6/1で日刊ゲンダイのコラム、ひとまず休載

昨年9月から週2回(月・水)連載していた日刊ゲンダイのコラム「行っていい店わるい店」でありますが、この6/1(水)でしばらくお休みをいただくことになりました。再開は9/5(月)の予定であります。
昨年の9月に再開してから7ヶ月続けてきたのでさすがにネタ不足。3ヶ月の充電期間中にあらたにネタを仕込む予定であります。

思えばマスコミからの初めてのオファーがこの日刊ゲンダイ。デビュー直後、2003年の初夏だったと記憶しております。もう8年を超えたお付き合いであります。
その間色々なことがありました。最近はめっきり少なくなりましたが、店からのクレーム電話は当たり前。いきなり代理人(弁護士)から書面が来たこともありましたし、皆さんご存じの古川修氏との名誉毀損裁判、この日刊ゲンダイのコラムが発端でありました。
いくつものクレーム修羅場をくぐり抜けて来た友里も、ついに高裁で逆転敗訴となったのは記憶に新しい。
そういえばデビュー直後のグラフ社へのクレームも凄かったようです。ほとんど毎日グラフ社のクレーム担当をしていた当時の役員から私の携帯へ電話がかかってきておりました。もう遠い昔のような感じですけど。

さて日刊ゲンダイ休載前の最後の週(来週)は過大評価の2店で〆させていただきます。どちらも人気店。月曜は新橋、水曜は地方の店であります。皆様には地方の店はもうおわかりでしょう。字数もいつもより多めでありますので楽しみにお待ち下さい。?

話は変わりまして友里初のオススメ本、脱稿して最後のチェックを残しておりますが校了がもう間近。タイトルは友里掲示板に書きましたように、出版社が提案した当初の案で決まりそうです。
今までの友里のイメージとはまったく異なる、飲食店紹介雑誌に使われるようなタイトルでありまして、業界から忌み嫌われている超辛口ライターとは知らずに買ってくれる

純粋無垢な外食好き(特に女性)

を多く釣ることが出来るかどうか、大きな賭けであります。

さて本日はもう一つ報告と言いますか宣伝があります。菅総理の外食動向に関するコラムを5月号まで掲載していたZAITEN(財界展望新社)の7月号からあらたな企画が始まります。題して

友里征耶の「ホテル ダイニング」勝手格付け

であります。格付けと言ってもランキングなどをつけるのではなく、ホテルのメインダイニングをいつものように癒着なく評価するだけであります。
第一回は外資系ホテルのメインダイニング。6月1日発売ですのでよろしくお願い申し上げます。

昨年で「月刊めしとも」(角川)が終わってしまってベースロード(レギュラー露出)が減っているところ、3ヶ月とはいえ日刊ゲンダイがなくなるのでこの夏はかなり暇になるかもしれません。
しかしオカザワと違ってまだオファーがあるだけ有り難い。順調なら年末に飲食業界への問題提起本をもう一冊出す計画であります。
友里初のオススメ本の売り上げ如何によっては今年から来年にかけて増収増益、年末の問題提起本で来年以降もウハウハとなるかどうか。
妄想はここまでにして、ミシュランガイドでも数万部ですからいつものように大きな期待(ベストセラー)は無理でしょう。

先日掲示板で新たな案をいただきました。オススメ店とダメダメ店(規模や業態が同じ店を選ぶ)の比較分析をしたらどうかというものです。加えて人気店と閑古鳥店の比較、過大評価店と過小評価店の実例比較、などアイデアは膨らんできました。
世に数多い料理評論家やグルメライターの中で、このような業界掟破りの企画を敢行できるのは異端児・友里征耶だけでしょう。賛同していただける出版社からオファーがあれば来年是非やってみたいと思っております。

おまけ
昨日、友里掲示板で散々揶揄、もとい紹介されていた関谷江里さんの新著が発売されたようです。
手にとって中身を詳しくチェックされた方、ミーハー心に火がついて著者が店頭に立つ書店に並びサインを貰った方、の書き込みをURL貼って紹介させていただきます。

http://tomosato.net/test/read.cgi/bbs/1302417810/171-172n

飲んだワイン自慢

最近すっかりワインについての記述がなくなったとのご指摘を受けました。そういえば大震災後は調子に乗って原発事故に関する「自称解説」がメインになってしまったかのようなブログの毎日。よって本日は原発ネタを封印します。
そこでワインに関して書こうと思ったのですが、あんまりネタがないんですね。

