焼肉業界は受難続き

4月の食中毒事件で売り上げに大きな貢献をしている人気メニューのユッケなど生肉を出しにくくなった焼肉業界。6月の売り上げが前年同月比で

2割近くダウン

と一昨日の夕刊フジの記事にありました。この猛毒ユッケ事件という一難が去る前にやってきた更なる一難が

セシウム牛

でありますから、焼肉業界はまさに踏んだり蹴ったりでありましょう。
廉価な店を避ければ大丈夫と生肉好きがかろうじて踏みとどまった焼肉でありますが、国産牛(乳牛)やF1種といった廉価な肉だけではなく、ブランド和牛という高級牛にまでセシウムが浸透してしまったようですから、気になる人は高額店でさえも安心して入店出来ない状態になったといえるでしょう。

福島産の牛肉の値がつかなくなったと聞いておりますが、他の産地の牛も値崩れしているとか。松阪牛も例外ではありません。(現在は出荷制限で品薄となり値を持ち直したようです)
夏は何といっても鰻と焼肉の店がかき入れ時。グルメ雑誌ではこの時期「焼肉特集」がお約束でありましたが、このダブルパンチの影響か、予定していた「焼肉特集」を急遽取りやめた出版社もあるようです。政府の無為無策は今に始まったことではありませんが、このセシウム浸透稲藁問題は簡単に予想できたこと。
記憶力は人一倍あるのでしょうが高級官僚のあまりの視野の狭さ、洞察力のなさに唖然。あまりに罪は重いと考えます。

思いだせば今世紀になってから焼肉業界はピンチの連続ではないか。BSE問題でもかなりのダメージを受けたばかり。当時はあの高額ステーキ店「あら皮」も厳しかったと漏れ聞きましたから、ホント、牛肉業界はついていないとしか言いようがありません。リピーターでも数ヶ月先まで予約がとれない銀座の某ステーキ店、今でも予約困難なのでしょうか。

雑誌の特集がなくなり客離れが激しい焼肉店でありますが、肉好きの友里はなかなか欲求を抑えきれません。
この歳ならセシウムをとっても関係ないとは思いませんが、そこそこ有名店や高額店では怪しい牛は避けているだろうとの希望的観測であります。
未訪の有名人気ホルモン店や最近オープンしたばかりのダイニング調の店、そして入店に暗証番号が必要な焼肉店にも予約を入れている次第であります。そう言えば接待ですき焼き屋への訪問も間近であります。

医学的に考えたら、肉や鰻を食べたからといってスタミナがつくとは思えないのですが、人は何とっても先入観というか気持ちの問題。
友里掲示板の書き込みにありましたが、

精をつけようと行列に並んでかえって疲れる

有名鰻屋より、ネタ稼ぎを考えないなら入店が容易と思われる焼肉に行くことを友里は優先します。
鰻屋にある野菜はせいぜいうざくの胡瓜だけ。鰻と米だけの偏った食材のみの摂取より、野菜料理も結構ある焼肉店の方がヘルシーではないか。
鰻屋には「天然偽装」がありますが、日本のどこの焼肉屋でも

うちは天然牛に拘っている

といった釣りキャッチはありません。産地偽装や和牛偽装、部位偽装はあるかもしれませんけど。
堂々と養殖(肥育牛)だけを提供しておりますし、五代目焼肉店(わかる人には何を言いたいのかわかるでしょう)の娘さんが

シャネラー

だという噂も聞きません。鰻より原価率が高いと思われる焼肉、友里は今後も牛肉を食べ続けるつもりであります。

ネタ不足で尾花(南千住)を訪問 その3

高岡蒼甫なる俳優の反韓流発言が物議を醸しているそうです。

http://www.daily.co.jp/gossip/article/2011/07/27/0004307800.shtml

韓国ネタが出てきたら消す
8(フジテレビのことらしい)はマジ見ない
Kポップは自国でやれ

しがらみのない友里と違ってTV局批判は芸能人にとって御法度だと思うのですが、ここまで言える開き直りに感心しました。
まあ、あくまで個人としての「意見」でありますから、炎上とか大きな問題となるべきものではないと思うのですが、なぜTV含めて大きく取り上げられてしまうのか。?

