最近訪問した店 短評編 44

今は現地時間で土曜の夜、あと2泊で帰国の途につくことになります。あくまで現段階でありますが、昨年と違ってそれほどのトラブルもなく、何事もなく帰れそうであります。ただし昨晩のお店で、ちょっとしたトラブルがありました。

支払いのカードがマスターカードとVISAに限定されているのは事前に知っており、欧州用に昨年新たにつくったカードを出したまでは良かったのですが、ピンコードなるものを要求されてビックリ。普段使ってないカードだったので、まったく記憶になかったです。
だいたいピンコード(パスワード)なんて登録していただろうか。

普段使用しているカードの数字を入れたのですが無効とのレスポンス。しかたなく三越のお帳場カードに付随しているVISAを使ってもピンコードが違っているらしくダメ。
よってキャッシュ決済を要求されたのですが、オールドビンテージのワインを頼んでしまったので財布の中の現金ではまったく足りななかった。
日本なら名刺を置いて翌日決済する手もあるのですが、こりゃ食い逃げるか俗に言う「皿洗い」で補うしかない(冗談)と覚悟を決めたのであります。

しかし普段のおこないがよいからか、見た目が信頼できるからなのか、親切にもマダムらしき人が日本へ帰ってから振り込めば良いと許してくれたので、監禁・拘束されずにホテルへ帰ることが出来ました。
店からホテルまで車で30分。ホテルへ付け馬のようについてきても現金がタイトな状態だったので、私としては非常に助かったのです。
欧州の田舎は、使用できるカードが限定される場合がありますから、普段使わないカードでもしっかりピンコードを記憶しておくことが重要だとあらためて認識した次第です。

さて、店訪問の6店です。

オッジ・ダルマット
オススメ本の確認で久々に訪問。日曜だというのに19時過ぎには満席になっておりました。
冷たいパスタ、3種のカルパッチョなどお約束のパターン料理でありますが、今回はいつもほど食後感に満足なものを感じませんでした。最近イタリアンでは郷土色ある店を訪問していたので、この手の創作系(と言うか無国籍風イタリアン)が物足りなくなったのかしれません。

豚組
休日の昼に訪問。揚げ物が急に食べたくなったからなのですが、ほんと、久しぶりの訪問でありました。
銘柄豚の種類がかなり増えていて選択に迷います。3000円くらいの銘柄豚にしたのですが、ここでは一番安いもの(2000円前後)で充分でしょう。
しかしトンカツ、この店だけではないですが、なんでこんなに高くなってしまったのでしょうか。

ビストロQ
オバQではありません。「アヒル」をやめた山下九氏が赤坂に出した店であります。店名はビストロですが、料理はまったくビストロではありませんので、注意して下さい。詳しくは近々に日刊ゲンダイのコラムにでます

サルシッチャ ウノ
多店舗展開の際コーポレーションのイタリアン。昼に広尾商店街を通りかかったとき見つけました。1200円くらいと高いのですが、ポトフはボリュームたっぷり。ワインがすすんでしまいました。

楽亭
知人達が相次いで「クオリティが落ちた」と言っているのを聞いて、確認に訪問。
東京一の天麩羅屋だと20年ほど通っていましたが、そろそろ潮時かなと。まことに残念な食後感でありました。

アーリア
リストランティーノ・バルカが代官山近く移転して店名を変えてオープンしておりました。休日の昼に訪問して5000円コースをオーダー。
客は女性ばかり、ソムリエはイケメン風。パスタも出す無国籍料理でイタリアンだと思わなければ、それなりに食べられます。

友里征耶の週間食日記 16

今回の旅行も半分を過ぎたでしょうか。ようやくこの旅行のメインである目的地へ着きました。
おまけのパリの方が長い滞在なのは、週末でないと目的地へ行く意味がないからであります。金曜日までパリで時間を潰したと言ったら生意気ですが、スタンバッていたと思って下さい。?

今回は街中のホテルが予約できなかったのでちょっと離れたところに泊まることにしたのですが、タクシー移動となりますからその予約が面倒です。あらかじめ、ピックアップの予定時刻を3日分出さなければならなかったので、時間的な融通が利かなくなりました。
やはり街中ホテルは古かったですが便利でありました。

店評価ブログに、麻布十番の韓国家庭料理「鳳仙花」と、同じく麻十の鮪&牛和食「尾崎幸隆」をアップしております。ぜひお立ち寄り下さい。

さて週間食日記です。

月曜
昼:AWキッチン
夜:内食
昼は麻十にあるイタリアン。「やさい家めい」の姉妹店であります。野菜たっぷりのパスタが1600円近く。高いかどうか判断は微妙です。