真っ先に思いついたのが「Club des 50」。
3年ほど前から15年以上「世界一ソムリエ」の称号を引っ張っている田崎真也氏が純粋無垢な信奉者に売りつけている、もとい、譲り渡しているボルドーワインであります。
10のボルドーシャトーのグランヴァンとセコンドを混ぜ合わせてボトリングしたと言われているワイン。詳しい問題点は別の日に書こうと思っているのですが、信者じゃない、田崎さんと何ら利益関係にないワイン好き、例えば友里やその知り合いが飲んでもまったく美味しいと思わない出来のワインであります。

私は3年前くらいから毎年お付き合いでほとんどの種類を飲んでおりますが、今回配布の2008年もの(赤ワインの場合)は、特に出来が悪いと言うか不味いものでした。このまま寝かしても美味しくなるポテンシャルはありません。赤のすべてが樽負けしています。(白はまだ飲んでいません)
これなら成城石井で2000?3000円で売っているボルドーのセカンドやサードラインの方がはるかに美味しい。

不味いワインの見本として信者に売るなら勉強にもなるでしょうが、信者達はこれが美味しいと思い込んでいるから問題なのです。
ワインラバーたちが集まって持ち寄りワイン会をした時、そのメンバーに信者が交じっていると悲劇が起こるのです。何も不味いワインを飲まされた信者以外のワインラバーが悲劇だと言っているのではありません。
さも貴重で素晴らしいワインと思い込んで、自慢しながら持ち込んできた信者が他のメンバーから白い目で見られてしまうという悲劇なのであります。

ある程度の経験があるか普通のコレクターなら、まったく有り難みを感じないのがこの「Club des 50」であります。
でも「Club des 50」で検索してみると、このワインを自慢げにアップしているいくつものブログがヒットするんですね。1本当たり8000円前後もするこのワインが美味しいと感じてしまっては、残りのワイン人生を台無しにすると私は考えます。

10種のボルドー混ぜ合わせワインを12本ずつ、つまり120本を信者達は100万円前後で購入しているそうですが、転売禁止という制限の中、こんなワインを120本もどうやって処理するのか。転売禁止ですからレストラン関係者は客に出せません。ということはプロは自分用にもこんなワインを買うはずがなく、喜んで購入しているのはこう言っては怒られるかもしれませんが信者の中でも素人レベルの方々でしょう。
いや、ド素人でないワインスクールの講師(勿論田崎信者)も購入しているようです。生徒を集めてワイン会と称してこの混ぜ合わせワインを振る舞っているようです。確かに転売ではないですが、参加費用(多分利益も乗せて)を取っているはずですから私は転売と大差ないと考えます。
ワインスクール講師達はこの混ぜ合わせワインを

美味しいワイン

と紹介しているとしたら、その罪は重いと考えます。
業界で最大の力を持っている田崎氏の関心を少しでも引きたいが為、120本のワインを引き受け、その負担を自分の生徒に転嫁しているとしたら大きな問題であります。
天下の世界一ソムリエはそんなワインスクール講師の信者心理を理解していないのでしょうか。

わずか50名限定(つまり総額5000万円前後)の田崎さんの事業でありますが、

事業としては儲かっていない

と公にはなっているそうです。
私にはなぜ不味いワインを儲かりもせず毎年信者に売っているのか、田崎氏の動機が理解できません。

さて今度は真に美味しかったワインの話であります。
先日、ワインコレクター2名の方から大変レアなワインを4本提供していただき、私をいれて4名で飲む機会がありました。その飲んだ自慢であります。

まずはワインを提供しなかった2名が店で頼んだのがクリュッグの1990年であります。
その数日前、自宅で例のドンペリのレゼルヴ・ド・ラ・ベイ 1990を飲んでいたのですが、このクリュッグのノーマルバージョンの方が熟成感もあり自分的には美味しかった。

クリュッグ 1990

次は1976のモンラッシェ(バロン・テナール)でしたが写真を撮り忘れてしまいました。どちらかというとエレガントなワイン(早い話が薄めのワイン)の造り手と思っておりましたが美味しかったです。

続いて本日の主役、1940年のロマネ・コンティでありました。
友里にとって戦前のロマコンは初体験。よくまあこんなワインを手に入れたと感心してしまいましたが、色が思ったより濃くて驚きました。これも状態は良かった。

ロマネ・コンティ 1940

そして次が1937年のヴォルネイ。造り手は忘れましたが、ロマコンと違ってかなり熟成感がでておりました。でも状態は良かった。

ヴォルネイ 1937

そして最後は1935年のリシュブール。造り手は勿論DRCであります。この辺でもう記憶がすこし危ういのですが、同じく状態はよく、それは美味しゅうございました。

リシュブール 1935

これらの写真は携帯レベルのもので撮ったので、写りが悪いことをご理解下さい。?

