今年初訪問のワースト3

昨日のブログでまたまたやってしまいました。
「ケンゾーエステート」、日本のワインではなくカリフォルニアはナパのワインだそうです。間違った書き込みをしてしまいましたので、訂正させていただきます。
ただしオーナーはカプコンCEOの辻本憲三氏とのことですので、日本人のようです。
しかしこのカリフォルニアワイン、本当に和食に合うのでしょうか。大味な人が多いと言われるアメリカ人が造るワインは濃縮感を求めるはず。繊細な味わいの和食に合うはずがないのですが、「かんだ」の料理は大味だということでしょうか。

さて今年もあと3日。年末恒例のワースト&ベストを今日からはじめます。
まずは、今年初訪問した店のなかからのワースト3です。

野田岩 パリ店
店でこれほど不味い蒲焼きにそうはお目にかかれるものではありません。イメージはスーパーで売っているパックに入った鰻を自宅で戻した感じ。日本では何千円もとって客に出せる代物ではないでしょう。こんな料理を「日本の料理」として海外に紹介するとは野田岩も罪なことをしてくれたものです。
フレンチに食べ疲れたからといっても、パリで絶対に訪問してはいけない店であると私は宣言します。

MASA
これまた海外(ニューヨーク)の店。「すきやばし次郎」を超えて、世界一支払額が高い寿司屋ではないでしょうか。(時間単価は「次郎」が世界一だと思います)
ボトルワインを100ドルのものに節約し(これが一番安いらしい)、すすめられた近江牛の追加(120ドル)を入れての支払いがなんと840ドル。サービス料?(ハウスチャージとあります)が20%というのも破格であります。
高くてもまずまずなら未だ許せるのですが、日本で修業経験がないと思われる東南アジア系の職人が提供する和食もどきや寿司もどきは、我々日本人にとってまったく別物。
骨切りの仕草が見ていられない鱧シャブはボロボロで味がしない。近江牛はヌルヌル、魚はほとんどベチャベチャ。隣客の鰻は焼きが甘かったのか串から外せず、再加熱していました。
日本では通用しない寿司屋であると言えるでしょう。

?ヒロソフィー
「レストラン ヒロ」の総料理長だった山田宏巳氏の個人店?
幻冬舎の見城社長はもう関係していないのでしょうか。
奇抜な食器とサプライズなだけの料理の連続で、こりゃダメ。
「ヒロ」時代はもっとまともな料理をまともな価格で提供していたと思いますから、非常に残念でありました。親しい常連のリピートがなければ厳しいと考えます。

どこまでが宣伝ページなのかわからなくなった、東京カレンダー

久々に「東京カレンダー 2月号」を読みました。毎月買っているのですが、造りが雑になってきているように感じてここ半年ほど目を通していませんでしたが、明日からの「今年のワースト&ベスト」の前の本日のネタの為(はっきり言うとネタ不足)に目を通したのです。

最近オープンしたフレンチや中国料理店などの紹介記事(これは限りなく宣伝ページに近いぎりぎりの線)の後、58ページ目からはやくも「SATIS」とのタイアップ店紹介ページがでてきました。その次はなんと「マスターカード」とのタイアップ店紹介です。本のタイトルを飛び越えてフランス、イタリア、スペインの店まで遠征しています。
続く「バー紹介」のあとの2店、「カフェマルシェ広尾」、「Hirosaka」の2ページは突然ページ構成が変わります。店のジャンルもそれまでのものと急変。私が見る限り「PR」との注釈は誌面で確認できませんが、これはおそらく「宣伝ページ」でありましょう。

そして京都の「ダイニング系」の店紹介のあと、「ケンゾーエステイト」というワインをすすめる3つ星和食「かんだ」の神田裕行氏が登場します。何の脈絡もない突然のワイン紹介。次の2ページにはそのワインの価格を提示しての購入方法までありますから、完全に宣伝ページであります。
この日本のワイン、まったく聞いたことがないのですが、3本で2万円とかなりの高額です。「ケンゾーエステイト」は「アクセスパブリッシング」以外に神田氏にも宣伝料を支払っているのでしょうか。

この「東カレ」、ワインや食材、トイレとレストランを巧みに融合させて一見PRに見せず「店紹介記事」のように仕立てるのが得意技なのですが、最近はかなり露骨になってきました。といいますか、丁寧に誌面を仕上げる余裕がなくなってきたのでしょうか。?

