天麩羅
穴子欠品の日があるコース天麩羅、美かさ
by tomosato on 5月.22, 2010, 天麩羅
「食べログ」では全国一の高得点を得ている、17:30と19:30の夜2回、一斉スタートを強要するカウンター天麩羅店。東京の名店をも上回る天麩羅が宮崎台に存在するのか、しかも8000円で。
結果はわかっていましたが行ってみなければシビアな評価は出来ません。4月下旬の1回転目、刺身付きのコース(8800円)に友里はチャレンジしました。
L字型カウンターに予約客が10人揃ってまずは800円相当の刺身が登場します。
鮪3片、カンパチ3片、鰈が2片。量的には少なくないが質は街場の小料理屋か居酒屋レベルと大差なし。主人は「刺身は赤字で出している」と吹きまくっているようですが、これで赤字なら世に小料理屋や居酒屋は存在しなくなります。
肝心の天麩羅も可もなく不可もなし。百合根やアスパラ、蓮根、筍、蕗の薹など野菜類はポーション小さく質は凡庸。海老の質も普通で身薄なキスは頼りなく、メゴチも旨みなし。天然の鮎も蒸し物みたいな食感でありました。
凡庸な質のタネを普通の技術で揚げただけの天麩羅ではないか。どこに最高得点の片鱗があるのか、友里にはまったく理解できなかった。
周りを見渡すと、客は地元の年配客ばかり。態度のでかい浅利慶太氏ご一行も居ましたが、純粋な地元客だけしか通用しない天麩羅と判断。
宮崎台にあっては希有な天麩羅店かもしれませんが、そのまま都心に引っ張ってきたら、街場天麩羅店との違いがない、立地の妙で下駄履きされた「過大評価店」であります。
実力にあわない煽てが主人を木に登らせたのか、勘違い発言も目立ちました。都心の有名店ではその時期沢山あった江戸前穴子、この日の「美かさ」で欠品でしたが、主人の常連への言い訳に友里は怒りを覚えたのです。
「ここ1週間、穴子は2回しか入らなかった。寿司屋に穴子ありましたか。」
純粋な地元年配客なら、「寿司屋も穴子不足になるほど不漁なんだ」と思い込んでしまうではないか。
店の都合で仕入れないだけの江戸前穴子、都心の鮨屋や天麩羅店、いや築地の仲卸には充分な数が揃っていたと直ぐさま確認し、この主人の性格に大きな疑問を持ったのです。
「性格の悪い料理人の店にうまいものなし」、地元以外の人がわざわざ訪問する店ではありません 。
あの店は今・・・楽亭
by tomosato on 3月.28, 2009, 天麩羅
「キレがなくなった」、「ピークは過ぎた」、という評判を耳にする事が多くなりました。初訪問から15年以上、確かに老け込んだかなと思いますが、まさかミシュラン初年度版で掲載漏れするとは思いませんでした。調査員は店訪問をしたのか。2009年版では1つ星になりましたが、老け込んでも2つ星「近藤」や「京星」の後陣を拝する店ではないと考えます。
久々の訪問は昨夏。価格は消費税が加算されましたが、刺身が4200円、1万500円と1万2600円の2コース(タネ数がちょっと違う)は昔から不変であります。
そこらの割烹よりレベルの高い突き出し2皿の後、
オプションの刺身が続きます。ポーション大きいマグロはこの時期として脂の感じから近海生鮪ではないと思いますが、白身(カレイ)と共にこの価格では質、量とも満足。その場で摺り下ろした山葵も半端でない量です。
そしていよいよ天麩羅(1万2600円)のスタートです。さいまき海老は4尾。大きさも小さからず旨みは充分。苦みが利いた稚鮎も悪くない。梅を挟んだ大葉の後、かなり肉厚のキスが提供されます。揚げの技術もさることながら、楽亭の天麩羅はタネ質が高いのが特徴です。旬の子イカ、大きめのメゴチも美味しい。百合根もかなりの大きさのものを使用しておりました。ズッキーニとパプリカという珍しいタネも大ぶりでしたが、圧巻は穴子でしょう。これまた肉厚で大きいもの。質と揚げ方も良いからか、私はこの店で生臭い穴子に当たったことがありません。〆の小柱の天丼でお腹は一杯となりました。
チェーン店含めて高額有名天麩羅は都内に多いですが、1万円台半ばの支払額で、ここまでの食後感を与えてくれる天麩羅屋を私は他に知りません。日本酒も1050円から純米が要されておりビールも含めて明朗会計の「刺身」もうまい天麩羅店。刺身を頼んでお酒を飲めば2万円前後の支払いとなりますが、凛とした雰囲気も後押しして充分満足すると思います。
今年になって再訪したところちょっとCPが下がったような食後感にビックリ。読者から主人は最近のTV番組で「値上げ」を示唆していたとの情報をいただきました。長期間値上げしていませんので仕方ないとも思いますが、要は支払額に対する満足感。値上げするなら、今まで以上の食後感を期待しています。
鯛飯屋が天麩羅を出しているだけ、与太呂
by tomosato on 3月.14, 2009, 天麩羅
ミシュランが星1つを献上した天麩羅屋「六本木 与太呂」。未曾有の不景気の現在はわかりませんが、初訪問時は盛況店でありました。家族経営で主人と女将、そして長男夫婦も人当たりがよく予約電話の時も気持ちが良かった。友里征耶の定説に「性格の悪い料理人の店に美味いものなし」がありますが、「性格の良い料理人の店でも美味しくない場合がある」のは仕方がないことか。躊躇しましたが、そこはミシュラン掲載を承諾した公の店、感じたことをズバっと書かせていただきます。
L字型のカウンター18席と天麩羅屋としてはかなり大箱。隣客と肘が干渉しますから詰め込みすぎです。料理はコース(1万3650円)1本でありました。
まずは牛の握りが突き出しとして2ヶ。酢飯は赤酢でしっかりした味で、滅多にこの手の握り(牛)を食べませんが、悪くはなかった。続いてこの店のウリである「鯛」の造りが登場します。チリ酢、ポン酢、醤油で食べるこの鯛、ミシュランでは「天然」とありますが、旨みに欠け脂っぽいのが気になりました。でも天麩羅屋の刺身としては悪くはありません。そして次の天麩羅を見てしばし唖然となりました。海老のすり身を挟んだトーストは銀座の「由松」や「京星」と同じ。キスも小さいものを開いてから身を重ねて揚げるのも同じ手法なのですが、薄い膜を1枚被っているというイメージの衣、目が細かいというか、ヌメっとしていてカラッ揚がっておりません。火力の弱い家庭で揚げた天麩羅に似た感じなのです。しかも種類が少ない。トースト、海老(3尾)、キス、レンコン、烏賊、椎茸、茄子、インゲン、小タマネギだけで穴子やかき揚げなどがないのです。天つゆがなく塩しかなかった理由が天麩羅を終了してはじめてわかった次第です。最後の土鍋で供される鯛飯は良かったのですが、全体の総量も少なく食後感はイマイチ。
天麩羅は都内の有名店と比べるのが可哀想。鯛飯を出す天麩羅屋というより、天麩羅を出す鯛飯屋と言った方が、座りが良いのではないでしょうか。天麩羅自体ではなく、接客など主人たちの人柄を全面に、常連や口コミの客だけで露出を抑えた方が、私は存在価値があったと考えます。家族経営の店だけに、ミシュラン掲載を断る勇気を見せてもらいたかった。





