肝心の焼き鳥は凡庸で酒類があまりに高すぎる、心香

食べログで目黒の予約困難焼き鳥店「鳥しき」についで2番の高評価だった「やきとり心香」。
訪問当時(今年の1月)は4.2を超えていましたが、この原稿を書いている段階でも4.15で第3位と評価がほとんど変わっておりません。
でも友里はこの初訪問で「まったく焼き鳥の体をなしていない」と再訪不可の結論に達したのであります。

一軒家を改修した隠れ家的な焼き鳥店。西麻布1丁目のわかりにくい地にありますから「立地の妙」による上げ底高評価は予想できたのですが、ここまで食後感が悪いとは想定の範囲外でありました。
HPでは1日1回転でお任せコース6000円のみ(一品料理やご飯もの、デザートは別料金)と謳っておりますが、赤ワインをボトルで頼んだだけで4万円近く(2名で)も請求されるとは夢にも思わなかった。それではその自称拘りの焼き鳥コースのスタートです。

最初のレバパテは甘いだけ。空豆(3ヶ パルミジャーノ掛け)は皮ごと食べられるとのことでしたが、皮が固すぎて食べるのに閉口。
友里が得意でない軟骨は肉がついていて、続く皮と共にまずまず。しかしまともだったのはここまででして、後は凡庸か疑問の料理のオンパレードとなったのであります。

つくねは出汁浸し(しかも甘過ぎ)でイマイチ。クレソンサラダも普通でして、野菜4種(トマト、タラの芽、ブラウンマッシュルーム、金針菜)はよくこんな小さいものを集めたなと感心するもの。
もちろん質的にもダメ出しです。

ポンジリも普通味で、もも肉はなんと西京焼きでの提供。質が良いものなら素直な焼き鳥で出せば良いではないか。ねぎまはタレが濃すぎで、揚げが固すぎで味がしない。

ハツ、レバ、フォアグラの3種を刺した串はブリオッシュと共に提供されましたが、これも企画倒れの一品でまったく美味しくない。
そして何の変哲もない鳥スープでコースは終了となってしまったのであります。記憶漏れの串がいくつかあったかもしれませんが、これがお任せコースの全容ならあまりに量が少なすぎる。
満腹にはほど遠かったので串の追加とご飯ものを即注文したのはいうまでもありません。

フリソデも旨みに乏しく、胸肉はパサパサ。セセリは焦げすぎで苦いだけだった。
ご飯もの(別料金)はというと、塩そぼろ丼はスープを掛けられるけど生臭くてペケ。親子丼もあまりに生っぽくて友里の嗜好には合わなかった。

デザートはハツモトとチョコをパッシート(イタリアの甘口食後酒)で提供されましたが、ハツモトとタレのチョコ味がまったくのミスマッチ。正直気持ちが悪くなってしまいました。

味(質も)が悪くても安ければまだ我慢出来るのですが、ニュージーランドに滞在していたという店主のすすめで頼んだニュージー赤ワインが高すぎたのか、2名での支払いがなんと3万7000円超え。
東京第一位のあの「鳥しき」なら2回は行ける支払額だけに、怖いもの見たさの方以外にはオススメできない焼き鳥屋であります。