンはノンヴィン8000円の他は1万6800円と倍以上するものしかないというのも問題ですが、その肝心の8000円シャンパンが品切れという信じられない営業実態。
仕方なく8000円前後の赤ワインにビールを飲んでの支払いが一人当たり1万2000円を突破となりました。
大箱にして売り上げ増ばかりにうつつを抜かす店主に「喝」どころか退場要請をしたくなるほどの食後感で店を後にしたのはいうまでもありません。
味がわからない地元年配客も近づいてはいけない店であります。