ヤナセが銀座から撤退していた

不景気もここまで来たのか、高級輸入車の中で一人勝ちだったベンツ。総輸入代理権は失いましたが優良顧客を持っているヤナセはベンツの販売で経営は安泰だと思っておりました。
今は輸入車に絞っておりますが、以前は高級品商社を目指したのか、?

高級ハンドバッグからクルーザーまで

扱っていたヤナセ。モラビト(ハンドバッグ)とかウエスチングハウス(確か冷蔵庫)といった中途半端なブランドが売れるはずもなく、経営を圧迫して撤退したのは記憶に新しい。

でもヒルズ族(死語?)やIT長者(これまた死語?)がフェラーリやランボルギーニといったゴキブリ型のスーパーカー(これも死語)に憧れる反面、成金含めた富裕層(自称を含め)は猫も杓子もベンツ志向でありました。港区の私立幼稚園の送り迎えには

ベンツとバーキン

が必需品と言われていたくらいです。確かお世話になったグラフ社からも

日本一メルセデス・ベンツを売る男

という、年間160台(しかもほとんどがSクラスだとか)売るセールスマンの本まで出版されたくらいでありますから、ベンツの人気は高かった。

以前のブログに書きましたが、支払い額を考えたら性能や造りの観点からベンツを購入する人の気持ちがわからない友里でありますが、あるパーティで同席したベンツディーラー社長(ヤナセではない)の鼻息がかなり荒かったことから、ベンツという打ち出の小槌をもったヤナセは、分相応な商売(輸入車限定)をしていたら安泰だと思っていたのです。

ところが昨日、銀座コリドー街近くの店へ行こうとして外堀通り(旧電通通り)を歩いていてビックリ。ヤナセの銀座ショールームがなくなっているではありませんか。
私への借金を踏み倒した学校関係者(今思い出すだけでも腹が立つ)も勤めていた銀座ヤナセ。有名ホテルの元雇われ社長一族(一般にはオーナーみたいに思われているようです)など銀座近辺の優良顧客を持っていたと聞いておりましたが、ここ数年の不景気には耐えきれなかったのでしょうか。
そういえば私の嫌いなトヨタのレクサスもすっかり街並みで見かけなくなりました。

一に雇用、二に雇用・・・

と雇用から景気回復を訴えていた菅総理でありますが、まったく回復の兆候が見られないではありませんか。

コリドー街の飲食店も悲惨の一言。美登利寿司の一人勝ちで、他の店はほとんど客が入っていなかった。おなじ寿司屋でも「すしざんまい」など客がわずか3名でありました。美登利寿司と「すしざんまい」に食後感含めた提供される寿司に大きな違いがあるとは思えないのですが、間違ってついたとしても一度確立したブランド力の集客力は大変なものがあるようです。

デフレ傾向も止まりません。電通通りの「サルヴァトーレ クオモ」では平日限定の「HAPPY HOUR」(18:59まで)の目玉としてグラスワインや生ビールなどアルコール類が

¥180?

と記した看板が出ておりました。
昨日のブログにも書きました飲食店の正念場。年末のクリスマス&忘年会シーズンの瞬間的な需要増だけで乗り切れるものか心配であります。

ベンツと比較することは出来ないかもしれませんが、いままでは安泰だと言われていた予約困難で常連のリピーターで賑わっていた高額店。夜の2回転もザラでありましたが、ここ1ヶ月で2店ほど訪問してウオッチしたところ、いずれも1回転のみ。
常連主体の予約困難な高額店といえどもベンツとおなじで、未来永劫安泰とは言えないのかもしれません。

更なる不景気で飲食店はここ数ヶ月が正念場か?

民主党の稚拙な政権運営だけが理由ではないと思いますが、不景気の侵攻が止まらないようです。週刊誌の見出しでは

1ドル=50円にも

といったサプライズ見出しも見られるようになりました。85円を切っただけで

日本経済(輸出産業)は大変なことになる

と煽る大マスコミですから、70円台を通り過ぎ60円台、50円台になったら日本は壊滅してしまうのではないか。でもドル一人安が続いたら国の大半を他国に買い占められることになりますから、例え輸出が倍増したとしても、アメリカの繁栄はないでしょう。

さてこの終わりをしらない不景気、この年末が1つの山ではないでしょうか。
先日のブログで、交詢ビルの「たらふくまんま」の閉店を書きました。オープン当時から客入りが悪かった交詢ビルのレストラン群でありますが、なぜか閉店という事態に陥る店は少なかった。
今回の「たらふくまんま」の前はわずか「オストラル」の夜逃げと「南漢亭」の2軒のみ。いや正確に言いますと、「逸喜優」の経営が変わっていますから3軒が実質上破綻したと言えるかもしれません。?

