読者の方からの情報で、ワインスクールの「アカデミー・デュ・ヴァン」がワイン受験本(正確にはJSA呼称資格試験の受験対策本)を出したことを知りました。
「ワイン受験講座 2009」(成隆出版)
この手の教科書では「田辺由美のワインブック」(飛鳥出版)が昔から有名でして、私もお世話になりました。
「アカデミー・デュ・ヴァン」は逆にワインスクールの老舗。私は通いませんでしたが、昔の名物校長が考え出した「ゴロ合わせ暗記法」なるものが有名でした。これまた私は利用せず、力尽くで丸暗記しましたけど・・・
そんな有名なワインスクールの出した受験本に、間違いが60ヶ所以上もあり、しかも正誤表をつけないで今でも売り続けているのはけしからん、間違えて覚えてしまって時間をロスした、とのお怒りのメールをいただいたのです。
デュヴァンのHPには正誤表がついていますので、まずはご覧ください。
http://www.adv.gr.jp/cat/assets/files/jukenseigo2.pdf
結構激しい間違いが目立ちます。
こんなに間違いがありながら、本当に「正誤表」を追加せず売り続けているのかと、友里はアマゾンで試しに購入してみました。
3990円(税込み)と半端でないこの本、読者の方の指摘通り、「正誤表」がついておりません。HPのバナーから正誤表をチェックできますが、開示が小さくて気がつかない人が多いのではないでしょうか。
そこで微力ながらこのブログで開示させていただくことにしたのです。
手にとってさらさらと斜め読みしただけですが、とにかく分厚い本です。昔の「田辺由美」はこんなに厚くなかったですから、最近の試験では覚えることが急増したのでしょうか。
間延びした構成で使いにくいのも特徴か。
丸暗記の象徴として「ボルドー メドックの格付けシャトー」が3ページにまたがっています。「田辺本」は確か1ページにまとめておりました。私としては1ページの方が覚えやすい。
「過去問題」を適度に散りばめているのでページが更に増えてしまったようですが、受験生は暇さえあればこの手の教科書をチェックするはずですから、なるべくコンパクト(薄い)方が使いやすいと私は考えます。
「ゴロ合わせ暗記法」(2100円)にも4ヶ所の間違いがあるようで、慌てて出版した印象は避けられません。
何も「田辺本」の肩を持つわけではありませんが、JSA呼称資格試験の一次試験が8/24に迫っております。
受験される方、ラストスパート頑張ってください。
友里掲示板
http://tomosato.net/bbs/
アカデミー・デュ・ヴァンの受験本
「ガチミシュラン」アンケート回答していただいた方への御礼
先週「ガチミシュラン」の編集担当だった方から、本に挟んであるアンケート葉書のコピーが送られてきました。
拙著への意見・感想と5段階評価(大変よい・よい・どちらでもない・不満・大変不満)であります。
20歳代半ばの方から上は70歳を優に超えられた方まで、男女の割合は半々といったところでしょうか。中には便箋6枚のお手紙を添えて送っていただいた方までいらっしゃいました。
ここに心より御礼申し上げます。
わざわざ手間かけて送る方々ですから、私への苦言や反論もあるのかと思ったのですが、私の元に来たコピーはすべて「大変よい」か「よい」の2種だけでした。編集サイドで検閲しているのかわかりませんが、すべての方から応援をいただく内容でありまして、あらためて感謝する次第であります。
一番多かったご意見は「目線」についてでしょうか。一般客に徹し自腹覆面を通すスタンスに賛同をいただきました。
「さとなお」さんを事例に挙げるまでもなく、この分野、ちょっと名が売れる、本を出出すことができた、となると店などで「名乗ってしまう」人がほとんどです。
