「店評価ブログ」を更新しています

本日は私用で早朝に自宅を出なければならず、床屋談義は省略させていただきます。
今日は民主党の代表選挙でしたね。
「店評価ブログ」に最近苦戦していると言われている「うかいグループ」の鉄板焼「表参道 うかい亭」と広尾の「インカント」をアップしております。
ぜひお立ち寄りください。
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予想を上回る業績の多店舗展開会社もあった

昨日は「ワイズテーブルコーポレーション」の業績について述べました。本日は日本を代表する高額多店舗展開会社である「ひらまつ」を取り上げます。
未曾有の不景気、100年に一度の不況の中、当然業績は厳しい数字であると予想していましたが、昨日発表された数字を見て私は驚きました。なんと予想より売り上げ、利益とも上回っていたからです。
http://www.c-direct.ne.jp/public/japanese/uj/pdf/10102764/20090514171958.pdf
売り上げは前期、通期(予想)共に微増(1?3%)ながら、経常利益は前期で574百万円(35%増)、通期予想は794百万円(20%増)とかなりの上方修正なのです。ワイズテーブルとは偉い違いであります。
おそらくバンケットなど付加価値の高い(粗利率の高い)事業の割合が高くなったのではないか。

レストラン業界における顧客の消費動向は、このような経済状況により、より価格に対する価値が明確で安心感のあるレストランに集約される傾向にあり、ブランドを確立している当社グループの各レストランにおいてはむしろ「追い風」の状況であります。

このような状況の中、当社グループは、各レストランの潜在能力及び可能性を最大限に発揮すべく各種施策を実施し、安定した集客機会の確保を目指してまいりました。「レストランにおけるウエディングの原点啓蒙」や「ワインプライス革命」、「ケータリングの推進」、「送客チャネルの拡大」、「会員組織の活動推進」等、「追い風」の状況の中、順調に推移しております。

と会社側は、この不景気を逆手にとって同業者との「差別化」が功を奏したと説明しております。
確かに「XEX」や「An」など料理人の顔が見えないチェーン店(森本氏や佐々木氏では東京の客には通用しなかった)と、「ひらまつ」や「ASO」ブランドを軸にしたチェーン店ではイメージが違うのかもしれません。料理人の真の実力の違いが出たとも言えるでしょう。(ボキューズは通用しているとは思えませんけど)
ワイズテーブルも、客寄せパンダのごときマスコミ煽りの過大評価シェフ(森本氏)やパティシエ(辻口氏)と提携するより、実力のある料理人と接触しなければならない時期にきたかもしれません。
しかし、ひらまつグループは今後も順調かどうか。今回の不景気で他の多店舗展開会社が転けた結果、逆に目立っただけではないか。数年も不景気が続くと「ワイン革命」や「ウェディング」で持ちこたえられるか不透明であります。
2008年5月12日の「中間決算発表会資料」では、5年で売り上げ150億円、その後もホテル事業に進出して300億円(経常利益30億円)を目指すとありました。
今の段階でこの計画はとても達成できないと考えるのは私だけではないでしょう。
友里掲示板
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決算説明資料を見て

床屋談義と揶揄される友里のトヨタや日産の決算解説ではありません。本業(正確には副業)であるレストランに関しての話です。
「祇園 さ々木」が東京から完全撤退するとの話も聞きまして、2009年2月期のワイズテーブルコーポレーションの決算資料を見てみました。
http://www.ystable.co.jp/corporate/ir/pdf/090423_kessansetsumei.pdf
森本アイアンシェフと組んでいた「XEX」や「An」、そして「サルヴァトーレ・クオモ」などのブランド(お涙頂戴サクセスストーリーで有名になった辻口パティシエとの契約店もある)を多店舗展開している会社でありますが、昨今の不景気の煽りを受けたのか、この2月は売り上げ14,087百万円に対し、当期損失△433百万円(いずれも連結ベース)と2008年2月期(売り上げ12,268百万円 当期利益232百万円 連結)から暗転。
店舗数が増えても、前年度に比して各店舗の売り上げの落ち込みが大きかったのでしょう、スケールメリットがでていません。
それでも2010年2月期の業績予想は売り上げ16,174百万円、当期利益166百万円とV字回復を想定しています。相も変わらず店舗数はサルヴァトーレを中心に今後も拡大するようです。
しかし上海の出店(森ビル)も、肝心のオフィス入居率が低迷していて黒字化していません。こんな状態でソウル、シンガポールなど海外含めて多店舗展開を続けて採算がとれるのでしょうか。
業績改善のため
? 不採算事業の撤退、見直し
・「八坂通りAn京割烹」の閉店(2009年5月)
? 食材原価の見直し
・主要食材原価の見直し
? 人件費の削減
・役員報酬の減額(代表取締役30%、取締役10%)
・幹部スタッフの給与見直し
? 家賃の見直し
・店舗賃料の減額交渉
? その他
・事務消耗品費、衛生費、福利厚生費などの削減
を挙げていますが、?項目目はいわゆる「食材や調理の劣化」、?は
「サービスの低下」に直結しかねず、食後感として大きなデメリットになる可能性もあります。大株主である森ビルとシビアな賃料交渉ができるのかも疑問です。
「山あれば谷あり」、「昇り続ける太陽はない」という言葉が今尚存在しているだけに、そろそろ飲食店業界も「膨張路線」を見直す時期に来ているのではないでしょうか。
あのトヨタでさえ「前のめり」を認めているくらいですから。
本日は又「床屋談義」とのご指摘を受けそうですが、マスヒロさんやオコチャマ・来栖けい氏たちヨイショライターが絶対触れられない(読んでもわからない?)決算資料の話でした。
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