東京最高のレストラン 2010

飲食店に関与している人(関与しようとしている人も)がレストランを公平に評価出来るはずがない

山本益博氏 、犬養裕美子氏、来栖けい氏、横川潤氏たちにむけて友里が終始提起している問題点です。
逆に言えば、本を出版している友里が他のレストラン評価本を評するのは自己矛盾ではないかと突っ込まれることを覚悟の上、先週発売された「東京最高のレストラン 2010」(発売日に購入しました)にちょっと触れてみたいと思います。なるべく客観的に述べることにします。

大きくリニューアルしたとありましたが、点数表示から王冠数評価(5つが最高)にしただけで、構成やコメント、座談会の質はそう変わっておりません。
ということは2010年版でも、この座談会を完読する人はいないのではないか。リストアップされた店名と各ライターの店コメントをチェックすればそれで充分ではないかと思います。

2名以上、3名以上が王冠5つ(満点)をつけた店を大きく取り上げているのが今回の目玉であります。しかし今回も5人のライターがすべて訪問していない店を多く掲載しているのが私には理解できません。
まあライター達のスケジュールがありますから、1名欠けて4名で評価したというならまだ許せるのですが、寿司屋の「入船」なんて、来栖けい氏一人が王冠5つ付けただけで半ページ掲載の「特別待遇」。
この状態がもう何年も続いています。
一人だけの高評価で、いかにも「良い店、美味しい店」みたいに掲載していいものなのか。
まともな考えの出版社なら、せめて他のライター1名か2名を強制的にでも訪問させて、その評価も掲載すると思うのですが、「ぴあ」にはその考えがまったくないようです。

?来栖けい氏と「入船」の親しい関係は周知の事実。彼はデビュー本で「入船」を

色々と寿司を食べ歩いた結果たどり着いた日本一の寿司屋

と評していました。「次郎」、「水谷」、「さわ田」など高額鮨店を訪問することなく断言してしまった「若気の至り」と私は考えますが、いまさら引っ込みがつかないのでしょう。?

ここからは私の推測でありますが、他のライター4人も一度くらい「入船」で食べたことがあるのではないか。
ではなぜ評価しないのかというと、採点すると来栖けい氏とまったく異なる評価をせざるを得ないので、仕方なくスルーしていると考えるのが自然であります。評価に少々の下駄を履かせても高得点にならない寿司屋という意味です。
1名しか評していないのですから、本来「入船」は巻末の「推奨店ガイド」のところへまわすのが自然だと思うのですが、それでは王様のプライドが許さないのか。
そんな強権を許すとしたら、「ぴあ株式会社」に対する美食の王様・来栖けい氏の影響力はオコチャマレベルではなく、かなりのものだと思います。
なぜそこまで気を遣うのか、私には理解できませんけど。

今現在、この本のアマゾンランキングは「1157位」でありました。

マスヒロさんが見城社長に反論か

山本益博氏の「365日食べ歩き手帳」を取り上げるということは、お世話になっている「めしとも」のライバル誌「おとなの週末」を間接的に宣伝してしまうことになるのですが、本日はご勘弁ください。
購入して最初に目を通すこの「食べ歩き手帳」、月を経る毎に訪問する店が廉価店に集中してきているように感じます。12月号は「魚がし日本一」、「釜めし春」、「築地すし好」、「牛肉食堂 カウベル」、「回し寿司 活」、そして千葉の地魚屋やイタリアンなど。
5000円以上の客単価の店は「全聚徳」と「Hajime」くらい。すっかり主旨替えしてしまったようです。
柳生九兵衛さんも大変ではないでしょうか。J.C.オカザワだけではなく、マスヒロさんまでも自分のフィールドに参入してきたのですから。オカザワと同じく仕事が減ったからかわかりませんが、この数年、確かに訪問する店のカテゴリーが変わってしまったマスヒロさん。きっかけは幻冬舎の「タダ飯疑惑」キャンペーンだったかもしれません。

その幻冬舎の見城社長に対し、今回の山本益博氏はこの「手帳」で反論を展開しています。
「ミシュラン 京都・大阪版」について書いている部分。星付き店発表の1時間前に関西のジャーナリスト(ヨイショライターの間違いでしょ!)たちが星付き店を特定していたことについて、