本来なら不採算の事業は見切り決定が最重要のはず。ダラダラと先がない事業を続けて赤字を垂れ流すくらいなら、損を確定させて事業を辞めるという決断が一番だと思うのですが、これを妨げるのが再開発ビルとの契約で縛られている撤退条件、つまり

高額な違約金請求

であります。タダでさえ損をし続けているところに、更なる現金を大量に用意できるはずがありません。かくしてズルズルと閑古鳥営業を続けてしまうことになるのですが、これがレストラン経営者の悲劇を呼んでしまうのです。出直しが出来ないほどのダメージを与えてしまうことも多いのではないか。

アークヒルズ、六本木ヒルズ、東京ミッドタウン、交詢ビル、銀座ベルビア、ニッタビルなど鳴り物入りでオープンした再開発ビルに出店したレストラン経営者の中で

本当に出店して良かった

という人がいるのか。私はこれらの再開発ビルに誘われながら出店しなかった経営者2名から直接

その気になって出店しなくて本当に良かった

と聞いております。それでも次々と建設される再開発ビルに出店を続けるレストラン店主達。混んでいるのは昼間だけで、その頼みの昼間もオープン数ヶ月後には閑散となるのは歴史が証明しております。懲りない業界といってしまえばそれまでですが、

他山の石

という言葉が飲食業界にはないのでしょうか。

昨日、六本木ヒルズの高額飲食店ゾーンである「けやき坂」を昼訪問しました。ある店へ行くのが目的だったのですが、とにかく人通りがまったくない「けやき坂」ゾーン。
西太后の料理番の末裔と自称する中国宮廷料理「れい家菜」では、なんと

1700円ランチコース

を出しているではありませんか。夜のコースも2万円以内と当初の3万円以上の値付けではなくなっておりました。
揚げ手が変わった「みかわ」も穴子と松茸1本ずつの天丼を2000円台で提供(マスヒロさんが宣伝しておりました)しておりました。

そして、友里掲示板の隔離スレで、検索頼りのバーチャル店訪問記を書き続けている人が懇意にしていると妄想主張する「レスプリ ミタニ」。客の不入りを隠したいのか、全面ガラス張りが特徴(私にはデメリットだけだと思う)でしたが、下面は板を張り上面は暖簾のような白い幕を張って外から店内が見えないような細工がなされておりました。

でもこの店内状況隠蔽工作が非常に不自然なんですね。そこまで集客状況を通行人(これがまた少ない)に悟られたくないものなのか。かえって、ただでさえない集客力を更に貶めるのではないかと私は考えます。

一世を風靡したフレンチの雄「アピシウス」の元料理長・故高橋氏が同じ場所に出した「パ・マル」でさえ集客に苦労したのは記憶に新しい。そんな厳しい場所で、どれだけ才能があるのかわかりませんが、恵比寿から移転してきた市井のフレンチがそう簡単にうまくいくはずがないではないか。しかも今までより大箱で。

三谷氏と親しいと自称する人(隔離スレの住人)にはぜひ、三谷氏の本音を聞き出してもらいたいと思うのですが、リアルな世界では無理のようです。

あと5ヶ月ほどで閉店(2年ほどで再開とのこと)する3つ星フレンチ「ロオジエ」でさえ予約が簡単に入ると聞いております。普通に考えると、閉店を惜しむ客が食材の良いこの時期には押しかけると思うのですが、ここにも深刻な不景気の影響が出ているようです。

底が見えない日本の不景気、飲食業界の正念場はまだまだ続きそうです。

最近訪問した店 短評編 42

中国3都市で反日デモがあったようです。イトーヨーカドーへは投石もあったとか。根性あるなら中国政府関係へ投石してみろと私は中国人に言いたい。自分たちの不満を他国へ転嫁するな!

日本でも中国大使館近辺で反中デモがあったようですが、中国資本の店へ日本人デモ隊が投石したという話は聞きません。
髪型や服装のセンスだけではなく、中国人とは比べものにならないほど日本人の「民度」が高いことがわかると思います。

さて短評6店です。昨週から6店に増やしましたが、かなり前に訪問した感があります。

アルヴィナール
恵比寿の「イレール」のシェフだった島田氏が雇われシェフとして白金高輪へ新店を出してきました。
オーナーの意向なのか外人がホールスタッフの要のようで、若干違和感がありました。フレンチでいまどき、肉のグリル料理をメインにするのは時代遅れと思うのですがわかっていないようです。
グリルは避けてポトフを頼みましたが、煮込みが足りないのか牛テールが固くて食べにくい。味だけはやけに濃かったです。客が疎らだったということがすべても物語っているでしょう。

スカイ
ニューオータニのバイキング。以前の訪問でダメ出ししたのですが、「めしとも」の依頼で仕方なく再訪。平日で客は疎ら、もちろん料理はすべてお勧めできません。

新津鮨
正確には「青木 西麻布店」で土曜日に、予約があった時だけカリスマ鮨職人といわれる新津氏が奥さんと出てきて、別カウンターで開く限定鮨店。タネは青木の流用で、酢飯だけが新津オリジナルです。
トークは面白いのですが、ツマミや握りにまったく傑出したものを感じません。もちろん客は我々だけ。青木のカウンターも20時過ぎに外人二人客が入店してきただけでした。新津鮨は客単価が4?5万円ですから、日本で3本の指に入る高額鮨屋ではないでしょうか。

ザ・テラス
ウエスティンホテルのバイキング。おなじく「めしとも」の仕事で訪問しました。料理の種類も少なくイマイチでありました。再訪はないでしょう。

兼定
オススメ本の確認で数年ぶりの訪問。2番手が主人の弟ではなく、別人にかわっていてビックリ。
鰺や鯖の押し寿司や棒寿司の味付けは甘かったですが、他のツマミ、握りはそれなりに美味しかった。最近の鮨ボーイズとは違ったスタイル、たまに訪問したいものです。?

鳳仙花
MSGの添加を感じましたが、名物のホルモン鍋、サムゲタンと悪くはなかった。何回転もする盛況店であったと初訪問で知りました。
味濃く万人ウケする韓国家庭料理です。