洋食
移転してクオリティが劣化した、南蛮銀圓亭
by tomosato on 11月.14, 2009, 洋食
月刊誌「めしとも」の洋食特集で取り上げるつもりで訪問しましたが、評価が芳しくなかったことやテーマである「ハレの日づかい」に合わないという理由などで掲載を見送った銀座の洋食店。移転後初めて訪問したのですが、頼んだ料理はすべて疑問の出来でありました。移転前はシチューなど煮込み料理で有名な店だったはず。「小川軒」や「胡椒亭」の流れを組む店で、店名も「西洋御料理 銀圓亭」だったはず。並木通りのビル7階に移転して「南蛮銀圓亭」と変な2文字が加わりました。あくまで友里の推測ですが、資本が変わったのかもしれません。
カウンターとテーブル席の簡素な内装。小林亜星氏のグループがいましたが、客入りは6割程度。
人のこと言えませんが年配客が多いのは洋食のお約束でしょうか。
この店は夜に洋食屋の定番「ハンバーグ」、「オムライス」、「ハヤシライス」を提供しません。売り上げ増を狙っているのか、3つのコースを主体にしています。前菜が何皿かついてメインが魚だと8000円。ビーフシチューで9800円、ステーキだと1万2000円であります。洋食屋なのにコース主体で価格設定も高い。これではこの不景気に客が殺到するはずがありません。洋食屋で魚やステーキを食べたくないと考え、我々はアラカルトをオーダーしました。
グリーンサラダ(800円)はヴィネガーが足りないのか酸味を感じません。オイルと胡椒の割に後味が悪いのが気になります。海老コロッケ(1800円)は衣がヌメッとしていて揚げたてのサクサク感なし。外が柔らかくて逆に中身が堅く、塩も足りなくまったく美味しくなかった。
海老グラタンが品切れということで頼んだ魚介のグラタン(3000円)は、ベシャメルソースがスープのように緩く味はすっぱいだけ。海老は冷凍物と見紛う質でどう見てもオーブンで再加熱したとしか思えない食後感でありました。野菜たっぷりのビーフシチューも4000円超はあまりに高過ぎではないか。ツメが緩い、そして温いとこれまたダメ出しです。
ワインの値付けも高く、安めのボルドーもの(8500円)を飲んで2名で2万台半ばの支払いは、この食後感では最悪に近い。移転と店名変更でクオリティがかなり劣化した有名洋食屋と判断します。
料理が凡庸な有名洋食店、たいめいけん
by tomosato on 11月.07, 2009, 洋食
伊丹十三監督の映画「たんぽぽ」が切っ掛けではないと思いますが、立地も良いのかこの不景気でも集客が順調なのが日本橋の洋食店「たいめいけん」。元は屋台の「ラーメン店」だったと地元の老婦人から聞いた記憶があります。月刊誌「めしとも」の洋食特集でこの秋3回訪問しての結論は、まったくの「名前倒れ」でありました。
料理は傑出したものを感じないのですが、特に1階は2階より価格設定をかなり安くしているのでオープンと同時にいつも行列が出来ています。価格なりの食後感(満腹になるだけ)なのですが、何も考えない一般客を引きつけるこの「ブランド力」には脱帽です。
今回は2階店に限定。実際の普請は別にして1階よりゴージャス感を出しており値付けも結構高い。でも忙しい客には有り難いことに、2階は昼でも並ばずに飛び込みで食べることが出来るのです。1階の店前に並んでいる行列客を横目で見ながら、その脇を通って2階へ上がっていけるわけですから、上から目線の客や優越感に浸りたい客の接待にはもってこいかもしれません。特に味わいに無頓着な客ならば、その時点で接待は成功です。
料理は価格に見合うかと言うとつらい普通レベルの洋食。その中でも高額(3400円)のビーフシチューは、ドゥミグラスソースがあまりに甘酸っぱすぎて私の好みではありません。肝心の肉も脂の塊で原価をケチっているとしか思えない。ハヤシライス(2400円)も同じく甘酸っぱさが際立っている代物。薄切り肉や野菜の量はまずまずながら、添え物のラッキョウがわずか3ヶはケチりすぎではないか。タンポポオムライス、伊丹十三風と銘打った名物料理でありますが、玉子の使用量が多いだけで、中身のチキンライスにプロの調理を見ることが出来ません。普通のオムライスより300円高い(2700円)のは、いくらトロトロ玉子とは言えふっかけ過ぎと判断します。最悪だったのが蟹コロッケ。蟹のツメ付きで素人客を喜ばせる演出のようですが、何気にツメ部分を触ってビックリ。冷たいではありませんか。造り置きして冷凍にしていたと推測します。洋食の定番ハンバーグもヌメッとしていて限りなくレトルトに近い食感。支払いは立派な高額店ですが、実態は限りなく「ファミレス」に近い店です。
オールマイティな洋食店、資生堂パーラー
by tomosato on 10月.31, 2009, 洋食
洋食屋というと、下町や住宅街にある古い一軒家とボウタイに着古して表面が光ったタキシードを着た年配スタッフを思い浮かべますが、この店はまったく別物です。銀座の一等地のビルにあり、スタッフは男女とも若く制服も光っておりません。
天井も高く、テーブル間隔も充分にとった贅沢な空間の店であります。
場所柄一番の客筋は同伴カップルでしょう。フレンチやイタリアンと違って洋食は誰でも知っている料理で種類も少ない。短時間で食べ終わることが出来るので同伴には最適です。内装も垢抜けていてデートにも可、買い物帰りの家族連れのちょっとした食事にも向いているし、価格設定も高いですから簡単な接待にも向いていると使い勝手が非常によい店です。
この店で一番目立つ料理は、他の洋食店には珍しい「シーザーサラダ」。スタッフが目の前で大きなボウルを使用してマヨネーズから造りあげるパフォーマンスに、私は思わず目を奪われましたが、同行したJ.C.オカザワは、調理している女性スタッフに目が釘付けになっておりました。最近はライター仕事の依頼が少ないと聞いていたけど、異性にも飢えているとは知らなかった。このサラダ、頼むとかなり目立つので他の客の視線を熱く感じ、自己顕示欲強い人には特にお勧めです。
料理はいずれも平均点以上のものばかり。資生堂だけあって安定した洋食料理が楽しめます。
蟹グラタンは純粋なペシャメルソース(ホワイトソース)ではなく、トマト味。掟破りの感がありますが、たまには変化球として面白い。クラブ クロケット(蟹コロッケ)はクリーミーなタイプではないですが、蟹肉もたっぷりで贅沢なコロッケです。ビーフシチューはちょっとツメが緩いと感じましたが、ハヤシライスやハンバーグも他の洋食店と比較すると勝るとも劣らないレベルであると思います。ただ、私の連れの女性を気に入ったオカザワが、彼女の歓心を買おうと頼んだビーフカツレツ、8000円前後とかなり高額なので見栄を張りたい方には注意が必要です。
ワインも値付けが安くはなく、酒飲みだと客単価は数ある洋食店の中で最高になる可能性があります。経費で落とせる同伴はさておき、デートや家族連れの場合は、メニュー選びに気をつけてください。





