グランドメニューから選んだ方が無難、ロッツォ  シチリア

なぜか未だに人気で予約が困難だと言われる青山のシチリア料理店「ドンチッチョ」。
そこからサービスのスタッフが2名独立したのが天現寺の「アンビグラム」と四の橋商店街にあるこの「ロッツォシチリア」。
同時に厨房スタッフを引き抜いたからか、この店は店名どおりシチリア料理専門です。

初めての訪問は今年の春だったか。最終的には満席になりますが、当日直前でも入店が可能で使い勝手がよかった。
厨房を望むカウンターの他、壁と向かい合う居心地の悪いカウンター、そして奥にもテーブル席のあるホールがあるなどスタッフ数の割にキャパの大きな店でもあります。

料理はアラカルトのみ。
ツマミ的な小皿料理に前菜、パスタ、メインと揃っておりますが、料理の種類は修業店と同じく少ない。パスタは4種ほど、メインに至っては魚料理だけでインヴォルティーニとタリアータの2種しかなかった。(シチリアには仔羊など肉類もいますけど)

まずはツマミとしてゆで卵のトマトソース(600円)。
玉子は2ヶなので原価を考えると割高に思いますが、俗に言うラタトゥユ系の味で悪くはなく友里は毎回頼んでいるツマミであります。

茄子のカポナータ(900円)は「アンビグラム」とは違ってバルサミコのような強めの甘さを感じますがまずまず。
鮪のオリーブ漬け(1400円)は添えられた根セロリの苦みと玉葱の甘さのコントラストが面白い。これまた良かった。

パスタはシチリア料理定番の鰯とウイキョウ、松の実、レーズンのスパゲッティ(1500円)。
「ドンチッチョ」と違ってそれほど甘くなく○。
ボッタルガ(唐墨)と青トマトのスパ(2400円)は悪くはないけど唐墨が粉末で目を瞑って食べると「明太スパ」と間違えるのではないか。
麺がいずれも太くて柔らかめなのは本場シチリアス式なのかもしれません。

メインはカジキのインヴォルティーニ(2100円)。
カジキが包んでいるのはブラッドオレンジとウイキョウのようで、オーブンの火入れ、焦げ目が多かったのですがこれも悪くはなかった。

ワインはシチリア産ばかりでリスト外でも5~7千円とリーズナブル。
メインは2名で1皿でしたがコペルト500円を入れて一人当たり1万円前後と使い勝手の良さもあって満足して店を後にしたのであります。

確認の意味でその後2回訪問しましたが、シチリアの家庭料理、フィットチーネ ノルマ(1500円 揚げ茄子をのせたトマトソース)も良かったけど、茸、グリーンペッパー、白身魚のラグータリアリーニ(価格失念)はかな~り美味しくてオススメであります。
季節のサラダ(1400円)もボリュームタップリ、アンチョビも利いていてお買い得だった。

ただし3回目の訪問はカウンターではなく奥のホールだったこともあるからか定番外のオススメ、レモンをかけたソーセージは家でも食べられるレベル。
ペスカトレーも普通味で量が少なく、フランス牛(ポルチーニ&舞茸)もイマイチと食後感が一変。
この店の上手な利用法は厨房がみられるカウンターで、グランドメニューにある料理主体にしたオーダーであると考えます。