ホテルの鉄板焼へ行くよりはこの隠れ家へ、馨

ミシュランガイドで見事2つ星を獲得した西麻布の「臼杵ふぐ山田屋」。皿だけで(フグの質)判断して「味満ん」(1つ星)の上だと思うフグ好きが存在するとは思えません。その山田屋と同じ隠れ家的マンションの地下フロアにあるのがこの「鉄板焼 馨」であります。
キャパ20名前後、カウンター(5名までの個室もある)主体の鉄板焼屋ですが、テーブル席ではシャブシャブも食べられます。アラカルトよりコースが主体で、9450円、1万2600円、1万6800円の3コースはホテルの鉄板焼より安めの設定です。まずはホテルの中間価格に値する最高値1万6800円を試しました。
先付けはモッツァレラの味噌漬け。変わった味で評価不能。前菜盛り合わせは韓国の九節板のように9に仕切った器に一口料理が9種。ヅケ、ホタテ、烏賊などアイテム豊富ですが造り置きで平凡。そしてウニの笹焼きは山椒と海苔、塩の味付けでしょっぱ過ぎ。ここまではイマイチでしたが、その後は持ち直しました。通常は黒鮑か伊勢海老の選択なのですが、4名以上だったので両方でてきました。黒鮑をベルモットソース(肝はガーリック)、伊勢海老はそのミソの味付けで、そこらのホテルの星付き鉄板焼より大きさ、質も良いのではないか。そして山芋サラダの後に和牛ステーキ150グラムが野菜と共に供されます。これまたホテルの店と遜色ない出来。〆のガーリックライスも追加料金がないのが魅力。ステーキの切り落としを使用しており美味しかった。
ワインもノンヴィンのシャンパンが8400円と値付け安く、白、赤ワインも5000円からあり、ブルゴーニュ、ボルドーも8000円前後からと良心的です。
料理人はプリンスホテル出身と聞きましたから鉄板調理もホテルレベル。この1万6800円、ホテルではせいぜい車海老かロブスターで鮑や伊勢海老は出ない価格帯で、ワインの値付けもホテルに比べてかなり安い。肉質や調理技術に差が出にくい鉄板焼では如何に内容が豊富か、ワインの値付けが安いかがCP判断の基準になります。ホテルで同じ内容のコースとワインを頼んだら確実に5割近く支払が増しますから、接待などでどうしても鉄板パフォーマンスが必要な場合は、この隠れ家店をおススメします。