スタートはかろうじて及第点、いつかどこかで食べた味、ロオジエ

婦人画報(11月号)にオープンを1か月後に控えたロオジエ新シェフの料理写真が出ておりました。その写真を見て友里

こりゃガニェールの二の舞になるぞ

と感じたのであります。
というのはこの新シェフのオリヴィエ・シェニョン、総料理長としてデビューした「ピエール・ガニェ―ル・東京」(青山)をわずか数年で閉店へ持っていった立役者の一人。
しかも赤坂で再開となった新生ガニェールではシェフとして再登場出来なかったからであります。

10/25のオープン、果たして料理はどうなったのか、レストランとして内装は本当に素晴らしいのか、読者から

内装は素晴らしいけど料理は普通味

との情報が多かっただけに、大きな期待(ネガティブな意味でも)をもって先日訪問してきたのであります。

料理の前に内装とサービスの問題点を1つずつ。
豪華で洗練された地下ホールでありますが、音響効果が良すぎて席間が広いのに他席の会話が丸聞こえ。というかざわつきすぎでうるさかった。

また自慢のサービスですが、我々についた新人?のメートル(中国人風カット)、態度が偉そうで連れの女性達から大ブーイングでありました。

それではアミューズから。

アミューズ(盛り合わせ)

 

フォアグラ、赤ピーマンのムース、カジキマグロを包んだキャベツ、トリュフクリームなどの一口料理でしたが、トリュフオイルなんてものを使うのはいかがなものか。

続くアミューズは栗のブルーテ カルダモン風味。

アミューズ(栗のブルーテ)

 

これははっきり言って美味しかったのですが、同伴者も皆感じていたのが

いつかどこかで食べたお味

要はオリジナリティなし、パクリとは言いませんが万人ウケする調理でありました。

フレンチで白トリュフ料理なんて出すなと主張している友里ですから、前菜で選んだのはネタのためとはいえ1万4000円もする白トリュフのリゾット。

白トリュフのリゾット

 

アルバ産と自称するだけに香りはなかなかでしたが、ホール全体にこの匂いが充満しますから、白トリュフを好まない客や予算の関係でこの料理を食べられなった客にとってはえらい迷惑ではないか。
しかもシンプルなリゾットではなくタップリのパルミジャーノに小玉葱やホタテ貝柱のムースまで投入していますから旨味が出すぎの掟破りであります。

色々試してみたかったので前菜をもう一皿。

雉のコンソメ

 

フェザン(キジ)のコンソメ(6500円)でありまして、フォアグラと黒トリュフを詰めたシャンピニオン風味のラビオリが入っておりかな~り濃厚な味。
これまたどこかで食べたかなというものでした。

メインはネットで評判のベキャス(ヤマシギ)。

ベキャス

 

しかしいくらジビエの雄だといっても1万6000円もするものなのか。
しかもサルミソースではなくジュ主体の軽いソース。たまたまかまったくクセのないベキャスだったのでこのソースでも良いけれど、クセのないジビエなんてクリープのないコーヒーのようなもの。
この手の食材は料理人の腕の差が出るサルミで食したいと思います。

関係者から伸び代がある(潜在能力のことか)シェフだから今後を見守るべきと漏れ聞くだけに、期待を込めての今回の評価は「喝」であります。