ヨイショライター達はやはり当てにならなかった、ペルゴラ

レストランジャーナリストと自称している犬養裕美子氏の著書「東京ハッピー・レストラン」で見事四葉のクローバー(4段階評価の最高点)を獲得した「イル・リストランテ・ネッラ・ペルゴラ」。あの自称「美食の王様」実態は「過食のオコチャマ」の来栖けい氏もロンバルディア料理専門と絶賛していました。
ドアはチープ感がありますが、中庭が見えるホールは6卓の割に広く雰囲気はまずまず。料理はプリフィクスで7000円一本。前菜、パスタ、メインと6?7種用意されていますから選択肢もあります。ここまでは好印象。しかしメニューを読みこむと、どこが「ロンバルディア料理」なんだと疑問がわいてきます。確かにミラノ風カツレツやラヴィオリのスープはありましたが、リゾットやオッソブーコなどの煮込みはなし。牛のタリアータ、黒豚のグリルなどどこにでもある肉料理が目立ちます。前菜のタプナード、ここは南仏料理店か、メインの仔羊はなんとカラブリア風でした。カラブリア州はイタリアのつま先部分ですよ。スタッフもロンバルディアに拘っていないと言っていましたから、オコチャマもホントいい加減なものです。
全網羅的な料理からまず私が選んだ前菜はスペシャリテのズッキーニ花とジロール茸のヴァポーレ。
量少なく想定内の調理。パスタはサマートリュフとサマーポルチーニのトレネッテ(手打ち麺)。予想通り香りも薄く傑出さを感じません。マツタケもそうですが夏物に期待してはいけません。メインのカラブリアの仔羊もどこがカラブリア風なのかわかりませんでした。ワインリストは5000円から7万8000円迄と値幅が大きく、赤はなぜかトスカーナワインが4ページ、そしてレアワインと言われる「カーセバッセ」が1ページも占めていたのには驚きました。トスカーナワインを主体にしているだけでこの店がロンバルディア専門でないことは明白です。
1万円以下の安めのワインを頼んで一人1万8000円とこの内容ではCP悪すぎ。親しい店だけでなく訪問したほとんどの店を称賛し続ける犬養さんに来栖オコチャマ。そんなに毎回感心するということは逆に本格料理の経験が薄いという証左と言えるでしょう。ペルゴラは数ある過大評価店の一つです。