格付けなしのボルドーワインの紹介(宣伝?)ページのあと、なぜか「リンカーン ナビゲーター」という車、「書斉館」という万年筆店、「Brift H」というシューケア店がでてきます。ジェットコースターのように、次から次へと違ったジャンルが紹介されるページ構成。読者にとって読みにくいだけではなく、宣伝している店への効果もこんな誌面造りで効果を上げられるのでしょうか。

続いて都内のホテルバンケットの紹介にかなりのページが割かれています。驚いたというか笑っちゃったのは146ページにある神宮前の結婚披露宴場「ル アール 東郷」。総料理長だという神保佳永氏の気取ったポーズの写真が料理写真と共にでているのです。
ホスト然と自己陶酔しているかのように腕を組んで斜に構えたそのポーズを見て、料理に期待する読者がいるとは思えません。あの「タツヤ カワゴエ」と同じ路線を狙っているのでしょうか。

表紙には「エモーショナル ライフ セレクテッド スタイル」とありますが、とにかく節操なく宣伝主をかき集めてきたとしか思えない誌面構成。出版社の真の目的である「宣伝」として果たして効果を上げる内容なのか、多いに疑問であります。
「東京カレンダー」の賞味期限もこのままでは短いかもしれません。

最近訪問した店 短評編 51

2009年最後の短評編となりました。思えばあっという間の1年でありました。こんなことを20数回繰り返したら、自分もあっという間に平均寿命に到達してしまうかと考えると怖いものがあります。
小山薫堂さん、彼の大味好きな「舌」にはいつも疑問でして、そんな店を得意げに語ってもらいたくないと思いますが、彼が言うところの「一食入魂」には納得です。残り少ない期間に悔いのない店訪問をしたいという意味でしょうが、それなら大味な店や美味しくない店を食通ぶって取り上げないでいただきたいものです。
先日都内のとあるマンションで、フェラーリから降りてきた男性をみてビックリ。彼にそっくりなんですね。あそこに住んでいるとは知らなかった。

さて2009年最後の3店です。

レスパス
恵比寿の日仏会館に入っている廉価なフレンチ。昼は1500円前後、夜でも3000円台で終わる店であります。(追加費用がかかる料理が多いのが難点です)
この店の良いところは夜が空いているところでしょうか。(皮肉ではありません)3家族で訪問しましたが、なかなかディープな味付けでワインがすすみました。といっても、この価格帯ですからワインリストに多くを望まないで下さい。

オザミ デ ヴァン
友里掲示板でローヌなど南仏ワインの品揃えの良さが書き込まれていたので知人達と久々の訪問。
私は南仏のワインがあまり得意でないので(コート ロティは別)、正直それほどのものを感じませんでしたが、今思うと何の料理を食べたかまったく記憶に残っておりません。相変わらず混み合っているようでしたが、ある意味使命を終えた店ではないでしょうか。丸ビルへ出店するなど増殖してしまってグループ全体のクオリティが落ちてしまった感じです。

ロオジエ
今年最後の訪問は11月はじめに催された10周年イヴェント。メナールさん、ボリーさんの新旧シェフによるコラボでありましたが、ディナーがなんと4万円とこの不景気を考えない強気の値付け。
期待したボリーさんの料理も何だかメナール風で上辺だけの軽い調理でありました。
朱に交われば赤くなるとは例えが違うかもしれませんが、常連中心に評判が芳しくないメナール料理に浸食されてしまったようで期待はずれでありました。
「評判が悪いからなんとかしろ」とミシュランサイドから注意されたなんて都市伝説まで出来上がってしまった「ロオジエ」。そろそろシェフの賞味期限を意識する時期だと考えます。