さらば、コルヴィエラ

今週発売された「アサヒ芸能」の書評欄で取り上げられたおかげなのか、アマゾンでの「グルメの真実」(宝島社新書)のランキングがいつのまにか上がっておりました。
最近は1万位くらいをウロウロしていたのですが、このブログを書いている時点で500位前後となっております。アマゾンの在庫もなくなり、配送に6?7日かかるという状態であります。
まあ、アマゾン自体のシェアが高くはないですから、ちょっと売れただけで順位が大きくブレると聞いております。100位以内の本でないと全国的に売れているとは言えないでしょう。

さて先日の友里ブログで取り上げました、今月28日で閉店するというコルヴィエラ。昨晩、J.C.オカザワや食べ仲間たちと行ってきましたので報告させていただきます。
閉店を知らせるシェフのブログに

決着をつけに来ると言ったきりのJCオカザワを待ちきれなかったことは甚だ心残り(棒読み)ではありますが・・・

という無念さが滲むものを見つけたので、どんな「決着」になるかわかりませんでしたが、早速オカザワにコンタクトして実現したコルヴィエラ訪問。勿論予約名はオカザワ自ら電話して

オカザワ

であります。
一応最悪の事態を想定したのか訪問は多い方が良いだろうと昨晩集まったのは総勢5名でありました。店前には

本日は予約客だけしか入店できない

といった内容の張り紙がありましたので、我々だけを手ぐすね引いて待ち構えているのかとちょっと緊張したのですが、この日は他に3組の客がいました。
2回目の訪問で気がついたのですが、この店、個室のようなものがあるようです。カウンターもありますから?

かなりの大箱

にしてしまったのも閉店の一因でしょうか。
閉店が近いからか、ホールのスタッフは1名だけ。よってシェフ自ら料理をテーブルに運んできてくれます。最初の遭遇ではちょっと緊張しましたが、この人が「あの松橋さんか」と思うほど柔和なお顔に丁寧な応対。

すっかり丸くなってしまっている

のであります。閉店を決めて心安らかな心境になったのでしょうか。
勝手に掲載されたとオカザワや出版社編集者に抗議して大揉めし、ブログでオカザワを罵倒した攻撃的な姿はまったくありませんでした。
勿論この友里ともちょっと因縁があったのですが、そんなこともなかったかのような応対でありました。

閉店間際でありますので料理についてあれこれ書くのは控えますが、皿出しが遅かったと言うことだけ報告させていただきます。
1時間ほど遅れてきた連れが一人いたのですが、アラカルトで次々と頼んだのでその影響はなかったのではないか。フィッシュ&チップスなんて19時過ぎに頼んで出てきたのは20時半を超えていたでしょうか。
最終的にメインを食べ終えたのは23時過ぎと、4時間を超える大ディナーとなったのです。想像するに厨房のスタッフが少ないのではないか。もしかしたら

シェフ一人?

と思えるほどのものでした。
前菜5種、パスタ3種、メイン2種とバラバラ(一皿2人前はあるというのでシェアを前提にしました)だったので多少の遅れはしかたないと思うのですが、それでも想定以上であったのです。

さて久々のオカザワウオッチング、今回は彼の中学時代の同級生の女性が参加しておりました。いわゆるオカザワ親衛隊の一人、オカザワが

サテライツ

と呼んでいる人です。この中学・高校の同級生で固めたサテライツ軍団がオカザワの基礎票というのでしょうか。ブログアクセス数と本(ここ数年出版できない)の売り数は

このサテライツの30人ほど

をベースに、あと何人上乗せできるかというのが、現在のオカザワの知名度というか集客力の実態。これでは出版のオファーが来ないのは当たり前だと昨晩気づいたのであります。
4時間を超えるオカザワとのやりとりで驚いたのは彼の飲みっぷり。ビールに嵌まっているようで、ワインの傍ら

ビールを5杯以上

も飲んでいるではないですか。還暦超えたので当たり前ですが

普通のオッサン

そのものでありました。最近はサテライツ相手に

麻雀

で時間を潰していると聞きましたから、出版界から忘れ去られる(もともと覚えてもらっていない)のは時間の問題であります。
さて「決着」でありますが、「サシ」の対決に持ち込むつもりなのか、オカザワはシェフに

