オコチャマ舌の方限定、よろにく

「食べログ」などネットで人気の南青山にある焼き肉店。「特選A5和牛を堪能する大人の焼肉」が釣りキャッチですが、大人的なのはダイニング調の内装だけ。肝心の肉はジャンクやファストフードを食べ慣れた人が好むオコチャマ味であります。

ポーション小さく脂(サシ)が入りすぎた、私に言わせると脂の味しかしない柔らかいだけの肉に、タレ味だろうが塩味だろが添加物まみれとしか思えないほど味付けを濃く(しかも甘い)しただけ。
厚切りでも他店に比べると薄いですから、自慢の薄切りなんて問題外。スタッフが仕切る緩い焼き加減も後押しして、調味料の味しかしない柔らか脂焼肉の連続であります。
牛の色々な部位がありますが、どれも肉の味がしない正にオコチャマ舌専門の焼肉店なのです。

そしてこの店の姑息な営業戦略に問題提起です。ほとんどの客は、一見お得に見えるコース料理をオーダーします。
例えばぐるなび限定コース。7000円ですが、突き出しやキムチ、ナムルに、肉刺身の盛り合わせ、そして8種の部位と素麺にデザートと盛り沢山。部位のネーミングも、「並みじゃないカルビ(ロース)」や「シルクロース」と特別な肉のように思わせる巧みさ。
でも出てくるものは各部位一人一切れだけでしかも薄い。刺身も含めてすべて一口で終わってしまうのです。濃くて甘い味付けは、少ない総量を補って少しでも満腹にさせようとする戦略なのか。
2時間の時間制は仕方ないとしても、わずか1時間でラストオーダーとするのはいかがなものか。しかも料理はその1時間ですべて出し切ってくるのです。
つまり、一見お得に見えるコースメニュー(実は総量が少ない)で客を釣るだけではなく、一時間前に追加オーダーをさせて更なる売り上げ増を狙っているのです。1時間も残っているのにオーダーを閉められると思ったら、そしてコースの総量が少なかったら、客は多めに追加してしまうでしょう。
しかも追加肉(単品扱い)も量を考えると値付けは高過ぎです。

柔らかいだけ、脂が多いだけ、量が少ないだけ、味が濃いだけ、すべて(キムチも)が甘いだけ、と実態はまともな焼肉屋の体をなしていない「よろにく」。
飲み物を入れると客単価は1万円台半ばになりますからCPも悪く、オコチャマ舌の人以外は近づかない方が無難です。