火曜
夜:新橋の割烹
昼はコンビニのサラダ。もちろんMSG入りのドレッシングはかけていません。
夜は高額京料理へ。丹波の松茸も出て満足でした。

水曜
夜:赤坂の3つ星鮨屋
昼は同じくコンビニのサラダだけ。夜はアメリカ大使館近くの鮨屋へ。相変わらず客層が面白かったですが、ツマミ、握りは満足しました。

木曜
昼:銀座三越のビストロ
夜:銀座三越の自称京料理
昼はネオビストロ。ようやくこなれてきたのか、15分ほど待つだけで入れました。昼コースは3000円超と高いですが、予想よりは悪くはなかった。
夜は「摘み草」の支店へ。東京でも主人はカイエンに乗っているのでしょうか。1万5000円のコースを頼みましたが、最悪の食後感でありました。

金曜
昼:代官山のイタリアン
夜:銀座の寿命あと数ヶ月の3つ星フレンチ
鍼治療の後、アドレスの地下へ。客がほとんどいませんでした。
夜はあと寿命わずかなフレンチ。料理は相変わらずイマイチでしたが、ワインもお任せの割にはパワーダウンか。

土曜
昼:恵比寿のイタリアン
夜:内食
昼は恵比寿ガーデン近くのイタリアン。「壁の穴」の系列の割にはまともだと思います。

日曜
昼:六本木の蕎麦屋
夜:内食
高い蕎麦屋。10月中旬だというのに新蕎麦出していません。腹一杯にするにはかなりの投資が必要でしょう。でも、蕎麦はまったく傑出しておりません。

ミシュランガイドの実売数について 最終回

旅先のモバイルでは拙ブログ(正確にはHP)へのアクセ数解析をみることが出来ないので、一昨日からはじめたこのシリーズ(ミシュランガイドの実売数について)がどのくらいウケているか、スベっているかわかりません。
掲示板を見る限り、友里征耶の意気込みとは反対にスベッているように感じますが、いよいよ本日が最終回。本題であるミシュランガイドの推測実売数など具体的な数値を出すことにします。

下記の横一列の3つの数値は、左からある大手書店(昨日説明済み)での、ミシュランガイドの仕入累計、売上累計、そして返品率を若干ボカして表記しております。まずはご覧下さい。

東京版2008
20,000チョイ  20,000チョイ  0%に近い

東京版2009
19,000弱    7,000チョイ   60%チョイ

東京版2010
5,000台半ば   2,600弱     50%強

京都・大阪版2010
10,000チョイ   8,000弱     20数%

初年度は例の法則を当てはめると、全国での推測実売数は20万部強。ミシュランサイドが重版を入れて

20万部売れた

と豪語したように、ベストセラーであります。返品もほとんどないですから、文句の付けようのないパフォーマンス(データを提供していただいた読者の評価)であります。

熱しやすく冷めやすい日本人の性格を読み違えただけではなく、内容も初年度版と大差なかったから失敗したのでしょうか、2009年版の刷り数は初年度と似た20万部に近いと思うのですが、実売はこのデータから推測してせいぜい8万部程度。返品率は60%ですから完全な作戦ミス、失敗です。私は初年度発売の時、

そのうち数万部に落ち着くはずだ

と述べましたが、イケイケのナレさんには警告にならなかったようです。

2009年版の失敗を反省してか、2010年版は慎重になりました。恐らく刷り数を半減したと思うのですが、ミシュランガイド離れに歯止めはかからず、推測実売数はなんと

3万部

です。グルメ本で一番売れていると言われる文藝春秋社の「東京いい店うまい店」(ただし2年に1回の出版)とほぼ同じレベル(これも勝手な推測)になってしまいました。
しかし刷り数を推定6?7万部に激減させても返品率が50%を超えてしまったことに、ナレさんはじめミシュランサイドは焦ったのだと思います。
そのテコ入れが、対象地域に横浜と鎌倉の追加。売上減に歯止めをかけるための苦肉の策というか諸刃の剣の対策です。調査員の数をそうは増やせませんから、新たな地域の調査を優先して既存の地域の再訪や発掘がおざなりになって内容が劣化する危険があるわけです。

京都・大阪版は1年目であったため、強気で10万部ほど刷ってそこそこの実売(推測8万部台半ば)となりましたが、返品率が20%以上なので危機感を持ったのではないか。
東京版と同じく神戸を対象地域に増やすという策を2年目に打ってきたわけです。
しかし今のところこの京都・大阪・神戸版2011、アマゾンのランキングを見る限り去年ほどの勢いがありません。あくまで友里の推測ですが、最終的には実売数万部で止まるのではないかと考えます。

世界100カ国で年間100万部を売り上げていると豪語するミシュランガイド。でもよく考えると

1国当たりの実売は平均して1万部

ではありませんか。日本で20万部も売れたこと自体が異常でありまして、どう足掻いても数万部というのがこの手のガイド本の宿命であると考えます。