状態が良くなかったら、山本益博氏ではないですが若いワインと混ぜ合わせる事も考えていただけに(冗談です)、どれもハズレがなくラッキーなディナーでありました。

この持ち寄りワイン会(私を含め2名は今回持ち込んでいない)に気をよくし、近々にまた一人で空けるには怖いワインの会をしようということになりました。
今回はすっかりゴチになってしまっただけに、次回は見栄を張る意味で怖い(古い)ワインを持っていこうと決意した友里でありました。持っている自慢になるのですが、1904年のシャンベルタンが所有ブルゴーニュでは最古でありますので、これでも開けてみようかと思っております。

本日は、この人に逆らったら飲食業界で生きていけないと恐れられている帝王・田崎真也氏関連と、まったくの自慢話のワインネタでありました。

久々にユッケを食べてしまった

今さら発表されても誰も驚かないのではないか。

2・3号機も炉心溶融

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110524-OYT1T00086.htm

福島原発、金子勝氏のツイッターにリンクがあった写真をマジマジ見ると、事故の重大さがわかると思います。

http://photos.oregonlive.com/photo-essay/2011/03/fukushima_dai-ichi_aerials.html

3号機なんて特に滅茶苦茶ですね。今まで外付けの空冷装置を「接合」することが出来るのかと友里ブログで問題提起してきましたが、接合するどころか配管を引き回すスペースもないのではないか。鉄骨や瓦礫でグシャグシャですし、私の目には肝心の

格納容器や圧力容器が健全であるようには見えない

のであります。
他の建屋ですと黄色い物体が確認出来ます。多分格納容器の蓋の部分だと思うのですが、3号機では私は確認出来ません。
3号機の建屋へ人が入ったとの報道がありましたが、3号機の格納容器がどうなっているか写真を見てみたいと思う人は友里だけではないでしょう。

これまた簡単なかけ算と足し算が出来る人なら誰でもわかったことが、東大出が多い東電にはわからなかったようです。

保管施設、数日で満杯に…汚染水移送を中断へ

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110523-OYT1T00565.htm?

毎時10トン前後の水を注入し続けたら

格納容器が壊れてないなら何日(1ヶ月前後)で満杯になって注入出来なくなるか
格納容器が壊れていたら注入して汚染された水が毎時どのくらい漏れ出るか

小学生でもわかることであります。
また、今さら移送先が数日で満杯になるので移送を中断と言われると

我々は汚染水を溜めるスペースの容積をまったく考えないで移送していたアフォです

と言っているようなものではないですか。こんなレベルの会社が原発を操作しているのですから驚きであります。

昨日ちょっと触れた原発事業に舵切っていた東芝ですが、読者の方から韓国の風力発電メーカーを買収(売り上げわずか60億円で買収金額30億円)するとの情報をいただきました。
先月はバブコックと火力発電で協業を検討との発表もありました。傍目では福島原発事故で急にバタバタしてきたように見えます。裏をかえせば、それだけ今後の原発事業の見通しが立たなくなっているという証左でありましょう。

さて先日、ユッケ事件後初めて焼き肉を食べに行きました。空いているだろうと思ったのですが、事件前と変わらない盛況さに驚きました。人のこと言えませんが、日本人は焼肉好きが多いようです。
この日一番の目当てはユッケを扱っているかどうか。着席してまずメニューを開けたら、ユッケだけではなくレバ刺しまでしっかり載っているではありませんか。
店内を見ると、ユッケがバンバン客前に運ばれているのです。ちょっと迷ったのですが、ここで食べなければブログネタには出来ないと頼んだのは言うまでもありません。
運ばれてきたユッケ、以前より塊が大きくなったというか、ミンチ状ではなく角切りのようになっていました。タルタルのような食感でありまして、それなりに楽しませていただきました。

しかし生肉って味があるのでしょうか。こう言ってしまうとアンチの方々から

味音痴

と突っ込まれそうですが、タルタルはオイルや塩胡椒だけではなく、玉葱、ケイパーやピクルスなどを入れて味をつけているはず。ユッケも胡麻油やコチュジャンが必須であります。というか正直に言いますと、私はそれら調味料の味が主体で肉自体の味をなかなか感じ取れないのです。
何といいますか独特の食感を楽しむだけかなと。反面この時は食べませんでしたが、レバ刺しは胡麻油につけてもしっかりレバーの味がしますから、食材の鮮度や質をそのまま感じとることが出来ると思います。

そこで私はふと考えたのです。先月都内某鮨店で見かけた予約困難ステーキ店のご主人、今でもタルタルやレバ刺しなど生を出しているのか。
いつかは検証してみたいと思います。