見るな

という意見がダメだというなら、さして美味しくない店を美味しいとヨイショして店宣伝に勤しむ、山本益博さんや関谷江里さん、門上武司さんたちが

食べに行け

とばかり煽る発言も炎上や大問題にするべきではないか。
見るな(行くな)はダメで行け(見ろ)は許されるという判断は矛盾していると私は考えます。

さて費やした時間と支払い額の予想外の大きさから3日間引っ張った

尾花リポート

も今日が料理編、そしてとりあえず最終回であります。
直ぐ出てきたビールを飲んでいたら、最初に出てきたのは御新香の盛り合わせ。連れ達が先を争って食べ始めてしまった為、写真を撮りそこないました。

そして次がうざく(1500円)であります。これも先に1片食べられてしまいまして、写真には鰻が3片しか写っておりません。
一見焼きたてに感じる温かさがありますが、真相はどうなんでしょうか。1500円はかなり高いのではないか。

うざく

続いてう巻(1800円)であります。
うな重や蒲焼きが野田岩並みの時間で出てくるなら、これら高すぎるツマミを頼む客はいないのではないか。中身の鰻は細切れというかボロボロ。う巻専用の質(大きさ)の鰻を使用していると推測します。
うざくとう巻の2つで3300円。ラミティエでは野菜たっぷりで調理にもっと手間をかけた前菜とメイン(しかもお腹一杯)でお釣りが来る額ですから、こんなチョイ調理、良い商売しているとしか言いようがありません。

う巻

そして鰻屋に何故かある焼鳥です。2本で1100円と超破格の値付け。これが美味しければ文句も出ないのですが、柔らかいだけの代物で肝心の鶏の味がしない。ブロイラーかと思ってしまいました。
この値付けでなぜ注文する客がいるのか。この店には「肝焼き」がないんですね。30分待たされることもあり、ついついこの焼きを頼んでしまうのでしょう。

焼鳥

そして鯉こく(1200円)。私だけの注文です。ここ最近、ある和食屋(くろぎ)で「鯉のあらい」を食する機会がありまして、久々に鯉こくが食べたくなったのであります。
期待したものとは違いまったく濃厚さがありません。薄すぎ。これでは滋養強壮など期待出来ません。

鯉こく

同じ鰻屋でもむかし食べた浦和の「小島屋」の鯉こくの方が濃厚であったと記憶しております。

http://unagikojimaya.web.fc2.com/index.html/index.html

そして12時を過ぎようとする頃鰻が登場するのですが、先に

が出てくると聞いて私は椅子から転げ落ちそうになったのです。(実際は畳に直座りで転げ落ちることはなかった)
1万円以上する筏、頼む人は数組いるかどうか。ほとんどの客はうな重専門であります。実際この日も、一回転目では我々以外1組しか筏の注文を確認出来なかった。
つまりオーダーされるかどうかわからない筏が、安易に注文が予想されるうな重より

なぜ早く焼き上がるのか

あらかじめ捌き、蒸し、下焼きをしていると推測出来る(生きている鰻からでは30分では提供できないはず)養殖鰻よりなぜ天然の筏が先に出来上がってしまうのか。
筏もあらかじめ下ごしらえしているのでしょうが、肝心の養殖うな重の焼き揚げ時間をコントロール(すぐ洪することが出来るのにわざと時間をかけている)証左であると考えます。
この筏(明細を見たら2匹で1万5000円)、野田岩より辛めのタレが目立ちましたが、さほどの風味や旨みも感じない柔らかいものでありました。

そしてうな重(4000円)であります。連れの1人は美味しいと言っておりましたが、もう一人は

野田岩より美味しくない

との感想。私はタレの味の違いはあるものの

どちらも似たり寄ったり

であると評させていただきます。普通の養殖鰻のうな重でありました。

うな重

?

