代替わりする度に食後感が落ちている、ポン多 本家

友里の初訪問は40年以上前の学生の時でしたか。当時は平屋みたいな古い建屋であったと記憶しておりまして、かなりの高齢女性の仕切りの元、年配夫婦が実務を担当する家族経営でありました。

トンカツの価格は現在と大差なかったのではないでしょうか。
当時は明細を出さない(メニューにも価格表示がない)不明朗会計でしたが、支払額から逆算して2500円くらいだと推測しておりました。

この御徒町にはこの店の他、御三家と呼ばれていたトンカツ屋が2軒あったのですが、現在のように高ブランド化された豚がなかったこともあり、ロース専門の「ぽん多」が一番と友里は結構通っていたのであります。
いつの間にか大女将は居なくなったようで代替り。でもまだまだまともなトンカツ屋だったんですね。

転機となったのは現在の建屋に建て替えたころでしょうか。しばらく閉店していたあと(湯島でひっそりやっていたとの噂あります)、この新建屋を訪問して友里は腰を抜かそうになったのです。

主人は更に代替わりしていましたが、入口ドアが重厚で2階まである立派な建屋。
そしてそのオヤジが1階で厨房のモニターを見ながら2階の客をカメラで監視していたのであります。カメラで監視するトンカツ屋オヤジ、世界広といえども「ぽん多本家」だけだったことでしょう。

現在はもう監視していないと思いますが、またまた代替わりしたとのこと。
マスヒロさんが取り上げていたこともあり、友里は超久々にこの夏再訪したのであります。
身内含め4名での訪問だったので、メニューに載っているものを次々に注文。

赤貝刺身(2625円)は量が多いというかデカいけど臭みがあってイマイチ。
キスフライ(3尾で3675円)は身が厚かったけどチト火が入りすぎか。でも結果的にはこれがこの日一番の料理でありました。

サラダは自家製のマヨネーズがしつこすぎ。各フライ(含むカツレツ)にはキャベツ以外にも野菜が多めについてきますから、わざわざ頼む必要はないでしょう。

タンシチュー(4200円)は肉が多かったけどソースが甘過ぎで、これまたしつこすぎありました。ではビーフシチュー(4200円)はどうかといいますと、こちらの方が甘くなくワインなどアルコールが進むのではないか。
しかし、有名な洋食店と違ってツメはかなり緩かった。そしていよいよメインのカツレツ(2625円)の登場です。

カツレツ

 

低温でじっくり揚げる白い衣のトンカツのはずでしたが、実物はかなり火が入っています。脂が少ないのは有り難いけど、肝心の肉の味も薄い。
ただし柔らかいので素人中心の食べログレビュアーや年配客などには受けるかもしれません。実際のところ、周りの客は地元の年配客が主体でありました。

頼みすぎた感もありますが4名で3万円に肉薄する支払い。
これならタクシー乗ってわざわざ訪問せず、近所のブランド豚を扱っているトンカツ屋にした方が安くて満足したとあらためて後悔したのであります。