最近訪問した店 短評編 12

先日もTVで「小児科医不足」、「産科医不足」を取り上げておりました。
友里掲示板へ書き込みを見ますと、保険点数と言いますか収入に有利な科目と恵まれない科目があるようです。数ある科目の中で、眼科医が一番有利だとありました。最近眼科医がやけに増えてきたなと思っていただけに納得です。
自由診療が多い美容皮膚科、形成外科(美容整形系)も収入的には上を狙えるジャンルですが、かなり乱立気味で競争が激化しています。
どうせやるならローリスク・ハイリターンな仕事に就きたいと思うのは人情、眼科医に成りたがる人が多いのは仕方のないことですが、それではハイリスク・ミドルリターン、勤務時間の拘束率も半端ではない産科医などをどのようにして増やしたらいいのか。
役人や政治屋からは医学部の授業料免除といった案がでているようですが、こんな策しかないのか。6年間の授業料だけで人生を拘束されたらたまったものではない。職業選択の自由もあるでしょう、授業料を突っ返して儲かる眼科医へチェンジしたらどうなるのか。
要は産科医に将来にわたってメリットを与えなければ成り手は増えないと考えます。
産科医は勤務医が主体のはずです。最近は住宅街の個人経営の産科病院をほとんど見なくなりました。これでは産科の保険点数を上げても、経営側が喜ぶだけで肝心の産科医は恩恵を受けないかもしれません。経営側として産科医だけ給与体系を変えるのも難しい。病院毎に待遇が異なる不安定なメリットでは、産科医になろうとは思う医学生も増えないでしょう。
そこで私は提案したい。産科医や小児科医の所得税、住民税を大幅に減税、もしくは無税にしてしまえばいいのです。産科医、小児科医から税金を取らなければ、実質的には収入が5割から倍上がったことと同じになります。病院など経営側の手を煩わすことなく、各医師が個人的に確定申告で全部還付してもらえば、3月か4月に大きなボーナスがくることになるのです。
可処分所得の実質増大は、これからジャンルを選ぼうと考えている医学生には大きな魅力になるでしょう。そして産科医が増えてくれば、勤務環境の大幅な改善ができるというものです。人間は直接的なメリットを与えなければ動かないものです。
宗教活動に非課税権を与え続けるより、はるかに国民のためになる非課税権であると私は考えます。
さて3店です。
インカント
最近流行の広尾のイタリアン。イタリア全州を網羅しているとも見える料理数の多さに驚きました。限られた料理しか食べていませんが、手を広げ過ぎだからかそれほどの郷土色は感じませんでした。
京味
未曾有の不景気なのにこの高額店の予約は相変わらず難しい。高額店の中でも勝ち組のトップではないか。支店を出さず(昔は天王洲にありました)キャパを抑えた経営と主人の顔が見える料理、店を長く繁盛させるにはこのパターンしかないでしょう。
和食 おの寺
神楽坂の客単価1万円前後(酒類を入れて)の和食店。6800円のコースでは使用食材の限界があるので、高レベルの食材には出会えませんが、価格を考えるとまずまずか。近くの「石かわ」と同じく、濃い味好きの方にはオススメです。

訃報 大谷浩己氏逝去

読者の方から訃報が入りました。フードライターという肩書きなのでしょうか、「東京最高のレストラン」や「グルメ・セレブリティーズ」などの著書がある大谷浩己氏がこの24日に亡くなられたそうです。
レストランの評価スタンスが私とまったく違うため、いままで散々批判させていただきましたが、それはあくまで読者サイドに立つ友里征耶としてのこと。機会があれば「本当はどうお考えの方なのか、どういう味覚の持ち主なのか」ゆっくり料理とワインで話し合ってみたかった。
ここに心から哀悼の意を表します。
さて、「店評価ブログ」に中目黒のイタリアン「イカロ」と赤坂の天麩羅屋「楽亭」をアップしています。ワインの値付けの安さに驚いた「イカロ」、遅きに失した感はありますがミシュラン1つ星になった「楽亭」。
ぜひお立ち寄りください。
http://www.tomosato.net/blog2/index.html
友里掲示板
http://tomosato.net/bbs/

スペシャルティコーヒーのハンドピックについて

友里掲示板の「飲食業界への問題提起スレ」でスペシャルティコーヒーのハンドピックについて色々なご意見をいただきました。
http://tomosato.net/test/read.cgi/bbs/1235707190/l50
スペシャルティコーヒーなるものを知ってまだ1年あまりの友里が偉そうに述べるのは気が引けるのですが、何人かのプロからご意見をいただき、自分でも調べた結果をも含めて簡単に述べさせていただきます。
更なる議論の展開になれば幸いです。
何人かの方(コーヒー店経営者の方も)は「スペシャルティコーヒー」と「コマーシャルコーヒー」を混同している可能性があります。
従前からある大手が提供する「コマーシャルコーヒー」と新しく確立された「スペシャルティコーヒー」は、入り口と出口がまったく違う別ジャンルのものだと考えた方が良いようです。
南千住近くの「バッハ」というお店が有名だそうですが、この店はハイレベルの「コマーシャルコーヒー」を使用しているとのこと。よって「ハンドピック」が命となるのです。
しかし本来の「スペシャルティコーヒー」は、本物であれば生産地でしっかりハンドピック(収穫時と収穫後)をやって選定しているので、わざわざ焙煎前後にハンドピックする必要はないそうです。
ただしこの業界も例外ではないらしく、旧来の素材をラベルだけ「スペシャルティコーヒー」として販売するケースもあるらしく、そのような経路の豆は「ハンドピック」しなければならなりません。本物の「スペシャルティコーヒー」かどうか、店関係者の厳しい目も必要ということでしょうか。
またスペシャルティコーヒーは、従前の焙煎方法(コマーシャルコーヒー用)では風味などその特徴を引き出せないそうです。似非スペシャルティコーヒーを知らずに仕入れているお店や、たとえ本物のスペシャルティコーヒーを仕入れても従前の焙煎方法をそのまま適用している自家焙煎のお店も多いそうですから、一般客も注意が必要でしょう。
本物の「スペシャルティコーヒー」はハンドピックする必要はない。そんな余裕があるなら、カップテイスティングで更なる良いスペシャルティコーヒーを探す方が先決だというのが、プロのご意見でありました。
友里掲示板
http://tomosato.net/bbs/