店評価BLOG

こんな鰻を海外で披露するな、野田岩 パリ店

by tomosato on 11月.21, 2009,

海外でわざわざ和食店を訪問することは滅多にないのですが、今秋のパリ訪問で図らずも和食店2軒に行ってしまいました。
イタリアはピエモンテ州でバターやクリームたっぷりの料理を昼晩食べ続けて胃が弱ったのでしょうか、パリへ到着して無性に和風味、特に「鰻」が食べたくなったのです。そこで真っ先に思いついたのが「天然偽装」と私が昔からやり玉に挙げている「五代目 野田岩」。パリに直営店があることを思い出し昼に行ってしまいました。

サントノーレ通りとオペラ座通りが交差する近くにあるビル1階。店内は正に「鰻の寝床」のように細長かった。店内には日本人以外に外人客もいて8割方埋まっていましたが、不景気で客が減ったのか蒲焼き定食を除く定食物(鰻丼や鰻重)が2ユーロ引きのセールをやっています。ただし鰻の重量(130g~410g)で16~45ユーロと高く前菜や茶碗蒸しがつくコースは55ユーロ以上と破格。でもランチコースは21ユーロからありました。

まずはビール(5ユーロ)を飲みながら単品メニューの煮凝り(8ユーロ)でスタート。ねっとりし過ぎて生臭いだけで美味くない。出てくるのに15分はかかった肝焼き(9ユーロ)はまるで茹でたみたいな代物です。日本ではとてもお金を取れるレベルではない。これはたまらんとツマミ類を諦めてすぐさま「蒲焼き定食」(36ユーロ)をオーダーしました。

千寿(1合12ユーロ)をゆっくり飲みながら残った不味いツマミを完食しようと思っていたら、なんとオーダーから10分もかからず蒲焼きが出てくるではありませんか。パリでもその場で捌いて始めろといった野暮は言いませんが、焼き置きを二度焼しているどころか、焼かずに温めただけではないか思うほど皿出しが早いのです。恐る恐る食べようと箸でつまむとすぐ崩れてしまうほど柔らかく、まるで鰻の煮物。蒸し過ぎとか言うレベルではなく、冷凍パックをチンして出したような食感でありました。

肝焼、蒲焼きと不思議な食感。考えてみれば、パリのど真ん中の小さなビルの厨房で、炭火を使った焼き場の設備が設営出来るものなのか。この鰻を実際に試食して平気な顔して提供し続けているとしたら、野田岩五代目の「性格」は友里の想定以上の悪さであります。

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あの店は今・・・ 野田岩

by tomosato on 10月.17, 2009,

景気の回復が滞っているこの時期にこれほど繁盛しているとは思いませんでした「五代目 野田岩」。丑の日のある7月は、昼は行列、夜は満席で予約が入りません。平賀源内が煽っただけで旬でもない時に食べる必要はないと8月になって昼にフリで飛び込みをはかったところ、簡単に出来ました。暑い中、行列までした「野田岩信者」にはご苦労様と申し上げたい。
デビューして6年、友里はこの「野田岩」に対し一貫して「天然偽装」をやめるべきだと指摘してきました。「吸い物の肝や肝焼きに釣り針が入っていることがある」と箸袋で注意を促し、店主が「天然鰻に拘っていて4月から12月までは天然鰻を、それ以外の時期は養殖鰻を出している」と発言していたら、純粋な客は冬以外の鰻は全部天然だと勘違いするではありませんか。しかし冬だけではなく春、夏、秋も仕入れる鰻の大半は養殖鰻なのです。天然鰻なんて1日に何匹もでません。それは仲居さんに天然鰻を注文したら、都度厨房へ確認しに行くことから誰でもわかることなのです。
さてこの日、メニューを見てビックリ。「白焼き」は今まで100%天然と言っていましたが、不漁の際には養殖を使うとの明記に変更。逆に天然鰻を意味する「中串」や「筏」がメニューから消えています。箸袋の「釣り針記述」は健在でした。
まずは霞ヶ浦の天然鰻という「白焼き」をオーダー。いつもより身が厚かったですが、風味や旨みがまったくない。ただの柔らかい「蒸し魚」であります。続いて違いを確かめるため、養殖と天然の蒲焼きを両方頼みましたが、やはり蒸しすぎで柔らかすぎです。天然鰻は風味(悪い意味での「臭み」)があるが味が薄い。同伴者にも確認させましたが、ブラインドで食べたらこの「野田岩」では、「養殖」の方が脂も乗っており美味しく感じるのです。私は世にはびこる「天然鰻神話」に物申したい。天然なら何でも美味しいというのは嘘。時期、産地(川)、場所(上流か下流か)と行き先(上りか下りか)に加えて、個々の個体差で味はまったく異なると。産卵で海へ帰る前の下り鰻(河口付近で餌を沢山食べた大きなもの)で当たりの鰻を「直焼」で食べたら、「野田岩」が仕入れる小さ目の「蒸しすぎ天然鰻」なんて食べる気がしなくなることを広く知っていただきたいのです。

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デカいだけで大味の鰻、神田きくかわ

by tomosato on 5月.12, 2007,

この本店を入れて都内に3店舗展開するネットで人気の鰻専門店。すべて直営店だと思うのですが、この店は愛知県幡豆郡一色町に直営養魚場があると公開しています。3店舗で養殖場を持って採算がとれるのでしょうか。
神田の昔風の一軒家で雰囲気はでています。1階が禁煙、2階が喫煙可と分煙システムで昼時の店内は満席。ほとんどの人が頼んでいる「うな重」は大きさによって、(イ)、(ロ)、(ハ)と奇妙な名づけで、2620円、3150円、3670円と立地、店構えの割に高い値付けです。「ぐるなび」では、「江戸前のうなぎ料理は時間がかかる。せかされるとはんぱな仕事になるんでね。でもかならずいい仕事するからまかせなよ」と38分かかると書いてあったのですが、真ん中の重は20分かからず出てきました。その重を一目見てびっくり。J.C.オカザワ氏は量が多いと言っていましたが、尻尾が重からかなりはみ出る大鰻が品なく2匹乗っております。見ただけでひいてしまいましたが、目を瞑って口に含むとまず詰めの緩いタレの甘みを感じ、次は脂味だけで、肝心の鰻自身の旨みを感じません。品質が安定した養殖鰻のいいところを感じず、山椒を多めにかけてやっと食べきることができました。おかげで私は今まで過大評価でたいしたことないと言ってきた「野田岩」や「尾花」の鰻を見直したくらいです。
ネットではサービスが悪いとありますが、私に言わせると「鰻」が悪い。どう考えても高額鰻店が扱っている品質の良い「養殖鰻」と異なるもの、質だけの問題ではなく、種類が違うかもしれない
と感じたのです。紹介してくれたJCも、種が違う可能性があると後日言っておりました。その正否は別にして、高額店の仕入れる養殖鰻とは違う質のものを使用しているのは間違いない。自社の養殖場をもつ理由はここにあるのでしょうか。「養殖ハマチ」にも似たくどい脂を感じる食後感の鰻蒲焼。そりゃ量も重要な要素でありますが、大きくて量があれば何でも良いって訳ではありません。行列作って食べに行く客が多いのですが、皆さん、他の高額鰻屋と同じようなレベルの鰻だと思って食べているのでしょうか。価格だけは高額店ですが、過大評価の他店よりも食後感が悪い店。友里がおススメできる鰻屋ではありませんでした。

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