友里征耶の週間食日記 8

来週から日刊ゲンダイのコラム「行っていい店わるい店」が再開します。月曜と水曜の週2本でありますので、ぜひお買い上げのうえお読みいただければ幸いです。
最近の日刊ゲンダイ紙面のトーンは

無能な菅より小沢に任せろ!

友里の最近の主張とまったく同じであります。デビュー以来7年、継続的にゲンダイコラムの依頼が続いているのは、時の権力者に噛みつく習性が互いに似ているからなのでしょうか。
そのゲンダイが蓮舫大臣に問題提起しております。先の参院選で膨大な投票を得た自信からなのでしょうか、最近の言動にかなりの「勘違い」が目立つようになりました。

小沢を応援する議員には、私とのツーショットポスターを使わせない
代表戦の遊説では菅さんの隣に立って応援し続ける

と鼻息あらいようです。国会議員の当落だけではなく、与党代表の当落も自分がその殺生与奪を握っているという自惚れ、何様のつもりなのでしょうか。現職の閣僚が代表戦で一方的な肩入れ、民主党の民度が低いといわれる所以であります。

さて本日の週間食日記、ウイルス性咽頭炎でダウンする直前のものであります。

月曜日
夜:内食
お盆休みだったので。何を食べたかは記憶にありません。

火曜日
夜:神泉のフレンチ
食べログで人気のフレンチへ初訪問。客のほとんどはお買い得なコースを食べておりました。
期待していたのですがアラカルトで頼んだ料理群、味濃いだけではなく翌日も胃にもたれるほど重いもの。生ハムやソーセージは美味しかったのですが、その他の料理に傑出したものをまったく感じなかった。「オギノ」や「ルカンケ」の方が調理レベルは上でしょう。

水曜日
夜:六本木の韓国料理店
この日から喉が痛くなって来ており、抗生剤を飲みながら滋養強壮をとサムゲタンがウリのお店へ取引先と。
今思うと、好きなカムジャタンふくめ食欲が進まなかったなと・・・

木曜日
夜:銀座の3つ星和食
体調がイマイチでしたが、前々から予約していたので1年ぶりに近い訪問。日本酒を飲む気がせず、日頃の主張を取り下げてワインを飲んでしまいました。
今思えば、この時期に禁酒をしておけば、咽頭炎も重症化しなかったのではないかと後悔しております。

金曜日
夜:銀座の鮨屋
この日も体調優れない中、予約していた鮨屋へ知人と訪問。食欲は落ちていなかったのですが、日本酒のピッチは落ちていたかも。

土曜日
夜:三越前のホテルバイキング
「月刊めしとも」の依頼でホテルバイキング巡りの第一回。この日もワインを飲んでしまいましたが、これが現時点では最後の飲酒でありました。

日曜日
夜:新宿のホテルバイキングをドタキャン
朝から発熱したようで熱を測ったら39度超。慌てて救急外来へ行ったのですが、重症化した後だったようです。
断腸の思いで予約をドタキャンしましたが、ここまで社会復帰ができなくなるほど重症化するとは夢にも思いませんでした。

オーナーシェフが少なすぎる!

昨日のブログで、レストランには出資者がいて己の担保能力による借り入れだけで運営している真のオーナーシェフ(オーナーソムリエ)の店は少ないと述べました。
友里掲示板ではそれに対する書き込みが増えましたが、面白かったのは以下の書き込みであります。

http://tomosato.net/test/read.cgi/bbs/1283286181/45

なんと、ミシュラン掲載店(2つ星以下)のフレンチ・イタリアンで、完全個人オーナーの店は

ル・マンジュ・トゥー
エディション・コージ・シモムラ

の2店しかないという衝撃の内容。3つ星では、

カンテサンス→グラナダ
ジョエル・ロブション→フォーシーズ
ロオジエ→資生堂

とすべてオーナー(経営会社)が別ですから、ミシュラン掲載店(フレンチ・イタリアン)では2店しかオーナーシェフの店はないと言うことなのでしょうか。
裏をとっていないのでこの書き込みが真実かどうかはわかりませんが、それほど

