友里征耶の週間食日記 2011-22

いやー、創業家とはいえ上場会社の連結子会社からここまで莫大な借り入れをしていたとは驚きました、大王製紙の会長。辞任してしまいましたから正確には前会長でありますか。
なんと個人的に80億円ほど借りていたと言いますから友里は椅子から転げ落ちそうになったのです。

本人から30億円、親族(多分父親の最高顧問や弟)などから50億円相当を同社株式で返済したとありますが、これで

創業家による大王製紙の支配権が消滅

するだけではなく、

前会長が特別背任で刑事告訴

の可能性も出てきましたから大変であります。東大法学部卒業の割に、頭は悪くないと思っておりましたから私は大変ショックを受けました。なぜこんな異常なことを平然とやってしまったのか。経営責任をとって会長に退いたあと(今年6月以降)にも借り入れしていたのですから、私は信じられないのです。落ち目の立場でこんなことして周りが見逃すと思っていたのか。
そういえば、スケールはかなり劣りますが他の知り合いにも多額の借金を会社からしたのが問題で立場を失った人がいましたか。
創業家、オーナー、シャチョーといえども公私混同は御法度とあらためて身を引き締めた次第であります。

しかし80億円、何に使ったかは

今は言えない

とのことですが、これだけの額ですから女性関連ではないでしょう。変な投資話に引っかかったのか、デリバティヴなどの損失補填なのか。醜聞のもみ消し料にしても多額すぎます。外食でいくら散在しても桁が違いすぎる。

友里にこの80億を任せてもらえば、得意の株取引であっという間に半減、いや消滅させてしまうだけに、これから外部の弁護士ふくめた調査委員会がどのような真実をあぶり出してくるか、息をのんで見守ることにします。

さて店評価ブログに、週刊文春の「斬り捨て御免! 食味探検隊」のメンバーであるナルちゃん・櫻田慶郎氏(ペンネーム)が味で20点満点をつけた六本木のお好み屋「USHIO」と神泉のフレンチ「バカール」をアップしております。
遊び人を自演する様がイタい櫻田氏の舌の実力がわかってしまったのですが、ぜひお立ち寄りください。

さて週間食日記です。?

月曜日
夜:麻布十番の和食
ついこの間、林真理子氏も行ったとブログにあったお店。定番のからすみ蕎麦や、鯖寿司、鮎の塩焼き、焼き鱧、鮑などをいただきました。
予想したより支払額が安かったのには驚きました。?

火曜日
夜:四谷荒木町のカウンター和食
1万円のお任せコースのみ。主人一人ですべてに対応しているので仕方がないかもしれませんが、食後感はそれなりでした。
コースに出る鍋(今回はスッポン)とヒレカツがウリの店です。

水曜日
夜:西新橋のカウンター和食
とにかく狭い。トイレに中座するのも隣客と干渉するので一苦労。年末には近所に移転するそうです。
この日もスッポンのお椀の他、鮎、鱧などこの時期お約束の食材をいただきました。世間の評価は高いですが、京料理の経験値が上がってきたからか、それほどのものを感じませんでした。

木曜日
夜:銀座の和食
銀座の3つ星から独立した店。本家と同じ価格設定は自信のあらわれか。
1日最高2組しかとらないそうで、この日は我々の貸し切りでありました。
1回で評価できないですが、CPはイマイチかなと。

金曜日
夜:銀座のステーキ
久々の訪問。と言いますか久々にしか訪問できない予約困難店。しかしこの店にも不景気の風が吹いてきたのか、満席ではありますが2回転はしていなかったようです。

土曜日
昼:難波の寿司屋
夜:嵐山の料亭
深夜:祇園のバー
寿司屋といっても実質は魚料理屋。夜の食事に期待できないと踏んで、美味しい魚を食べに行きました。
夜は超豪華料亭。しかし挨拶に出てきた料理長を見て私は椅子(座椅子)から転げ落ちそう(実際は直座りだから落ちない)になりました。30前後の見習いみたいなお歳なんですね。
クラシックな料理構成をお願いしたそうですが、出てきた料理は姉妹店の「ワイン会席」にそっくりなものばかり。2年前より創作病がかなり進行しているようです。鵜飼いを楽しめたのが救いでありました。
深夜は、あの寿司に異常なまでの憧れをいだく伊集院静さんと遭遇してしまいました。

