料理を造ることだけに専念するべきだ、フェア・ドマ

三越前駅近く、リグーリア料理(イタリアの地方料理)を得意とするこの店のオーナーシェフは簡素なHPにブログを書いています。店宣伝の為のHP運営、ブログ公開のはずですが、この店の場合は逆効果ではないか。松橋シェフのブログ内容は、当日のランチやディナーの予約状況がほとんど。満席だ、いや何席か余っている、と書き出し、ランチのメニューを飽きもせず毎日更新しております。ランチはともかく、ディナーは驚いたことにほとんど連日満席なんですね。三越新館の「ASO」が夜の集客に苦しんでいる中、羨ましいものだと訪問して驚きました。入り口には「本日満席」と掲示がでていたのですが、店内は我々を入れて4組しか客がいないんです。テーブルはその倍の収容が可能な数ありますから、店内は寂しい限り。連日満席の店とアピールすれば、そんなに人気がある店なのかと新しい客を引き付けることができます。半分の収容で予約一杯と言うのは「満席偽装」ではないか。姑息な手段を使うシェフだと思い、友里ブログでちょっと取り上げましたら、彼はすぐさま反応してきました。詭弁を弄したその言い訳は、シェフの体は一つなので料理やワインのサービスがてんてこ舞いになってお客に迷惑がかからないようにディナーは「1日4組」を上限にしている、とのこと。素直に受け取るならばその方針に異論はありませんが、ではなぜ一々ブログや店先に「満席」と掲示する必要があるのか。なぜ最初から「1日4組限定」と公表しないのか。本当に5組以上入れたことがないのか。フリの客ではなく予約が主体の店ですから、ブログや店先に「満席自慢」を出す必要はないのです。しかも、この松橋シェフ、厨房にはほとんど居らず、ホールでオーダー受けやワインサービスばかりしています。調理はスーやスタッフに任せているようですが、自分が厨房に入りサービスのプロを雇えばより多くの客に対応できるはず。スタッフの雇用をケチり、「満席偽装」で効率よく客を集める営業と読みました。料理はメニューから自由に選べるコースが5千円チョイ、アラカルトはボリュームもかなりあります。ウリのジェノヴェーゼのパスタは松の実とチーズを溶かした濃厚なもの。悪くはない。豚の煮込みも量多く美味しい。食後のグラッパも種類が多いと良い所もかなりある店だけに、出たがりシェフが謙虚に厨房に引っ込めば、「偽装」しなくても本当の満席になる可能性があると考えます。シェフが裏方に徹して料理だけ造っていたら、結構良い店なんですけどね。