久々の閉店情報、その他(本日はネタ不足)

日曜から出張でアメリカへ来ているのですが、7月の接待先を考えていて無性に鮎や鱧が食べたくなりました。これからの和食は何と言っても鱧と鮎であります。欧米人は鮎の旨さ(苦みか?)がわからないと聞いたことがあります。たとえ日本人でもミシュラン調査員にはわからない和食の醍醐味でありましょう。

最初の訪問はワシントンDCでありまして、パッとしたレストランを検索できず、治安も良くないと聞いていたのであまり出歩かず、ホテル近辺でベトナム料理、シーフード料理、アンガス牛ステーキを3晩にわたって食べました。
でも宿泊ホテルのメインダイニングであるステーキハウス、期待したアンガスもイマイチとちょっと欲求不満でありました。
アメリカらしく外側をカリッと焦がして焼いてくれれば良いものを、なんかネットリした食感なのです。低温焼きのようでガッカリしました。NY経由で帰国しますので、今後はマンハッタンのレストランに期待したいのですが、「masa」が最悪のCPだったので和食は帰国後の来週まで諦めです。

そういえば昨年は不用意に男2名で「ゲイの日」に3つ星フレンチへ行ってメートルに疑われた友里。今年はそんなドジはしませんが、歩いているとなんか目線が気になって心配でたまりません。もしかしてその筋の

オーラ

を出しているのでしょうか。
最近ようやく体重や体脂肪率が元に戻ってきたので、もう太りたくない。よって今回の出張ではなるべく「肉」を避けるように心がけております。NYでもステーキの予定は1回だけ。どの店へ行くかは、予想がつく方は多いと思います。?

さて表題。先週関西の知人から、昨年「あら輝」を慕って上野毛へ大阪から移転してきた「鮨 まずい」、もとい「鮨 嘉瑞(かずい)」が

7月一杯で閉店する

との閉店情報を入手しました。原発事故の環境のせいで東京を脱出したいとのこと。今度は「鮨 まつもと」を追って祇園進出を狙っていると漏れ聞きました。
でもこの情報、なかなか裏がとれないんです。検索ではまったく出てきません。閉店1ヶ月前ちかくでまったく情報が出回っていないのでしばらく保留にしていたのですが、本日はネタ不足に陥りまして仕方なく取り上げた次第であります。
関西の鮨好き・外食好きの中での話なのでそうは間違いないと思うのですが、真相はいかがなものか。結果は7月になったらはっきりすると考えます。

ところで暇な時間、ワシントン市内の観光スポットへ行ったのですが、アメリカってこんなにメタボな人が多かったのか。地方からの観光客が多いとは言え、過半がみんなメタボの体型と言っても過言ではありません。それも半端じゃないくらいの太り方です。
マンハッタンでもこんな風景だったか。ワシントンはNYに比べて地方人比率がかなり高いのかもしれません。ドーナツやハンバーガーなどファストフードばかり食べているのでしょうか。

アメリカに住むなら食事に気を遣わなければならないでしょう。自己抑制が出来ず本能のまま食べてしまってはレッドソックスの松坂選手のようになってしまいます。
ボールの威力(球質の重さ)は球速と回転数の二乗に比例するのは物理学が証明しております。投手の体重なんてまったく関係ない。
ましてバットの芯をわずかでも外すことが好投手の一番の条件でありまして、余分な脂肪や筋肉を必要としないのは

ダルビッシュ

が証明しております。そしてその余分な脂肪や筋肉が日本人野球選手にとってまったく必要がない、いや邪魔だったことを証明したのが

清原

でありました。スリムだったプロ1年目が記録的には最高の成績であったことがその証左であります。野球はホームベース上でのクロスプレーを除いて原則

接触系の格闘技ではない

わけでして、余分な脂肪や筋肉はまったく必要がないと言うことがおわかりいただけると思います。
上半身に脂肪と筋肉をつけることによって球威が増すと勘違いしたのか、単に自己抑制が出来なだけなのかしりませんが、せっかくの資質を無駄にしてしまったと松坂に感じるのは友里だけではないでしょう。

