プロフェッショナル・仕事の流儀、「カンテサンス」の巻

NHKがまたまたやってくれました。2/5の放送で、3つ星フレンチ「カンテサンス」の若きシェフ、岸田氏を最大限に持ち上げたヨイショ番組について一言いわせていただきます。
「次郎」の時もそうですが、NHK、ミシュランとツーカーの仲なのでしょうか。ミシュランからの3つ星通達の電話連絡の瞬間を放送したいがために、TVカメラをスタンバイさせていました。星発表前からこの番組を企画して録画収録していたようですが、2つ星、1つ星、いや星とらなかったらば、この企画をボツにしたのでしょうか。かなり周到に準備していましたから、「次郎」、「カンテサンス」と3つ星とるとの確信があったことが推測されます。
しかもミシュランの通達電話もおかしい。「次郎」では二郎さんに続いて長男が電話に出たのですが、その会話は日本語でありました。ところが今回岸田氏は電話にフランス語で答えていたのです。
TV映りを考えたら、「フランス語で対応する若き日本人3つ星シェフ」、絵になりますが、わざわざフランス語で連絡しなくてもいいはずで、ミシュランはTVを意識しての対応ととられても仕方ないのではないか。
今回もまたまた脳科学者の茂木健一郎氏は何ら検証せず岸田氏とその料理をヨイショ。ブーダンノワールとリンゴの取り合わせは今どき珍しくないのですが、不自然なまで感動されておりました。
読者の方からは「これでは脳科学者ではなく、『NO!学者』だ」とのご意見をいただきましたが、友里もまったく同感であります。
食評論家の横川潤氏は、岸田氏を「天才」だと称賛していましたが、私は演技力に関して「天才」ではないかと考えます。
マグロを使って新たな料理を試行錯誤していた時の表情、京都へ九条ネギを調査に行ってネギをかじった様、修行先の「アストランス」のシェフ、パスカル・バルボが突然店を訪れたという設定での驚きの表情、などTVカメラを前にしての演技力はフレンチのシェフにしておくにはもったいないほどのものでした。
だいたい、本当にパスカル・バルボは突然訪問してきたのか。何人かのグループでしたが、席が偶然空いているものなのか。なぜその突然の場面でNHKのカメラが回っているんだ。
わざわざパリから弟子の店を訪問するのに、何の連絡もしないなんて不自然そのもの。どう考えても設定に無理があります。
脳科学者はこんな見え見えの事も見過ごしてしまうのでしょうか。

「モウラ」更新しています

最近は昼前後に順調に更新されているようです。
今日は鉄板焼の「銀座 うかい亭」です。
http://tomosatoyuya.moura.jp/
オークラ、帝国などホテル内だけではなくこの「うかい亭」も含めて、高額鉄板焼に肉質、味わいの違いはほとんどなし、が友里の定説であります。
どうぞお立ち寄りください。

「やま祢」の鍋用フグにはなぜ臭みがあるのか?

「モウラ」の「星付きレストラン ほんとうの味とサービス」の第7回(2/7付)での、「やま祢」の鍋用フグだけがなぜ臭みがあるかとの問題提起に対し、先日「シェ・ワダ」閉店に関するコラム(2/3付)でリンクを張らせていただいた「ワインとピアノのある部屋」というブログでわかりやすい解説をしていただいているのを見つけましたので、ここに紹介させていただきます。
未だ友里の「モウラ」をお読みになっていない方はまずはご覧ください。
http://tomosatoyuya.moura.jp/?p=17
ミシュランガイドの「味噌鍋ではふぐ特有の臭みを抑える為に広島産の白味噌を用いた味わい」という紹介文に友里は、「臼杵ふぐ 山田屋」や「味満ん」の鍋は白味噌仕立てではないが臭みは感じない、なぜ「やま祢」の鍋用フグだけ臭みがあるのか、ミシュラン調査員は検証なしに店の宣伝口上をそのまま垂れ流して行数稼ぎをしている、と問題提起しました。
次にその「ワインとピアノのある部屋」(2/11付)をご覧ください。
http://dks.moo.jp/wine332/
第二パラグラフでその内幕が解説されております。
最近は技術の進歩で「養殖」でもほとんど臭うことはなくなったとのこと。
白味噌で匂いを隠すということは、かなり鮮度が落ちたものか、他国の養殖ものではないかとの推測であります。
実際の仕入れを調査できないのであくまで推測の域を出ませんが、「やま祢」では鍋用のフグは刺身とは別質のものを使っているのではないかと思ってしまいます。
「山田屋」、「味満ん」だけではなく、「銀座 福治」、「い津み」といった高額店は勿論のこと、「たらふく」の養殖ものでも鍋フグの臭みを特に感じなかった友里。
件のブログにも書かれていましたが、ミシュラン調査員は本当に旨い河豚を知らなかったということでしょう。