イタリアン
ワイキキにしてはまともなシチリア料理、Taormina
by tomosato on 4月.24, 2010, イタリアン
先週のコラムで「ハワイではステーキしか食べる物がない」と書きましたが、本日はワイキキのしかも中心であるロイヤルショッピングセンター付近のシチリア料理店がお題であります。
付近の有名ホテルには、フレンチと称する高額店がいくつかありますが、私に言わせるとハワイアンテイストのフレンチもどき。イタリアンは「もどき」ではないですが、全網羅と言いましょうか、よく言えば無難、はっきり言うと郷土色がない店ばかり。ところが読者から教えてもらったこのシチリアン、かなり本格的であったのです。
店構えからしてハワイアンではありません。最近パリで流行の「ネオビストロ」のようなモダンな雰囲気。オシャレな店内ホールと店外テラスの2ゾーンで、日本人客はいませんでしたが、内外ともほぼ満席でありました。
まずは8種の中から4種を選べる前菜盛り合わせ(18ドル)。シチリアを意識して鱈のカルピオーネ(酢油漬け)、カポナータ、イイダコのジェノベーゼ、烏賊と蛸のマリネを選択。前菜からディープな調理で驚いたのです。アメリカの観光地としてはかなり本格的でありました。鰯のベッカフィーコ(16ドル)は詰め物をしたパン粉焼きではなく、大きな鰯を丸ごと調理しているのにビックリ。やや大味でしたが添えられたトマトを煮詰めたソースが良かった。
パスタはまずアマトリチャーナ(22ドル)。パンチェッタと生ハムも充分でまずまず満足。鰯のブカッティーニ(20ドル)もちょっと固すぎの感がありましたが、味わいには満足。この日唯一のダメ出しは、ホタテのクリームリゾット(20ドル)でした。米がベチャベチャでしかもオレンジ風味で甘過ぎ。連れも食べきるのに一苦労のようでした。物足りなかったので最後に頼んだのはやはり牛ビステッカ(52ドル)。意外にポーションは大きくなかったですが、まずまず満足して店を後にしたのです。
ドンペリが249ドル、フランチャコルタも99ドルと泡物が高いのには驚きましたが、スティルワインの値付けはまずまず。イタリアワインもシチリア以外(100ドル以内も結構あった)も揃っていて選択肢もあります。ハワイ滞在で牛肉疲れした方やイタリアン好きにはオススメのシチリアンであります。
あの店は今、エノテーカ・ピンキオーリ 銀座
by tomosato on 2月.13, 2010, イタリアン
名古屋店とは違って、銀座店は料理がそれほど悪いとは思わないのですが、世間の目はやけに冷たい。2年ぶりの久々の訪問でしたが、この日もホールに客は数組。90年代は一世を風靡したイタリアンのグランメゾンなのに、それは寂しいディナーでありました。
冷たいのは日本の客だけではありません。ミシュランにこれほどコケにされた3つ星シェフがいたでしょうか。完全に埋没した「ミシュランガイド 東京版」ですが、2007年の初年度の熱気は大変なものがありました。春先の出版発表や秋の出版記念に世界の3つ星シェフを招聘。東京に提携店を持つ3つ星シェフは高い星格付けを願い馳せ参じたのは言うまでもありません。提携店であるフィレンツェの「エノテーカ・ピンキオーリ」からも、シェフのアニー氏とオーナーであるピンキオーリ氏の夫妻が駆けつけました。ところが蓋を開けると3つ星どころか現在までまったくの不掲載。食通から相手にされない汐留の「ゴードン・ラムゼイ」でさえ1つ星ですから、この仕打ちはひどすぎます。
思い切った支出の覚悟を持って訪問すればの話ですが、この店の一番のウリはワインサービスです。ボトル売りの値付けは安くはないですが、他店にないCP良いサービスがあるのです。「テースティングコース」と銘打つもので、一人1万円から設定されたワインのプリフィクスコースみたいなもの。白、赤ワインを3~4種選んで飲めるシステムで2名からのオーダーとなりますが、必ず新ボトルを目の前で抜栓し、おかわりも原則自由。普通のグラスワイン対応とは違うのです。2万円以上のコースでは、フランスやイタリアのレアワインをラインアップしているので、特に2名では1~2本分の支払いで4本以上が実質飲み放題と同じになるのです。酒量が多い有名ワイン好きにはたまらないシステムであります。
料理はアラカルトもありますが値付けが高い。コースにある料理と被りますから、1万円から2万円までの3コースの中から選んだほうが良いでしょう。限りなくフレンチに近い料理は以前ほどの主張を感じなくなりましたが、客が数組の閑古鳥店のレベルではない。ワイン好きの方たちの訪問で、ぜひこの店の閑古鳥を撃退していただきたいと考えます。
本当にオーナーシェフの店なの?イル・マンジャーレ
by tomosato on 12月.05, 2009, イタリアン
3つ星フレンチ「カンテサンス」などを擁する多店舗展開会社「グラナダ」が運営する「キオラ」グループの総料理長だった鵜野秀樹氏。2年前に白金のイタリアン「ボスケッタ」のオーナーシェフに就任したとマスコミが発信していましが、今年再びオーナーシェフとなり独立してオープンしたのが麻布十番の「イル・マンジャーレ」です。
オーナーが独立?実は前店「ボスケッタ」はガラス食器販売会社が経営していて鵜野氏はただの雇われだったのです。今回は本当に独立なのかとこの店を訪問した友里ですが、再び「オーナー疑惑」を感じてしまいました。
場所はユニマットビル6階。ホールは大箱で天井からは変なカーテンが垂れており、テーブル、グラス、カトラリーは安っぽい。一番の違和感は男性スタッフ2名。慇懃無礼な接客だけではなく外観はどうみてもやっと独立したオーナーシェフの店に勤務するカメリエーレに見えません。ちょっと見ホスト風。そういえばこのビルの階上には、アマンリゾートを目指す過剰サービスがウリなだけのレストラン「カシータ」系列の店が3フロアありました。カーテン幕ふくめて内装はバリ風で、客も真の外食好きには見えない若い客が多いのも不思議。本当にオーナーシェフの店なのでしょうか。
鵜野氏はいつの間にか集客力を磨いたようで、「ボスケッタ」時代と比べて客はほとんど満席。この店の料理を一言で表せば「シェフの個性を抑えた無難な料理」。イタリア郷土色を隠し、野菜を多く使った量の多い万人向けの日本アレンジイタリアンと言えるでしょう。
バーニャカウダ、シーザーサラダとも野菜の量は多いのですが、肝心の味にキレがない。パスタ類も具の量はたっぷりあるのですが、生ポルチーニ、イカスミなど記録はあるけど良い意味でも悪い意味でも印象に残らない料理が続きます。メインの肉料理もそれなりでした。
厨房スタッフはバスボーイ入れて6名と大所帯なのですが、それぞれが自分の担当を黙々とこなしているだけで、オーナーシェフの店に見られる「緊張感」やシェフの「存在感」を全く感じない「イル・マンジャーレ」。「キオラ」時代は好きだった鵜野氏には、もっと「オーナー色」を出した店を再独立してオープンすることを期待しております。





