今年6月にニューヨークを訪問時、57丁目辺りを散歩していて見つけたステーキハウス。
ブルックリンの有名ステーキハウス(ピーター・ルーガー)と違って着飾った客が中に入りきれない光景を見て、友里は「この店は美味しいのではないか」と思い込んでしまった。
マンハッタンのセレブが通う隠れたステーキの名店と勝手に決めつけてしまったのであります。
この10月、仕事で東海岸(バージニア州リッチモンド)を訪問した帰りにニューヨークに寄ることになったので真っ先に予約を入れたのは言うまでもありません。
1階はバーもあるカジュアルラインでして外にセレブ客は溢れていなかったけどかなりの盛況。
でも友里たちはカード会社(アメックス)から予約したからかこの賑やかな1階を通り越し、2階へ案内されたのであります。
そこは1階と違って静かなフォーマルゾーン。各テーブルにはクロスが敷いてありテーブルは満席ではない。
夕食が早いマンハッタンの19時でこの状況ではこれ以上の客入りは期待薄。嫌な予感が奔った瞬間でありました。
本命のステーキの前にまずは前菜をとメニューを見たら、この店にはアメリカ人がお好きな生牡蠣の用意がないんですね。勿論生の貝(クラムなど)も見当たらなかった。
そこで我々が最初に頼んだのは火を入れたシュリンプカクテル。海老は小さくはなかったけどわずか3尾のみとビックリ。2人だけでしたが数も中途半端で物足りなかった。
お次はツナのタルタル。アメリカでこの手の魚料理に期待できるはずがなく、鮪の味を感じないもの。どうひいき目に見ても可もなく不可もなしでありました。
魚介と牛肉だけでは体に悪いと食物繊維の摂取として頼んだのは大味なシーザーサラダ。
アメリカ料理店でいつも感じるのですが、この手の店で美味しサラダにあたった試しがありません。そしてこの晩主役のポーターハウスの登場となりました。
まずはよく聞く「ポーターハウス」と「Tボーン」の違いを説明しましょう。友里もつい最近知ったことなのですが…。
ポーターハウスもTボーンも、骨の左右にヒレとサーロインがあるのは同じ。1粒で2度美味しいと言いますか、まったく趣向の違う肉を食べることができるので、2人以上でアメリカのステーキハウスを訪問する時はこれを頼むのがベストであります。ヒレ部分が全体の3割以上なのがポーターハウスでありまして、3割以下の場合は単にTボーンステーキと言うそうです。グラム単価が高いヒレが多いポーターハウスの方が、高級感はあるようです。
両部位の肉(骨付き)の重さは600g以上あるでしょうか。男性スタッフに切り分けて貰った肉片を一口食べて、入店直後の予感が当たったことに気付いてしまった。
ここの肉は蒸したような食感でグリル感に乏しいもの。肉自体もドライエイジングを謳っておりましたが、味わいは薄かったのであります。これならブルックリンのピータールーガーの方がはるかに美味しい。
友里の再訪はあり得ません。