本名を出してしまう、特定の店に必要以上に入れ込む、料理人や有名人との人脈自慢をする、家族(妻)も便乗してくる、などその自己顕示欲を抑えきれない人は多い。(以上の条件を全部満たしているのは「さとなお」さんですけど)
おそらく本人だけではなく家族も「出たがり」の性格なのでしょう。
特定の店や料理人との仲の良さを読者に開示した段階で、プロ(副業も含めて)は店評価や探訪記を公開するべきではないと思うのですが、自身の本業に利用でき老後の生活向上にも繋がると思っているのでしょうか。恥もなくスタンス変更する人が多いのが残念であります。
今回は私の意見やスタンスに賛同していただく方ばかりの意見でしたが、私と異なる考え方の方も沢山いらっしゃるはずです。味覚もまったく違う方も多いでしょう。
論点のすり替えではなく、料理人や客も参加して本質での意見交換や論争をすることによって少しでも飲食業界がまともになることを私は望んでおります。
友里掲示板
http://tomosato.net/bbs/
最近訪問した店 短評編 30
衆院選投票日まで1ヶ月をきりました。連日朝のTV番組では各党のおなじみの顔がでてきて何だかんだと他党を批判していますが、自民党の節操のなさに呆れたかたは多いのではないでしょうか。
「財源はどうするのか」と批判していますが、戦後自分たちが牛耳ってきた政権でいくら国の借金を積んできたと思っているのか。
財源がないのにゼネコンや財界に配慮し続けて借金を雪だるま式にふくれあがらせたのは誰だと思っているのか。
私は「ばらまき」や「財源」とは個人相手だけではなく、ゼネコンや財界相手にも成立する言葉であると考えます。
子供手当では子供がいない家庭との「税の不公平感」を言っていますが、偏りすぎるゼネコン優遇に対して不公平感を感じないとしたら、自民党は不感症であると言えるでしょう。
民主党が政権を取ったら、「記者クラブ廃止」になってこの制度に胡座をかいていた大マスコミが困るので政権交代を快く思っていないと田中康夫氏はじめ勝谷誠彦氏など民主党寄りの人が言っております。
保守系ではない大手新聞社も、宗教団体からの新聞印刷の注文のおかげで経営が成り立っている現実、真っ向から与党の政党を検証批判できないとしたら情けない。宗教団体の恩恵を受けない日刊ゲンダイや週刊誌くらいしか頼りになりません。
さて3店です。
ロオジエ
相変わらず満席でありましたが、予約はかなり取りやすくなったようです。不景気、ミシュラン熱が冷めた、という理由以外に、料理自体に?を出す人も多くなった結果と私は思います。
料理の種類が少ない、本当に美味しいのか、しかも低温調理ばかりではないか、メナール氏の勘違い度がかなり上昇している、といった複数の要因(ほとんどメナール氏が原因ですけど)が考えられます。
タテル・ヨシノ 銀座
思ったより料理は悪くなかった。しかしその他のものが?。
詳しくは今月のあの月刊誌で。
山玄茶
今年初めの訪問で「過大評価」を感じていたので、確認の意味で再訪しました。
トリガイのバーナー炙り、バットに乗せて炙るのでバットが熱でひん曲がっています。このパフォーマンス、見た目が悪い。
葛が剥離していたアコウダイの葛饅頭のお椀、薄すぎてチリ酢の味しかしなかった目板カレイの薄造り、この時期なのにわずか1ヶの鱧炙り、しかもバットで冷やし置きしていたものでありました。1ヶだけ残ったこの鱧、再びバットに戻していましたが、明日の昼にでも使うのでしょうか。
近江牛の寿司は、治部煮のように醤油出汁で煮ていて、ヌルヌルの食感で気持ち悪かった。
稚鮎が2尾もこの支払いで養殖は残念。伊勢エビと岩牡蠣が出してきたのは最高額コースだからでしょうが、京都の店で喜ぶまともな客がいると思っているのか。観光客相手の店と自ら言っているようなものです。
これで1万6000円コースですから、食後感はかなり悪かった。
過大評価は再度確認されました。