なんとか最後は野球の話で文字数を稼いでいつものブログの体裁は整ったようです。
それではまた明日お目にかかりましょう。

「絶品レストラン」、6/20発売

本日はこの20日に発売になる拙著の宣伝をさせていただきます。
この月曜に見本が刷り上がってきた「絶品レストラン」(鉄人社)でありますが、出張中でありましてまだ手に取ることが出来ないのが残念。
身内なので割り引いて受け取らなければならないのですが、鉄人社の他の編集者からは

すごく面白かった

とお褒め(ヨイショか身内ウケかも)の言葉をいただきました。ガイドの体裁をとってはおりますが、巷あふれるヨイショ紹介本とは一線を画した内容。自分で言うと何をうぬぼれているのかと突っ込まれそうですが

全編に友里節全開

であると自負しております。
すでにアマゾンでは表紙付きのページが開設されております。まだ「予約受付中」なだけですが、ちょっと覗いていただければ幸いであります。

絶品レストラン 表紙本案

高額フレンチ(高額和食)からピッツアのデリバリーまで掲載店は96店。超オススメの4店(モノクロの外観写真付きで4ページ)を除いて各店2ページを割いております。
その内容は単なる紹介記事ではなく、良いところを挙げながらも問題点もしっかり書くといういつものスタイル。掲載されなかった方が良かったと思う店もでてくるかもしれません。

個別の店紹介記事もそこらのガイド本と違うのですが、この本の大きな特徴は以下の2点であります。

友里征耶の評価基準をはっきり開示
掲載を断念した店の理由も開示

どこの馬の骨かわからない自称調査員が評価したというミシュランガイドを挙げるまでもなく、著者(評価者)が己の評価基準を具体的に開示しているガイド本は私の知る限り皆無。
たとえば山本益博さん。MSGに寛容だとはどの著書にも書いていません。勿論門上武司さんや来栖けい氏と同様に

酒が苦手だ

という表記もありません。また佐藤尚之氏の本にも

濃い味好きで居酒屋料理に目がない

との表記はない。いやどの著者の本にも共通している一番の掲載基準である

店経営者と親しいから(親しくなりたいから)

という文言も私は見たことがないのであります。
つまり読者は著者がどんな嗜好の持ち主なのか、どんなスタンスなのかまったくわからないまま、親しくなった店の宣伝に利用されていると言っても過言ではないのです。

拙著「絶品レストラン」では掲載基準として

地域性や店の経営方針

をどのように評価したかを明確にしております。またできる限り友里征耶の

個人的嗜好

も具体的に書いております。勿論、美人マダムの存在に甘くなりがちという癖も隠しておりません。
その他たとえば1例を挙げますと

低温ローストを全面に出す店やソースを造れないシェフの店はダメ

などいつものように言いにくいことをはっきり書いておりますので、自分で言うのもなんですが「これほどわかりやすいガイド本はないのではないか」と勝手に自負しております。著者自ら、読者層を限定してしまう可能性のある

評価基準の具体的開示

でありまして、出版社にとっては必ずしも良いことではありませんが、購入を検討される読者の方には非常に参考になると思っております。

そして掲載断念の店について。事前のプレリストに載せながらなぜ掲載を断念したかを述べております。
店側にとっては非常に厳しいものであると思いますが、いずれの店も過去に友里が肯定的に取り上げていただけに、クオリティやCPが劣化したと判断した以上しっかり書くべきだと考えた結果であります。

おそらく友里征耶の最初で最後のヨイショ本、もとい、店紹介本となるはずです。数少ない信奉者に加えて多くのアンチ、そして飲食店業界や出版関係者、そして味のわからない業界人や自称文化人にも読んでいただければ幸いであります。
マスヒロさんや関谷江里さん、林真理子女史や秋元康さん、小山薫堂さん、佐藤尚之さんなどから書評をいただきたいと思っているのですが、マイナーな友里なだけに今回も無理でありましょう。