日曜日
昼:大阪のイタリアン
夜:内食
昼は京都の民宿料理、もとい摘み草料理「草喰 なかひがし」の息子さんがシェフといわれるホテルイタリアン。年初に訪問しているのですが、来月発売の「ザイテン」に取り上げるため確認で再訪です。
前菜、パスタといずれも最悪に近い食後感でありました。

今週は和食中心でしたが、ステーキを除いて満足という店はなかったです。

国会議員はなぜメタボが多いのか

鉢呂さんに替わって経産相になった枝野さん、左巻き政権の官房長官時代は何を発言しても癪に障ったのですが、最近は結構良いことを言っているのではないかと感心しました。東電の事業計画に対しては

株主や債権者の負担が先だ

東電の電力料金値上げに関しては

独占の公共事業としては多すぎる子会社や広告宣伝費のカットが先だ

しごくまともな発言に友里は驚いたのです。
それに引き替えドジョウ総理、渡辺喜美氏の公務員宿舎凍結解除の見直し要請に関して

まったくの役人答弁

でスルーしてしまいました。予想通りとはいえこれでは

財務省の代弁者

以外のなにものでもありません。自分の言葉で答えず、役人がつくった答弁書を棒読みするドジョウ、これでは国会での存在価値はないではないか。

「駒形どぜう」に再就職して出直して来い

と私は言いたい。就活で文藝春秋社の入社試験に落ち呆然としていたとき、たまたま目にした松下政経塾のポスターで

給料でるのか

と安直に受験して、志ない受験者ばかりだったので受かってしまっただけのこと。後にバイトみたいな仕事をしたとか言っていますが、

一般企業経験ゼロで民間のことはなにもわからない

まま国会議員から総理大臣になってしまったわけです。こんな世間知らず、官僚たちにとってはお茶の子さいさいで籠絡できちゃうんでしょう。

ホント、松下政経塾は罪作りな団体です。早急な解体が、日本国の為であると友里は確信しております。これ以上、給料狙いの塾生や政治屋だけで死ぬまで喰っていこうと考えるさもしい国会議員を増やしてはいけません。

さて枝野さんや野田さんだけではありませんが、男性国会議員ってどうして

メタボばかりなのか

私は不思議であります。マッチョに見える馬淵さんなどもいますが、ほとんどの議員が太りすぎであります。
選挙期間中は自転車に乗るなどパフォーマンスをしておりますが、普段はまったく体を動かしていないのか。それとも

まったく頭を使っていないのでストレスがたまらないのか

本当に忙しかったら太っている暇はないと思うのですが、

三日やったら辞められない

職業の1つである議員稼業。自己管理も出来ない人たちに日本国を管理することは出来ないと私は考えます。
毎晩飲み歩いているから太るのでしょうが、確か議員宿舎とかには立派な

スポーツジム

があるはず。どうせロクな会合なんかしていないんですから、自転車でもこいで減量した方がTV視聴者も暑苦しく感じず、ひいてはそれがわずかながらも日本のためになると考えます。

またぞろ変な資格商売が沸いてきた、日本フードアドバイザー協会

宝島社から出版予定の新書、ただいま原稿段階で最終コーナー手前辺りをばく進中、もとい競歩程度で必死であります。
序章からはじめて1章から6章、そして「あとがき」の構成。現在なんとか第4章まで書き終わりました。(校正はまだ)
文字数的には8割方終わったところでしょうか。200ページ未満の一般的なボリュームの新書とすると、総文字数は8万くらいか。現在6万5000文字ですからあと2万文字弱であります。

「絶品レストラン」出版時のやりとりから、本のタイトルに関するセンスが低下していると自覚した友里。よって今回は何も提案していないのですが、編集側から示された表紙や帯にあったタイトルは

グルメの真実

うーん、前著の「グルメの嘘」(新潮社)と結構似ております。
今回の原稿で気をつけたのは、この2年前に出した前著「グルメの嘘」と如何に差別化できるかということ。
前著は問題提起型でありましたので、今回は飲食業界の「ウラ」を説明調で誰にでもわかりやすく著すよう努めました。勿論取り上げる内容もなるべく被らないようにしております。「さとなお信者」や「関谷江里信者」など純粋無垢なミーハーさんたちにもわかるように書きました。
この週末が山場かと、薄毛の老体(オカザワ談)にむち打ってなんとか乗り切るつもりです。

