Archive for 2月 20th, 2010
鮨とスイーツのコラボ、ベルヴュー
by tomosato on 2月.20, 2010, その他の料理, 鮨
不景気なので集客のため目先の変わった企画をひねり出したのでしょうか、ホテルニューオータニ。
「江戸前ディナー」と銘打った三日間限定の案内を見て私は驚きのあまり椅子から転げ落ちそうになったのです。
「江戸スピリットを生きる2人の美味職人」とのキャッチのホテル開業45周年イヴェント、なんとこの2月16日に上野毛から銀座へ打って出る人気鮨店「あら輝」の荒木水都広氏とホテルニューオータニのパティシエ・中島眞介氏のコラボなのです。スイーツに「江戸前」があるものなのか、いやそれ以前に鮨とスイーツのマリアージュが可能なのか。スイーツ3品入れて計9品のディナーが2万円(税・サ別)と割高に感じましたが、捨て石覚悟で私はこのイヴェントに潜り込みました。
まずは荒木氏の提供する蝦夷鮑の素蒸しと車海老のミソ和え。部位が小さく旨みをそうは感じません。つづく3皿は中島氏の作。亀戸大根“江戸の印籠”煮と称するものは、蒸した大根にアサリやシメジの細切れと荒木氏作の唐墨を乗せ、唐墨、白味噌、マヨネーズを和えたソースがかかっています。何とも不思議なお味。鰻豆腐は豆腐を使用した「もどき料理」。正直言って美味しくない。トマトのコンソメ“黄金の雫”は透明なトマト出汁にオマールとエシャロットを詰めたトマトが浮かんでおりました。
お待ちかね荒木氏担当の穴子の棒ずし、酢飯の塩が強く穴子とマッチしていない。これならツメを塗るべきでしょう。幻の卵焼も見た目は伊達巻きで全く傑出していない。
そして赤身、中トロ、トロの3ヶを荒木氏がテーブル前で握るパフォーマンスです。でもたいした握りではなかったのが残念。その後再び中島氏のスイーツ3皿でコースは終わりとなりました。鮨職人のイヴェントなのに、握りが3ヶで物足りない客には、2625円の追加費用で「あら輝」名物のチョモランマ(マグロを使った手巻き)が用意されています。
ぬる燗なくわずか1種の本醸造冷酒だけでは物足りず、甲州やシャルドネのグラスワインを頼んだ支払いが3万円前後。上野毛ではツマミと握りにぬる燗をかなり頼んでも2万円は超えませんでしたから、最悪なCPの江戸前ディナーでありました。ホテルのイヴェントにCP良い企画なし、新しい友里の定説です。
京都にある大阪風割烹、割烹やました
by tomosato on 2月.20, 2010, 和食
最近の和食はお任せコースばかり。チマチマした多皿の創作料理が多く、自分の好きな食材や調理で楽しむ選択肢がありません。せっかくカウンターに座っても、目の前では何もせず、ほとんど奥の厨房で完成した料理を出してくる臨場感のない店も多い。そんな店に不満を持っている方にはこの店をオススメします。
コースもありますが、昼も夜もアラカルト対応が可能で、カウンター割烹の醍醐味である臨場感を堪能出来るのが特徴。ミシュラン調査員が喜ぶお仕着せコース和食に飽きていた友里が、知人の紹介で訪問したのは祇園祭前の7月初旬の昼でした。
この時期は何といっても京都では鱧。隣のコースを頼んだ客はバットから取り出した造り置きの落しでしたが、我々はアラカルトで焼き霜も頼んだからか、水槽から取り出した鱧を目の前で〆て骨切りをはじめました。このあからさまな客区別から、この店は単品注文でなければダメだと感じ取ったのです。
鱧は本来皮目と身で火入れの度合いを変えるのですが、この店はどんと一気に熱湯へ投入。これを豪快というか無頓着というかは読者の判断に委ねます。梅肉の味が濃すぎましたが、骨切りパフォーマンスのおかげで落しはまずまず。焼き霜は炭をわざわざ客前へ持ってきてから炙りますから臨場感もたっぷり。殻付きトリガイ、稚鮎、キンキの煮付け、丸鍋など結構食べて飲んでの支払いが一人1万3000円チョイと濃い目の味付けと支払いは大阪割烹並みでそれなりに満足したのです。
他の季節の夜も試しておこうと2回目の訪問は今年になってから。今回も突き出しの3種盛りは凡庸ながら、目の前で炙る佐賀の鰤やモロコ、味わいは別にしてエンターテイメントとしては成功でしょう。個人的にはもっと分厚い鰤を刺身で食べたかったけど連れ達は満足しておりました。
味の染みこみが緩い焚合せや出汁が甘めの蕪蒸し、ウリの鯖寿司も私的には身薄く酢が弱いと感ましたが、この支払額なら文句を言うことは出来ません。シェアしたとは言え丸鍋などを頼んでの支払いが1万円前後。結構飲む人も居ましたから、結果的にはかなりCP良い劇場型割烹料理店であります。出汁を含め大阪割烹に近い調理と感じますが、アラカルト、臨場感、CP感に拘る方にはオススメです。







