行く前から結果はわかっていた、焼肉 小倉優子

「裏モノJAPAN」という月刊誌から芸能人がプロデュースする飲食店への同行取材依頼を受けて訪問したのは11月のはじめでありました。歌舞伎町の飲食店へ入ったのは学生時代以来かも。居酒屋やガールズバーが入る雑居ビル4階に小倉優子が名前貸しするこの焼き肉店があります。

行列は出来ていませんが断続的に客が入って来て店内はいつもほとんど満席状態。単品もありますがこの店は135品から選べる3129円と150品から選べる3622円の食べ放題が人気です。後者には「国産黒毛和牛」というウリがあります。我々は勿論3622円を選択しました。
しかし国産で黒毛とはこれ如何に?普通日本で育つ黒毛牛は「和牛」と表記されるはず。「国産牛」は主に「乳牛」の表記です。スタッフに確認したところ(思った通り)、黒毛牛と乳牛の掛け合わせ(いわゆるF1種)であることがわかりました。

この店の食べ放題は寿司食べ放題の「雛鮨」と同じシステムをとっています。まずは最初に店側が用意した「盛り合わせ」を食べなければなりません。ミノ、ハラミ、カルビ、鶏などですが、結構量が多くて質が悪いから食べるのが大変。旨みを感じない固いだけの肉の制覇に手間取り、制限時間(120分でオーダーは90分迄)を無駄に消費するだけではなく、お腹も膨らんでしまいます。安い部位の肉を無理矢理食べさせ高い肉(と言ってもF1種)への注文量を減らす高等戦術であります。しかも実質90分しかオーダーできませんから、客は150種あろうが食べられる品数は極端に限定されます。火力が弱く焼くのに手間取り、安い肉はすぐ出てくるのに「国産黒毛牛」はなかなか出てこない。店の思惑通りまたたく間に90分経過してしまいした。

焼肉はタレ主体。当然ですがMSGなど添加物てんこ盛りの味が、旨みのない肉群をカバーすることになります。甘い味付けは肉に限らず、キムチから石焼きビビンバとすべての料理に共通です。

飲み放題(1480円)の生ビールは限りなく発泡酒に近く、どぶろくや日本の焼酎はありましたがワインや韓国焼酎がないのも問題。そして支払いは当然ながらこの食後感で5000円を突破とこの料理ではCP悪すぎ。コリン星人との提携を解消したら一気に集客力を失ってしまうでしょう。