決算説明資料を見て

床屋談義と揶揄される友里のトヨタや日産の決算解説ではありません。本業(正確には副業)であるレストランに関しての話です。
「祇園 さ々木」が東京から完全撤退するとの話も聞きまして、2009年2月期のワイズテーブルコーポレーションの決算資料を見てみました。
http://www.ystable.co.jp/corporate/ir/pdf/090423_kessansetsumei.pdf
森本アイアンシェフと組んでいた「XEX」や「An」、そして「サルヴァトーレ・クオモ」などのブランド(お涙頂戴サクセスストーリーで有名になった辻口パティシエとの契約店もある)を多店舗展開している会社でありますが、昨今の不景気の煽りを受けたのか、この2月は売り上げ14,087百万円に対し、当期損失△433百万円(いずれも連結ベース)と2008年2月期(売り上げ12,268百万円 当期利益232百万円 連結)から暗転。
店舗数が増えても、前年度に比して各店舗の売り上げの落ち込みが大きかったのでしょう、スケールメリットがでていません。
それでも2010年2月期の業績予想は売り上げ16,174百万円、当期利益166百万円とV字回復を想定しています。相も変わらず店舗数はサルヴァトーレを中心に今後も拡大するようです。
しかし上海の出店(森ビル)も、肝心のオフィス入居率が低迷していて黒字化していません。こんな状態でソウル、シンガポールなど海外含めて多店舗展開を続けて採算がとれるのでしょうか。
業績改善のため
? 不採算事業の撤退、見直し
・「八坂通りAn京割烹」の閉店(2009年5月)
? 食材原価の見直し
・主要食材原価の見直し
? 人件費の削減
・役員報酬の減額(代表取締役30%、取締役10%)
・幹部スタッフの給与見直し
? 家賃の見直し
・店舗賃料の減額交渉
? その他
・事務消耗品費、衛生費、福利厚生費などの削減
を挙げていますが、?項目目はいわゆる「食材や調理の劣化」、?は
「サービスの低下」に直結しかねず、食後感として大きなデメリットになる可能性もあります。大株主である森ビルとシビアな賃料交渉ができるのかも疑問です。
「山あれば谷あり」、「昇り続ける太陽はない」という言葉が今尚存在しているだけに、そろそろ飲食店業界も「膨張路線」を見直す時期に来ているのではないでしょうか。
あのトヨタでさえ「前のめり」を認めているくらいですから。
本日は又「床屋談義」とのご指摘を受けそうですが、マスヒロさんやオコチャマ・来栖けい氏たちヨイショライターが絶対触れられない(読んでもわからない?)決算資料の話でした。
友里掲示板
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