飲んだワイン自慢

最近すっかりワインについての記述がなくなったとのご指摘を受けました。そういえば大震災後は調子に乗って原発事故に関する「自称解説」がメインになってしまったかのようなブログの毎日。よって本日は原発ネタを封印します。
そこでワインに関して書こうと思ったのですが、あんまりネタがないんですね。

真っ先に思いついたのが「Club des 50」。
3年ほど前から15年以上「世界一ソムリエ」の称号を引っ張っている田崎真也氏が純粋無垢な信奉者に売りつけている、もとい、譲り渡しているボルドーワインであります。
10のボルドーシャトーのグランヴァンとセコンドを混ぜ合わせてボトリングしたと言われているワイン。詳しい問題点は別の日に書こうと思っているのですが、信者じゃない、田崎さんと何ら利益関係にないワイン好き、例えば友里やその知り合いが飲んでもまったく美味しいと思わない出来のワインであります。

私は3年前くらいから毎年お付き合いでほとんどの種類を飲んでおりますが、今回配布の2008年もの(赤ワインの場合)は、特に出来が悪いと言うか不味いものでした。このまま寝かしても美味しくなるポテンシャルはありません。赤のすべてが樽負けしています。(白はまだ飲んでいません)
これなら成城石井で2000?3000円で売っているボルドーのセカンドやサードラインの方がはるかに美味しい。

不味いワインの見本として信者に売るなら勉強にもなるでしょうが、信者達はこれが美味しいと思い込んでいるから問題なのです。
ワインラバーたちが集まって持ち寄りワイン会をした時、そのメンバーに信者が交じっていると悲劇が起こるのです。何も不味いワインを飲まされた信者以外のワインラバーが悲劇だと言っているのではありません。
さも貴重で素晴らしいワインと思い込んで、自慢しながら持ち込んできた信者が他のメンバーから白い目で見られてしまうという悲劇なのであります。

ある程度の経験があるか普通のコレクターなら、まったく有り難みを感じないのがこの「Club des 50」であります。
でも「Club des 50」で検索してみると、このワインを自慢げにアップしているいくつものブログがヒットするんですね。1本当たり8000円前後もするこのワインが美味しいと感じてしまっては、残りのワイン人生を台無しにすると私は考えます。

10種のボルドー混ぜ合わせワインを12本ずつ、つまり120本を信者達は100万円前後で購入しているそうですが、転売禁止という制限の中、こんなワインを120本もどうやって処理するのか。転売禁止ですからレストラン関係者は客に出せません。ということはプロは自分用にもこんなワインを買うはずがなく、喜んで購入しているのはこう言っては怒られるかもしれませんが信者の中でも素人レベルの方々でしょう。
いや、ド素人でないワインスクールの講師(勿論田崎信者)も購入しているようです。生徒を集めてワイン会と称してこの混ぜ合わせワインを振る舞っているようです。確かに転売ではないですが、参加費用(多分利益も乗せて)を取っているはずですから私は転売と大差ないと考えます。
ワインスクール講師達はこの混ぜ合わせワインを

美味しいワイン

と紹介しているとしたら、その罪は重いと考えます。
業界で最大の力を持っている田崎氏の関心を少しでも引きたいが為、120本のワインを引き受け、その負担を自分の生徒に転嫁しているとしたら大きな問題であります。
天下の世界一ソムリエはそんなワインスクール講師の信者心理を理解していないのでしょうか。

わずか50名限定(つまり総額5000万円前後)の田崎さんの事業でありますが、

事業としては儲かっていない

と公にはなっているそうです。
私にはなぜ不味いワインを儲かりもせず毎年信者に売っているのか、田崎氏の動機が理解できません。

さて今度は真に美味しかったワインの話であります。
先日、ワインコレクター2名の方から大変レアなワインを4本提供していただき、私をいれて4名で飲む機会がありました。その飲んだ自慢であります。

まずはワインを提供しなかった2名が店で頼んだのがクリュッグの1990年であります。
その数日前、自宅で例のドンペリのレゼルヴ・ド・ラ・ベイ 1990を飲んでいたのですが、このクリュッグのノーマルバージョンの方が熟成感もあり自分的には美味しかった。

クリュッグ 1990

次は1976のモンラッシェ(バロン・テナール)でしたが写真を撮り忘れてしまいました。どちらかというとエレガントなワイン(早い話が薄めのワイン)の造り手と思っておりましたが美味しかったです。

続いて本日の主役、1940年のロマネ・コンティでありました。
友里にとって戦前のロマコンは初体験。よくまあこんなワインを手に入れたと感心してしまいましたが、色が思ったより濃くて驚きました。これも状態は良かった。

ロマネ・コンティ 1940

そして次が1937年のヴォルネイ。造り手は忘れましたが、ロマコンと違ってかなり熟成感がでておりました。でも状態は良かった。

ヴォルネイ 1937

そして最後は1935年のリシュブール。造り手は勿論DRCであります。この辺でもう記憶がすこし危ういのですが、同じく状態はよく、それは美味しゅうございました。

リシュブール 1935

これらの写真は携帯レベルのもので撮ったので、写りが悪いことをご理解下さい。?

状態が良くなかったら、山本益博氏ではないですが若いワインと混ぜ合わせる事も考えていただけに(冗談です)、どれもハズレがなくラッキーなディナーでありました。

この持ち寄りワイン会(私を含め2名は今回持ち込んでいない)に気をよくし、近々にまた一人で空けるには怖いワインの会をしようということになりました。
今回はすっかりゴチになってしまっただけに、次回は見栄を張る意味で怖い(古い)ワインを持っていこうと決意した友里でありました。持っている自慢になるのですが、1904年のシャンベルタンが所有ブルゴーニュでは最古でありますので、これでも開けてみようかと思っております。

本日は、この人に逆らったら飲食業界で生きていけないと恐れられている帝王・田崎真也氏関連と、まったくの自慢話のワインネタでありました。