?これがジャーナリストの取材というものである

と述べております。
ミシュランから招待状を受け取っている店へ張り込んで、星の数を伝える電話を待ち伏せしていち早く星数を把握した行為を「ジャーナリズム」と判断しているマスヒロさん。驚きです。
1時間や2時間早く星数を知ることのどこが「ジャーナリスト」なのか。こんな頓珍漢な思考回路だから、見城社長はじめこの友里にまで突っ込まれ続けられるのです。
2年前、幻冬舎から「星付き店を予想できたのはミシュランと癒着していたからだ」と批判されたことを根に持っているのでしょうか。今回のこの関西のヨイショマスコミの取材方法を例に挙げ、ご自身のHPに2年前の自身の取材方法を書いているそうです。

?確たる証拠もないのに、ただの憶測で、自分の会社の雑誌を使ってまで「癒着」と言い切った出版社長にぜひ読んでいただきたいと思う。

?と結んでおります。
しかし、見城社長(幻冬舎)の山本益博氏への糾弾の主体はミシュランとの「癒着」ではなく、品行下劣と断言した「タダ飯要求体質」ではなかったか。
週刊誌での反論で、見城氏と幻冬舎に対する「法的対応」のみならず、「領収書の開示」を声高に叫んでいましたが、両方とも未だに実行されておりません。まずは、マスヒロジャパンで5年間保管義務がある飲食の「領収書」の開示をすることが、すべての疑惑を払拭できる唯一の対策だと思うのは、友里だけではないでしょう。
出来ないこと、やりたくないことを口に出してはいけません。

おまけ
今回の「おとなの週末」には「旨い店ガイド」という小冊子がついています。ところがこれが挟んであるだけ。
「めしとも」は創刊号から小冊子がついていたと記憶していますが、きっちり本誌に仮ドメされています。「おとなの週末」も見習ってもらいたいものです。

最近訪問した店 短評編 45

先ほど「めしとも 12月号」を近くのコンビニで購入しました。まずは自分の連載「銀座“裏”ガイド」で「飛雁閣」をチェック。その後斜め読みしただけの段階ですが、この号で一番のサプライズは、柳生九兵衛さんと共に最もミシュラン掲載店に縁遠くなってしまったJ.C.オカザワの出番の多さであります。
定食屋の特集ということで、67頁(ちなみに私の連載はその前ページの66頁)からなんと13頁ほど展開しております。料理の写真が半分以上あるとは言え凄い露出。柳生さんが出ていた夕方のTV番組(確か煮込み料理)に久々にチョイでていた以外、仕事の依頼が来ないオカザワ、角川マーケティングに出会えて本当に良かった。
定職がない身としては、角川が執筆料と食事をギャンランティしてくれるのですから、一番のお得意様というか足を向けて寝られない関係になったと言えるでしょう。
来月彼の口座に振り込まれるギャラはかなりのものになると思います。たまには居酒屋と違ってMSGが入っていない和食でも食べないかと誘ってみようと考えます。勿論「割り勘」でありますけど。

?当然「美食の王様」の担当ページもチェック。冬に近づいてきたのであの厚手のコートみたいな上着に違和感はなくなりましたが、もう少しセンスある服装に着替えさせて取り直した方が良いでしょう。
しかし半分のスペース(1頁)を、自分の店(エキュレ)の宣伝と誕生会の模様に費やす公私混同、脱帽です。
?さて3店。

?御料理 はやし
ミシュラン発売前の秋口に訪問。ミシュラン含めマスコミの取材お断りの店だそうで、掲載拒否の影響か1つ星でありました。
2つ星や3つ星になってミーハー客や中国人に占領されなくて良かったと思っている常連客も多いのではないでしょうか。クラシックな調理でホッとする店です。

矢部
初めてといっていい予約時刻からの遅刻(トトキの時は5分も超えておらず誤差範囲と判断)、しかも1時間も遅れてしまいました。急に決まった通夜(前から決まっているはずがなく当たり前ですけど)が大混雑で焼香がなかなか出来なかったからであります。
不景気だと聞きますが、そこそこの客入りでした。

?指月
料理が好きで何回も宿泊した奥湯河原の旅館が、南青山に料理店として移転してきました。
カウンター5席くらいと個室1つの小さな店。オープン直後で認知されていないからか、その晩は我々だけでありました。
料理は2万5000円のコース1本。しかもカードは不可です。
一回だけの訪問での評価は難しいですが、食材の偏り(この日は鯛を使った料理が多かった)も考えると、食後感は良いとは言えませんでした。
やはり「立地の妙による過大評価」という友里の定説は、この店にも当てはまるのかもしれません。