欧州在住の日本人には許容範囲内か、OKUDA

海外で和食を食べるなど時間と予算の無駄だと思っている友里。
何が楽しくて条件(食材や水など環境)の悪い料理を食べるのかと、フランスならフレンチ、イタリアならイタリアン、アメリカではステーキに絞って食べ歩いていたのですが、今回のパリ訪問でネタ不足解消のため出来たての「OKUDA」を予約して行ってしまったのであります。

まずは八寸。

八寸

外国人(正確には友里の方がパリでは外国人か)が喜びそうな派手な盛り付け。中身はタコの小豆煮、アン肝(でも蒲鉾みたいな練り物だった)、蟹の茶碗蒸し、ほうれん草のお浸し、無花果の白ごま和えなど。

お椀と共に和食コースの華である八寸でありますが、アン肝が“なんちゃって”であり、タコの小豆煮も味の染み込みが緩いなど、東京では完成度で問題提起されるかも。
外国人、もとい、現地人にはこの程度で十分なのかもしれませんが…。

そしてお椀。ホタテの真丈でありまして、結構でかいホタテの角切りが入っておりました。これも現地人にはウケそうですが吸い地はかなりカツオが強かった。

そして驚いたのがイギリス産の山葵。

イギリス産山葵

味は日本産とそれほど差がないのですが食感はトロロみたいでありましてちょっと違和感。
その山葵と共に食べた造りは、カレイ、ヤリイカ、伊勢エビ。
いずれも現地調達だそうで先入観から微妙な食後感となりました。産地を聞かなければ良かったかも。

焼き物は葉っぱ乗せすぎのスズキの胡麻焼き。添えられたアヴォカドやサツマイモも現地産のようでちょっと微妙でした。

スズキ

カウンターには2組の現地人らしきカップルがいたのですが、彼らに出たのはいかにも味が濃そうなスズキの味噌幽庵焼きでありました。現地人と日本人で区別しているようです。

そしてその区別は次の肉料理でありました。友里たちにはリムーザン牛ヒレの幽庵焼きでしたが、隣の現地人たちにはオーストラリアワギュー サーロインが出ていたのであります。

リムーザン牛のヒレ

 

そして〆のご飯ものは唯一日本から持ってきたという鰻の丼。

鰻の丼

 
牛ヒレ、鰻と一応炭火焼きなんですが、換気の問題からか炭の火力が弱いのではないか。炭火焼きの良さがでていないというのか、残念ながら2つとも柔らかくてベチャベチャ、蒸したような食感だったのです。

パリは換気が難しいとのこと。野田岩パリ店の鰻が焼いているとは思えない食感(冷凍をチン?)だった理由がわかった次第であります。

最後にデザートが出てのコースのお値段はランチで180ユーロ。邦貨に換算して2万5000円弱でありますから、こう言っては何ですが結構高いのではないか。
料理的には食べログでほぼ最高評価の「神保町 傳」よりはマシでありますが、日本人としてわざわざパリで行くべき店かと聞かれたら、敢えて行く必要はないと答えざるを得ないと考えます。

パリでの滞在が長く和食が恋しくなった時、夜は高い(250ユーロ なんと3万数千円)ですからランチに限定で訪問可かもとの結論で〆とさせていただきます。