似非オーナー

が世に蔓延しているという証左と考えます。
しかしこれは何もレストランに限る現象ではありません。
世に、女性オーナー社長と持て囃された

ゴルフ会員権売買会社
コンサルタント
インテリア・宝飾

などの会社がありましたが、真の意味での「オーナー」とはほど遠い実態の会社がほとんどではなかったか。
いや女性だけではなく、男性社長でも実態は「客寄せパンダ」で、

?似非オーナーの単なる雇われ

が多いと言われております。
似非でもオーナーと名乗る方が「商売」になるという事業戦略なのでしょうが、嘘までついて儲けたいものなのか。

もっと有名な似非オーナーがいました。
以前はナベツネ、今は滝鼻氏が自称している「球団オーナー」ですが、これも立派な似非であります。
読売ジャイアンツの運営母体は「株式会社 読売巨人軍」。そしてこの会社の親会社が、「読売新聞グループ本社」であります。ナベツネや滝鼻氏も本社の株式を持っているようですが、これは役員に「貸株」として与える慣例からのこと。真の株主(出資者)ではなく、単なる雇われなんですね。
読売に限らず、ほとんどの球団オーナーは雇われですから、球界には英語がわかる人が皆無なのかもしれません。ずいぶん遅れている業界であると考えます。

オーナーでないのにオーナーと自称することは、

空しい

と感じるのが普通の感覚だと思うのですが、彼らにはそんな常識がないようです。

友里征耶はなぜに真のオーナーに拘るのか。そんなの関係ないと思っている純粋な一般客に私は何度でも申し上げたい。

レストランの良し悪しは、実権を持つ経営者(オーナー)の性格によって左右される

どんな手段を使ってでも儲けたいと思う人の店と、客の満足があってからの利益と思う人の店では、食後感はまったく異なるからであります。

?性格の悪い料理人(経営者)の店にうまいものなし

これ定説です。

飲食店へ出資する人のタイプとは?

月刊めしとも」でニューオープンの店の取材を担当しているのですがいつも疑問に感じること、それは

雨後の竹の子のように、何でこんなに次々と新しい店がオープンできるのか?

であります。友里はデビュー以来、レストランの真の経営者(店のコンセプトなど決定権を持っている人)を見極めるのが大事と主張しております。
紹介雑誌やヨイショライターが持ち上げる

オーナーシェフやオーナーソムリエたち

「オーナー」は自称であって、自らの担保余力で銀行から借金し、店舗の賃貸契約をしている人は少ないのではないか。
ほとんどが出資金をスポンサーから借りて店をオープンしているに過ぎないのです。中には実態は単なる「雇われシェフ」の場合も多いはずです。
これは最近の若手の店に限った現象ではありません。古い店でもあることでして、例えば

アクアパッツァ

有名シェフ・日高氏の店だと勘違いしている人が多いでしょうが、実際の経営は病院経営者のはず。
ひらまつグループのように株式を上場している会社の傘下の店も、正確にはみな「雇われ」と言っても過言ではないでしょう。

さて本日は、そのレストランへの出資者とはどんなタイプがあるのか。私の人脈や情報から3つのタイプに分類できると考えます。

1、??? 千万円単位で出資したけど、店にはまったくノータッチ
2、??? 出資金に見合った配当を店主に要求する
3、??? 自ら経営にタッチする

1の出資者は自称オーナーたちにとって「神様」みたいな存在でしょうか。金は出しても口は出さない、店は自称オーナーに完全お任せの人たちです。
配当なんて期待していない。要は、自分はこのレストランの「影のオーナー」だと自己満足するだけの人たちであります。
店からのちょっとした特別待遇(大事にしてもらう程度)で満足。家族や接待でしょちゅう店を訪問し、影のオーナーとしての見栄がありますからコースやワインはついつい高めのものをオーダーしてしまう。
店にとってこれほど「都合の良い出資者」は他にいないでしょう。

2番目は若手の鮨屋などによく見られる形態です。銀座などの場所で店舗の賃貸契約をする場合、いくら有名店といっても独立仕立ての人が店を持つのは不可能に近い。
出資や保証人を出資者に頼むかわりに、それなりの高配当を用意する形態であります。オープン当初と比べて、短期間で値上がりしたような店はこのタイプが多いと考えます。

3番目は自称オーナーシェフにとって最悪の形態でしょうか。形だけの「オーナー」をとるために、大袈裟に言ってしまえば出資者に魂を売り渡してしまったシェフの店であります。
皆さんもよく感じませんか。今までの店(雇われシェフ)の時とはまったく違ったコンセプトになってガッカリするパターンであります。

今まで扱っていなかった食材や調理法に転換する。箱(店の規模)をまったく違うものにする。変な食器を使い出した。

などなど。出資者がガラス食器販売会社だったので、使用する器を全部ガラス皿にしたイタリアンもありましたっけ。
当然うまく行くはずはなく、そのシェフはまた別の出資者のもと懲りずに自称オーナーシェフをしております。

友里は

店経営者の性格で店の良し悪し(CP感)が変わる

と主張しております。マスコミやヨイショライターの紹介する「自称オーナー」ではなく、店のコンセプト含め決定権を持つ真のオーナーが誰なのかを見極めることが、

行っていい店わるい店

を判別する主要な手法であると考えます。