さて読者から「変な資格商売がまたでてきた」との情報提供を受けました。

日本フードアドバイザー協会

まずは以下のURLをクリックしてみてください。

http://www.faaj.or.jp/

横ちゃん主宰の「日本フードアナリスト協会」が輩出した自称アナリストでさえ、まともな仕事が舞い込んでこない現状で、もう1つ己の儲けのためにこんな

資格商売

をつくってしまって良いのでしょうか。高い受講料と引き替えに、何ら公的価値のない「資格」を己の自己満足だけのために取得する脳天気な人がいるのでしょうか。
もしかして、この資格を取ったら

飲食店業界で食べていける
人に自慢できる?

と考えているアフォな受講者はいないでしょうね。
この未曾有の不景気で、タダでさえ経営が苦しい飲食店業界。廉価な店ではさらなるデフレ競争、高額店でも客数減少、とこの業界を取り巻く環境は最悪に近いのです。当然ですが

役に立つとは思えないアドバイザーにコストを割くほど余裕があるはずがない

のであります。
どんな資格があるのかなと覗いてみると、3つの資格があるようです。受講時間と受講料も併記してみますね。

レシピプランナー   6Hr        ¥52,500?
フードアドバイザー  6+15Hr    ¥189,000?
フードコンサルタント 6+15+60Hr ¥913,500?

レシピプランナーだけは資格試験がなく、受講すればすぐ認定されるようです。
おそらく経営側は、この「受けるだけで資格取得」のレシピプランナーの大量生産を狙っているのではないでしょうか。

飲食店へのアドバイスとかコンサルトとか偉そうなことを唱えておりますが、要は繁盛させて利益が出れば良いだけのこと。
その方策なんてイチイチ勉強しなくても誰でもわかるというか、非常に単純な事なんですね。ファミレスなど大箱店を除いた店に対しては

飲食店でボロ儲けを狙うな
支店をつくるなど拡大路線をとるな
支払い価格に見合うだけの満足感を客に与えろ

はっきり言えばこれだけであります。しかしこの簡単なことが実際には難しいのです。

大きな利益を狙ってしまうと客が満足感を得られない
売り上げ増大を狙って支店をつくると客が満足感を得られない

のであります。利益を狙って(赤字から黒字転換を狙って)

原価を落とす
サービスのクオリティを落とす
調理に手間暇をかけない

となりがちなレストラン経営者。
また美味しい料理を出せば千客万来になるとは限らないのが難しいところ。ポテンシャルのあるシェフが美味しい料理を出しても、店が続かないという例は、

三鴨シェフ

が立派に証明済みであります。料理以外と言いますか、サービスなどを含めたトータルで平均以上の満足感を客に与えなければならないのです。
逆に言いますと、料理が傑出していなくてもサービスその他で補えば客が来るということを証明している一例が

バカール

であります。失敗例や成功例をちょっと学習すれば、胡散臭いアドバイザーの意見などまったく聞く必要がないことがわかるのですが、ではなぜ集客が苦しい店が多いのか。それは

欲に負けて客の満足感を蔑ろにしている経営者
サービスその他で補えないほどセンスのないシェフの実力

こんなところでしょうか。
己の欲を抑えきれない、己の腕の実力を冷静に見られない。集客に苦しむ店が多いのは、安直に独立する料理人や経営者が如何に多いかという証左でありましょう。

高いお金を払ってアドバイザーやコンサルに相談するより、1500円ほど用意して

グルメの嘘
グルメの真実(仮題)

をじっくり読んだ方がレストランにとって役に立つのではないか。

千客万来の店に向いていないシェフや経営者も多いのです。無理して独立などせず、そういう人は雇われを続けていくしか道はないのではないか。
世に会社は数え切れないほどありますが、サラリーマンの大半は独立しようなんて思っておりません。リスクと己の実力を冷静に考えているからであります。一か八かの度胸がある人が少ないのかもしれませんけど。

レストランだけが誰でも独立できるという甘い世界ではないということを、そろそろ雇われの料理人やソムリエたちは気づくべきだと考えます。