店評価BLOG

居酒屋

この店を京料理と持ち上げたら可哀想、京加茂

by tomosato on 5月.29, 2010, 居酒屋

友里と因縁のあった古川修氏が「京料理と純米無濾過生原酒を合わせる別天地」と絶賛していた名古屋の和食店。主人自身も「京料理」と思っているようですが、ネットに出ている料理写真を見る限り「京料理」とは思えなかった友里が、関西在住の食べ仲間と弾丸ツアーで訪問したのは4月の下旬でありました。

まずは予約電話でビックリ。夜のコースは4800円からあると言うではありませんか。
いくら名古屋とは言え、「京料理」を夜に5000円以下で提供できるものなのか。我々は後で文句を言われないよう、最高値の1万2000円コースを選択しました。

一軒家ですが、カウンターに置いてあるドラえもん人形やテーブルに設置された灰皿を見て、限りなく「居酒屋」に近いと判断。現に地元客はしっかり喫煙しておりました。
奥の個室では幼児の「雄叫び」。別天地の定義がここまで古川氏と異なるとは思いませんでした。

突き出しのサロマ湖のウニ。よもぎ豆腐とうすい豆が添えられていますが、盛り付けと質は正に居酒屋レベル。お椀のタネはアイナメで、揚げて旨みのない質をカバーしています。予想通り出汁はかなり濃い味でした。
造りの主役はキャビアを包んだ脂くさい鯛。鯛の質が良ければこんな細工は必要ありません。最高値のコースを頼む客がいないので、慌ててキャビアで付加価値をつけたのか。
焼き物はホタルイカや貝柱を熱した石で客自身が焼き上げます。石が薄いのですぐ冷めてしまい生焼け状態。
琵琶湖の稚鮎はなんと「ワタ抜き」で提供されます。もっとも鮎らしい部位を外す理由は何なのか。伊勢エビの具足煮も京都の有名店で食べた経験がなく甘すぎる調理で美味しくなかった。キスとコシアブラの揚げ物もベチャベチャ、「国産牛」の牛鍋は、すき焼きとしゃぶしゃぶの中間のような調理でこれも甘すぎ。黒七味を多用して食べきりました。

どこにも京料理の片鱗を見出せなかった「京加茂料理」でしたが、濃い、甘い、といった居酒屋料理には、同じく味が濃すぎる「純米無濾過生原酒」が合うのでしょうか。
こんな強い味の酒を置いている真の京料理店はないはずですので、「別天地」とは名古屋にある単なる田舎料理店と最終判断。
この店が真の京料理と思い込んではその後の外食人生を踏み外すでしょう。

 

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小料理も出す高額オデン屋、元赤坂 ながずみ

by tomosato on 4月.03, 2010, その他の料理, 居酒屋

自称美食の王様、友里に言わせると「過食のオコチャマ」の来栖けい氏と親しいお任せコース一本のオデン屋。料理研究家に限定すればビジュアル派と言われる園山真希絵氏が恵比寿に営んでいる紹介性家庭料理店「園山」、その料理長をやっていた小河(おごう)雅司氏が昨年独立して開いたカウンター10席の店です。

私がこの店を知ったのは読者からの告発メール。オープン直前に資金ショートを起こしたのか、来栖氏が自分の信奉者に資金援助を集っていると言うのです。まだ30歳の来栖氏ですが、ヨイショ専門のグルメライターといえど資金公募を堂々と訴えるほど店と癒着して良いものなのか。すかさず友里は実態調査に乗り出したのです。
来栖氏の信奉者といえば、純粋無垢で外食経験も少ない若い女性が主体。飲食店の援助が出来るほど余裕があると人は少ないはずですが、募集内容を知って私は失礼ながら肩の力が抜けてしまった。なんと1口5万円からの出資募集。見返りは食事代のディスカウントでありました。
募集総額がわかりませんがスケールの小さな話ではありませんか。こんな募集を信奉者にかけるくらいなら、9000軒も自腹で外食していると豪語する来栖氏自身が黙って資金提供すれば、店も恥をかかずにすんだことでしょう。

料理はコース1本。家庭料理の延長線上の小料理が4品ほど出てから、唐墨を挟んでオデンが7種ほど、そして牛の焼き物とご飯もので〆となります。
2回訪問しましたが、2皿目には可もなく不可もない茶碗蒸しが定番。魚は薫香つよい太刀魚やウニと水前寺海苔を挟んだ鯛でありました。これまた質、調理とも普通、アサリ出汁の全粒粉蕎麦には驚きました。
オデンは蕗や蕪、大根、お麩、白滝などヘルシーなものが多かったですが、オデンとしては高額店なだけに原価を考えると複雑な思い。定番の牛の焼き物、鯛茶もこれまた普通レベルでありました。

小料理、オデン、焼き物、ご飯ものとダメ出しするほどではないですが(半生の鱒寿司だけは勘弁)、お酒を飲んで1万数千円の支払額を考えると今ひとつ、いや二つほど物足りません。
オデン屋は通過点で小河氏は本格的な和食を目指していると漏れ聞くだけに、まずはこのオデン屋のクオリティを上げる努力が急務ではないでしょうか。

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オデンと言うより高額居酒屋、銀座 力

by tomosato on 2月.06, 2010, その他の料理, 居酒屋

牛スジやトマトオデンで有名な、銀座では珍しくなった一軒家オデン店であります。友里がレギュラー連載している「月刊 めしとも」で、あの田崎真也元世界一ソムリエが取り上げていたので気になって訪問してみました。
予約をしての訪問でしたが、こんなに繁盛しているとは思わなかった。2階も含めて店内は早い時刻(18時台)で満席になります。フリで飛び込んで断られる客が何組もある、全面喫煙可の人気居酒屋です。

メニューはオデン以外が豊富。烏賊や鮪など居酒屋定番の刺身の他、カワハギやアイナメ、そしてブリなど富山港の魚も揃っています。いずれも2000円前後と居酒屋としては高めですが、価格を考えたらまずまずか。ただしカワハギは変に脂臭かったのが残念でした。馬刺しの盛り合わせ(3000円弱)、富山のブリもこの価格帯の店では文句を言えるものではありません。旨いかどうかは別ですが、サロマ湖の焼きガキは14ヶ以上(小さいけど)あって1700円では一食の価値あり。ただし、ウリの牛スジ(750円)は期待はずれでありました。煮込みを想像しましたが、串刺しで味噌を塗っているタイプ。温くてショッパイだけで私の好みではありません。

この辺でオデンへスイッチしましたが、透明な出汁は塩味が強すぎえ昆布や鰹の深みを感じない。出汁がイマイチだから、肝心のオデンも美味しいとは思えないのです。大根、蒟蒻、半片といった定番ネタはまったく出汁がしみ込んでおらずダメ。豆腐も出汁の上にただ乗っかっているだけのような味わいでありました。
人気のトマトオデンは別皿で提供されます。加熱されたトマトの甘みが塩味と調和しておりこれは面白い。この塩味出汁に唯一合うオデンタネではないでしょうか。煮込みが緩いジャガイモ、つみれ、ロールキャベツなども食しての結論は、オデンだけで集客するには無理がある店。刺身はじめ居酒屋メニューが豊富な訳がわかりました。

出汁には昆布、カツオ、鶏ガラが入っていると店側は言っていましたが、私には塩のインパクトが強すぎて出汁の深みを感じなかった「銀座 力」。「やす幸」系だけではなく、色濃い江戸風オデン「お多幸」よりも出汁はイマイチと思いますが、オデンも出す高額居酒屋として喫煙者にはお勧めです。

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