ビール2本、アルコールフリービール、冷酒、凍結酒に、御新香、うざく、う巻、焼鳥(2皿)、鯉こく、筏、うな重(4000円x3)を頼んでの支払いがなんと

4万円超え(4人)

わずか1時間の滞在(ドア to ドアでは5時間近く)で高額焼肉店やワイン頼んでのビストロ並みの支払いに愕然となった半日がかりの尾花訪問でありました。

ネタ不足で尾花(南千住)を訪問 その2

先週末に2時間近く並んで尾花の何の変哲もない鰻を食べた友里、掲示板の書き込み

代表が1人も並ばないで入店出来る戦法(裏技か)をつかう常連客が多い(要約)

を読んで椅子から転げ落ちそうになりました。
尾花の鰻が何時間も並んでまで食べる価値があるかどうかは別として、行列客を横目に見ながら並ばず店に入ってさっさと食べられるとしたら

それだけで行く価値がある

というものです。果たして本当にそのような「裏技」があるのかどうか定かではありませんが、興味深い書き込みでありました。

さて本日は尾花での食事編の前半であります。
女性スタッフにグループ人数を申告し、11:25分頃第一組が入店しはじめました。そして我々もやっとこの暖簾をくぐることが出来たのです。

暖簾

私の拙い記憶では、昔はこの暖簾に、「天然鰻」という文字が入っていなかったか。今回の訪問では店のどこにも

天然鰻

という文字を見ることがありませんでした。メニューの「中串蒲」や「筏蒲焼」にも天然鰻とは表記されていなかった。

さて行列に並んで2時間、やっとちゃぶ台前に着席し、飲み物とともに鰻を含めた料理のオーダーする段階になりました。
女性スタッフの説明では、鰻は初回のオーダーだけ。追加のオーダーは認めないとのこと。ただし、うざくやう巻などのツマミ類や飲み物は、後からいくらでも追加が出来るようです。我々がオーダーした料理は

御新香、うざく、う巻、焼鳥、鯉こく、筏蒲焼、うな重、肝吸い、ご飯

であります。うな重は鰻の大きさの違いで3000円、3500円、4000円の3種。せっかく長時間並んだので4000円うな重を3つ奮発してしまいました。

鰻類が出てくる30分ほどの待ち時間にツマミやアルコールを消費させて売り上げを激増させるこの尾花商法。行列営業と同じく尾花の利益を支える

2大営業戦略

であります。
来店客のほとんどが養殖鰻のうな重を頼んでいる現実。生きている鰻を捌いてから串打ちし、蒸してから焼き上げるという関東式鰻蒲焼きの全行程が30分で終了するはずがありません。あの野田岩は昔

2時間蒸している

とまで豪語していたくらいですから。と言うことはある程度造り置き(捌き置き、蒸し置き、焼き置き)をしていると推測しますが、ではなぜ待ち時間がどの客も皆同じように

30分ほど

なのか。20分や40分にブレない不思議。
あくまで友里の推測ですが、客にツマミを多く食べさせるにはある程度の時間が必要だが、殺到する客を効率よく捌くためには早めの回転も大事。つまり、30分が店側にとって一番有利と判断してコントロールしているというものです。

鰻を出す時間を40分、50分と引っ張ってもツマミの追加がそれほど増えるものでもなく、客の回転が滞って売り上げがかえって伸びない。
では鰻出しの時間を15分や20分と早めて客の回転だけを重視してしまうと、ツマミやアルコールのオーダーが減って今ほどの売り上げが総合的に確保できない。熱々のうな重を食べないでウダウダとツマミやアルコールを飲む客は希有であるからです。
まして鰻と同じく何の変哲もないツマミ軍でありますから、それ自体では勝負にならないのであります。

何時間も並んでやっと座れたのに鰻がなかなか出てこなく、それでは何でも良いからとにかく口に入れたいという客の飢餓感を利用した素晴らしい営業戦略ではありませんか。
しかし尾花の営業戦略の基本はあくまで

行列

すぐに入店させてしまっては、わざわざ30分待たせてもツマミは現状のようなオーダー数にはとてもばらないでしょう。
本日は尾花の営業戦略を友里流に解説しました。明日は実際に食した料理編であります。