遅ればせながら「上告断念」のご報告

高裁で損害賠償金の支払い判決を受け、悩みに悩んだ(実は2日ほど)末、先週中に上告を断念する決断を下しました。担当弁護士に賠償金支払いの処置を頼んでいたのですが、上告断念の発表は今週金曜日の上告期限まで引っ張ろうと思っていたのです。
1つには古川氏の対応を見たかったからなのですが、案の定、嬉しかったのか早々とご自分から「勝訴確定」とブログアップされておりす。
http://superlife.at.webry.info/200906/article_9.html
昨日からネット環境が違うところに身を置いておりまして、タイムリーにメールのお返事やブログアップが出来ないのですが、古川氏の発表に今気がつき、慌ててアップしております。
上告断念の最大の理由は「CP」であります。費用対効果を考えると、こんな争点(悪口言われたといった名誉毀損)で最高裁の扉が開くことは100%あり得ないとの確認を何人かの法曹関係者に確認しまして、「じゃ、やるだけ損だ」とあっさり判断したのです。
一時は意地張って高額鮨30?40回分の費用負担で「上告やり逃げ」(メンツで上告するだけ)も考えたのですが、要は今後のスタンスが肝心。
無理な上告だけして後はチキンとなってスタンスを変更するより、ここは「古川氏への名誉毀損」の称号をとりあえず頂いて、それを逆にウリにするほどのパワーでスタンス不変の姿勢を貫いた方が得策であると判断したのです。
勿論、「井の中・・・」とかいった慣れない諺や修飾語を使って名誉毀損と突っ込まれないよう、本筋の問題提起に更に力を注ぎ、検証精神もって友里的な評論活動を続けていきたいと思いますので、今後もよろしくお願い申し上げます。
損害賠償の支払い判決は不本意な結果でありましたが、高裁では友里の姿勢をある意味評価した判断もありました。
以前にも書きましたが、

一般人が広く購読する「日刊ゲンダイ」という雑誌と友里のホムペ?ジ上の「店評価ブログ」の伝播力は相当高いもの(要約)

というものの他、

1 友里征耶は食評論家として「業界側ではなく一般読者の立場に立った批判的スタンス」で読者から支持を得ているという事情があると判断。(判決15頁:5L?16L部分)(判決25頁:7L?14L)。

2 本件日刊ゲンダイ登載記事をトモサトブログへ転載することについては記事の記載内容に対し一定の評価をしたうえでOKとのお墨付きと受け取れる判断。(判決18頁:9L?24L)(判決25頁:下から6L?26頁:6Lまで)

ここまで認めてもらえれば「まあ、しゃあないな」というのが本音です。
ところで古川氏は私のブログをチェックされているようなので(高裁判決後、私のブログを見て反論をアップされていました)、ここにお知らせいたします。
友里掲示板では「鮭野夢造将軍様」というHNの方が、古川氏へ問題提起のメールを送ったがいっこうに返事が来ないと嘆いておられます。
彼のHPを見ると、友里が足下にもおよばない超辛口で古川氏を糾弾しています。訴訟も受けて立つとまで言っているので私的には心配なのですが、ここは1つ、古川氏には鮭野氏へすぐさまお返事を出していただきたくお願い申し上げる次第であります。
友里掲示板
http://tomosato.net/bbs/

文句は店に直接言え!

デビューして6年あまり、巷言われる友里の辛口批判(自分では問題提起や批評だと思っています)に対して、レストランジャーナリストやヨイショライターから「ずこ」さんのような店寄りスタンスのブロガーにまで言われ続けているフレーズであります。

何が気に入らないか店に直接伝えるべきだ。必要なのは店とのコミュニケーションだ。

確かに一理あります。でも彼らは以下の私の問いかけにどう答えられるでしょうか。

それならヨイショや褒め言葉も店に直接言えばいいだろう。雑誌やブログでは公開するな。

批判は公開してはダメだ、店に直接言え。ただし褒め言葉やヨイショは世間に広めても良い、というのは自分勝手ではないでしょうか。
私は原則マスコミやネットに紹介されている店しか取り上げておりません。
主に店寄りのヨイショ記事が出ている店に対して、友里なりの基準で意見を公開しているに過ぎないのです。
ヨイショはブログや雑誌にいくらでも書いて良いが、問題提起や指摘(辛口)は店にだけ話して世間に言うなと主張する様は、度量のなさを晒しているだけとしか私には思えないのです。
誰でも批判は耳にしたくないかもしれません。私も、書き放題の友里掲示板でアンチのコメントを読むのは良い気がしない場合もありますが、批判や指摘を受け入れてこその人間、進歩です。
批判を受け入れない、指摘されていることを開示しない、といった度量のなさでは進歩は望めないでしょう。
友里掲示板
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スタンスが二転三転? 菊乃井・村田氏

読者の方からの情報です。先日京都で行われた日本フードジャーナリスト会議主催の「ミシュランガイド 京都・大阪版」に関するシンポジウム?の模様が日経トレンディネットに出ています。まずはご覧ください。
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20090604/1026731/
「週刊文春」の「ミシュラン記事」を否定した内容であります。
前々から日経系のミシュラン寄りのスタンスが気になっていたのですが、ジャーナリズムのかけらもないこの団体まで持ち上げるとは思いませんでした。日経トレンディが真の検証精神を持っているとは思えません。
しかし村田氏、最初はミシュランの代理人のごとく京都の店の説得に回ったと漏れ聞きましたが、その後「文春」だけではなく他のメディアでもミシュランに対して否定的なコメントをしていたと記憶しております。
それがまた今回、「反対なんかするわけないんです。はじめから賛成です。」ですからビックリ。
しかし、この村田氏、京都吉兆の徳岡氏、そして大阪ガスの影響下にある門上氏と、マスコミ出たがりの人だけを集めて、公平冷静な議論がなされたと思っているのでしょうか。
しかし、徳岡氏を

天才料理人! 創業者・湯木貞一の魂を受け継ぎながら、国際的な視野を持って伝統の幅を広げているチャレンジャーの徳岡さんは、ただの三代目じゃないですね。ミシュランの星の数は蓋を開けてみなければわかりませんが、日本を代表するプレイングマネージャーであり、日本料理の伝統を守り発展させていくトップランナーであり、京都という街作りにおいても注目の文化プロデューサーだと改めて実感しました。

って、徳岡氏を「褒め殺し」して何をしたいのでしょうか。
京都和食業界の徳岡評をちょっと調査すれば、こんなこと書けるはずがないんですけど。
ミシュランべったりの俄グルメ・放送作家の記事を何ら検証なく載せてしまう日経トレンディにガッカリです。
友里掲示板
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