1年持たず賞味期限切れ? 銀座三越新館レストラン 2

再開発ビルへの出店はレストラン側に何ら利益をもたらさないと友里征耶はデビュー当時から訴えてきました。
オープン後長くて数年、はやければ半年持たず、いやひどいところではオープン当時から客が途絶えてしまうビルの事例は枚挙にいとまがありません。
アク?ヒルズ、恵比寿ガーデンといった古株から、六本木ヒルズや交詢ビルの中堅どころ、そして東京ミッドタウンなど挙げていったらキリがありません。勿論この銀座三越新館も例外ではなかった。

郊外型のショッピングモールではないのですから、都心のビル内にかたまって存在するレストランへ行きたがるまともな客がいると思うのか。特に高額店へ行く客が、そんな環境を好むはずがないのはサルでもわかると思っていたのですが、飲食店経営者には理解できなかったようです。
デヴェロッパー側は、純粋無垢なレストラン経営者を丸め込み、彼らが苦手な契約書で縛って入店させれば良いわけですから、あとは客が入ろうが来なかろうが知ったことではない。
何年も高い賃料を絞りとり続け、契約期間中に堪らず撤退するときは高い違約金をもぎ取る。
こんな理不尽な商売が飲食店業界相手に長年通用しているのですから、私は甘い業界だと言わざるを得ないのです。

そしてこの銀座三越新館のレストランフロア。昨秋のオープン時はTVで取り上げられ、連日満席で特に昼は2回転でも収容できないほど純粋無垢なランチオバサンが並んでいたものでした。
ところがその集客効果は半年も持たなかったようで、夜だけではなく昼もごく一部の例外を除いて店内は空席が目立つようになったのです。

集客が苦しくなったからでしょうか、メニュー構成を見直し、実質的には値下げで落ちた客を呼び戻そうと無駄な対策をとる店がでてきました。
本日取り上げるその店は以前のブログで取り上げました京都の摘み草料理(ミシュラン2つ星?)の東京支店の位置づけである「石楠花」であります。本店は知る人ぞ知る「美山荘」でして

ポルシェ・カイエンにまたがって摘み草をする

主人がTVで放映されていたのは記憶に新しい。
私が夜に訪問したときは、たしか5000円くらいから上は1万5000円までと、それはCP悪いコースを揃えていたのですが、なんと天然大鰻や天然鮎をメインとしたコースを夜に

3980円

で提供するようになったのです。詳しくは以下の写真をご覧ください。

天然大鰻コース

?

天然鮎コース

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カメラではなく、携帯で撮ったので画質がよくないことお詫び申し上げます。?

拙著「グルメの嘘」(新潮新書)でも詳しく書いておりますが、オープン当初の料理価格(コースも)の決定は非常に重要であります。客が来ないからと行って安易に値下げしたら客は

流行っていないんだ

と察知して、値下げにも釣られないからであります。
流行っている店だから無理していきたいと思うのが人情。流行らず値下げした店にわざわざ行きたいと思う客はそうは存在しないのです。

天然鮎コースは、先付、向付、油物(揚げ物のことか?)、鮎寿司に天然鮎が2匹、そして

生ビール2杯かグラスワインがサービス

と正に出血大サービス。
きょうび流行っている店なら生ビールやグラスワインだけで1杯1000円近く請求してきますから、石楠花の集客の苦しさが身にしみるほどわかるというものであります。

天然大鰻のコースも先付、小吸物、炊き合わせにデザートまでついて3980円ですから驚きです。野田岩なら養殖の蒲焼くらいの価格でありますから、本来ならば鮎や鰻の釣りで野田岩なみの千客万来となるはずですが、外からみただけではそれほど集客に効果があるようには見えません。

再開発ビルにCP良い店なし

は友里征耶の定説でありますが、CP良い料理を出しても客が来ないようですから

再開発ビルではどんな努力をしても廉価店以外は客が来ない

という新しい定説を思いついた次第であります。

飲食店、とくに高額に位置する店の経営者に私は言いたい。決して

デヴェロッパーや仲介業者の甘い誘い水に乗ってはいけない

直ぐに泣くことになるのは経営者自身であります。