絶賛する似非グルメライターの舌を疑う、炭火焼鳥 たかはし

元フレンチシェフの店、素材はぎたろう軍鶏、夜は17時と20時15分の2回転入れ替え営業、といった宣伝キャッチに釣られる人が多いのか、ネットでは絶賛の「ぎたろう軍鶏 炭火焼鳥 たかはし」。
しかしこの店が入っているビルを見てそれを信じる人がいるのでしょうか。五反田駅前ですが、地方に見られる居酒屋主体の雑居ビルの雰囲気で、内装も口が裂けてもオシャレとは言えない代物です。夜2回転とのことで満席を覚悟し、18持に入店したら拍子抜けしました。木曜なのに客は皆無。その後一組入ってきましたが、週末でこれでは、何のための2回転なのか。繁盛店と見せかけてミーハー客を釣る「2回転偽装」の店であります。
とりわさ(800円)、鶏皮ポン酢(600円)と価格は街場の焼鳥屋より高めながら内容は平凡。鶏レバーテリーヌ(850円)は、「さすが元フレンチシェフの作」と味のわからないライターに絶賛されていますが、濃厚なだけでまったく傑出していません。しかし本当の問題点は、肝心の「焼鳥」の不味さにあります。小さな焼き台で主人が焼く焼鳥は、どれも水っぽく軍鶏の旨味を感じません。特にササミ、レバー(塩、タレとも)、つくね、といった定番焼鳥のひどさに呆れてしまいました。最近は何とかの一つ覚えか、「絶妙の火入れ」といった言い回しが使われます。火を通し過ぎずに食材の旨味を引き出すのが職人の技術でありますが、何でも半生で出せば良いといものではありません。ここのササミは中心が冷えていて食べられたものではない。焼き台が問題かと覗いてみたら、炭はまったく発火しておらず白いまま。煙も上がっておりません。これでは焼く前に霧吹きしているので、余熱で蒸し焼きしているようなもの。昨年出した共著「グルメバトル」の取材でかなりの焼鳥屋を訪問した友里ですが、これほど熱気のない焼き台は初めて見ました。評判の親子丼も加熱済みの鶏肉をさっと調理するもので、焦げ臭がして美味しくありません。
自称「美食の王様」、実態は「過食のオコチャマ」こと来栖けい氏もこの店のレバーテリーヌや焼鳥を絶賛していますが、まともな焼鳥店の経験があるのか。「バードランド」ではなく、「世良田」を一回でも経験していたら、こんな勇み足はしなかったと考えます。
※「世良田」は一見で予約はできないシステムの店です。一度でも行った人に連れて行ってもらうか、常連の紹介が必要でしょう。