更なる不景気で飲食店はここ数ヶ月が正念場か?

民主党の稚拙な政権運営だけが理由ではないと思いますが、不景気の侵攻が止まらないようです。週刊誌の見出しでは

1ドル=50円にも

といったサプライズ見出しも見られるようになりました。85円を切っただけで

日本経済(輸出産業)は大変なことになる

と煽る大マスコミですから、70円台を通り過ぎ60円台、50円台になったら日本は壊滅してしまうのではないか。でもドル一人安が続いたら国の大半を他国に買い占められることになりますから、例え輸出が倍増したとしても、アメリカの繁栄はないでしょう。

さてこの終わりをしらない不景気、この年末が1つの山ではないでしょうか。
先日のブログで、交詢ビルの「たらふくまんま」の閉店を書きました。オープン当時から客入りが悪かった交詢ビルのレストラン群でありますが、なぜか閉店という事態に陥る店は少なかった。
今回の「たらふくまんま」の前はわずか「オストラル」の夜逃げと「南漢亭」の2軒のみ。いや正確に言いますと、「逸喜優」の経営が変わっていますから3軒が実質上破綻したと言えるかもしれません。?

本来なら不採算の事業は見切り決定が最重要のはず。ダラダラと先がない事業を続けて赤字を垂れ流すくらいなら、損を確定させて事業を辞めるという決断が一番だと思うのですが、これを妨げるのが再開発ビルとの契約で縛られている撤退条件、つまり

高額な違約金請求

であります。タダでさえ損をし続けているところに、更なる現金を大量に用意できるはずがありません。かくしてズルズルと閑古鳥営業を続けてしまうことになるのですが、これがレストラン経営者の悲劇を呼んでしまうのです。出直しが出来ないほどのダメージを与えてしまうことも多いのではないか。

アークヒルズ、六本木ヒルズ、東京ミッドタウン、交詢ビル、銀座ベルビア、ニッタビルなど鳴り物入りでオープンした再開発ビルに出店したレストラン経営者の中で

本当に出店して良かった

という人がいるのか。私はこれらの再開発ビルに誘われながら出店しなかった経営者2名から直接

その気になって出店しなくて本当に良かった

と聞いております。それでも次々と建設される再開発ビルに出店を続けるレストラン店主達。混んでいるのは昼間だけで、その頼みの昼間もオープン数ヶ月後には閑散となるのは歴史が証明しております。懲りない業界といってしまえばそれまでですが、

他山の石

という言葉が飲食業界にはないのでしょうか。

昨日、六本木ヒルズの高額飲食店ゾーンである「けやき坂」を昼訪問しました。ある店へ行くのが目的だったのですが、とにかく人通りがまったくない「けやき坂」ゾーン。
西太后の料理番の末裔と自称する中国宮廷料理「れい家菜」では、なんと

1700円ランチコース

を出しているではありませんか。夜のコースも2万円以内と当初の3万円以上の値付けではなくなっておりました。
揚げ手が変わった「みかわ」も穴子と松茸1本ずつの天丼を2000円台で提供(マスヒロさんが宣伝しておりました)しておりました。

そして、友里掲示板の隔離スレで、検索頼りのバーチャル店訪問記を書き続けている人が懇意にしていると妄想主張する「レスプリ ミタニ」。客の不入りを隠したいのか、全面ガラス張りが特徴(私にはデメリットだけだと思う)でしたが、下面は板を張り上面は暖簾のような白い幕を張って外から店内が見えないような細工がなされておりました。

でもこの店内状況隠蔽工作が非常に不自然なんですね。そこまで集客状況を通行人(これがまた少ない)に悟られたくないものなのか。かえって、ただでさえない集客力を更に貶めるのではないかと私は考えます。

一世を風靡したフレンチの雄「アピシウス」の元料理長・故高橋氏が同じ場所に出した「パ・マル」でさえ集客に苦労したのは記憶に新しい。そんな厳しい場所で、どれだけ才能があるのかわかりませんが、恵比寿から移転してきた市井のフレンチがそう簡単にうまくいくはずがないではないか。しかも今までより大箱で。

三谷氏と親しいと自称する人(隔離スレの住人)にはぜひ、三谷氏の本音を聞き出してもらいたいと思うのですが、リアルな世界では無理のようです。

あと5ヶ月ほどで閉店(2年ほどで再開とのこと)する3つ星フレンチ「ロオジエ」でさえ予約が簡単に入ると聞いております。普通に考えると、閉店を惜しむ客が食材の良いこの時期には押しかけると思うのですが、ここにも深刻な不景気の影響が出ているようです。

底が見えない日本の不景気、飲食業界の正念場はまだまだ続きそうです。