店が引けたら二人で飲もう

と声をかけておりました。よって我々はオカザワを店に残して帰宅の途についたのであります。

パリ7軒で感じたワイン事情

昨日伊勢丹のお歳暮会場へ行ってきました。不景気が続いているからか、高額商品のラインナップが年々少なくなっているように感じました。
そのなかで友里が注目したのがお食事券であります。和食、中華、洋食の3ジャンルで30店舗くらいでしょか。

ペアランチコース   12,600円
ペアディナーコース  31,500円

挙げられた店は連日連夜満席という盛況店ではないと思いますが(盛況店がこんな企画にのるはずがない)、そのラインナップ(看板)で面白い店名を見かけたのです。

丸の内(モトリザ)

なんだ「モトリザ」とは? もしかして「モナリザ」かとパンフをチェックしてみたらその通り。単なるミスプリのようでしたので伊勢丹スタッフに指摘しておきました。

さて次は閉店情報です。フグ屋に続いておでん屋も閉めてしまったのか。西麻布のビル前(1階は相変わらずテナント入っていない)を通ったら、

店内工事のためしばらく閉店

といった内容の張り紙を見つけたのです。その店は「六根」。ダイニング調の薄味おでんの店でして、昔はたまに使わせて貰っておりました。
この手の張り紙をした店(張り紙にはっきり再オープン時期を明記していない)で無事に再オープンした店の話はほとんど聞いたことがないだけに

実質的な店仕舞い宣言

と受け取るのが無難でありましょうか。

さて先日立ち寄ったパリで昼夜7軒ほど店を訪問したときに感じたことです。最近はワインを飲む人が急減したと聞くフランス、なかなか面白いことに気がついたのです。まず夜のビストロでは

トマトジュースを飲みながら料理を食べている男性客

を見つけました。その男性、塩胡椒だけではなくウスターソースまで注入しておりました。そのテーブルは他に女性が2名ほどいましたが、ワインを飲んでいる気配を感じませんでした。結構ディープな味付けの店だけに、ワイン(酒類)なしで食べきるのは子供以外なら厳しいと思うのですが彼らは平気なのでしょうか。

昼の店ではさすがにお酒を飲んでいる客は少なかったのですが(当たり前か)、驚いたのは夜の「ランブロワジー」でのこと。男女2ペアの4人組、シャンパンなどいわゆる食前酒なるものを飲まず、いきなり

ボルドー赤

から始めてしまっておりました。ラベルが特徴的(プティムートン)だったのですぐわかったのですが、アミューズ、前菜(確かラングスティーヌのカレー風味)、メインと同じワインを飲み続けておりました。他の男性カップルは最初からブルゴーニュ白で通していましたっけ。
何もシャンパン、白ワイン、赤ワインの順に飲まなければいけないという決まりはありませんが、赤ワインをボトルで頼む前に食前酒や白ワインを必ず飲む友里としてはちょっと意外に思ったのであります。

本場フランスだけではなく、日本でもワイン離れが進んでいるとも聞きますから、不景気に加えてワインの売り上げも期待できなくなるレストラン業界。今後も厳しさが続くのではないでしょうか。
特に名古屋や関西地区のレストラン、ワインの持ち込みに寛容な店が多い(許可しないと客が来てくれないらしい)ですから、不景気の持続は高額店になるほど厳しいのではないでしょうか。

天唾ではないか、読売社説

家宅捜査だけではなく前会長の逮捕まで一気にいってしまった大王製紙特別背任事件。創業家の暴走であることは誰でもわかると思いますが、読売新聞に対し

企業統治の問題について語る資格があるのか

と友里は言いたい。まずは読売社説をご覧ください。

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20111122-OYT1T01296.htm

大王製紙では、取締役会や監査法人のチェック機能が働いていなかったことは事実でありますが、読売新聞自体がしっかりしたチェック機能を備えているというのか。今回の「清武の乱」に関して、読売新聞OBの堀紘一氏がTVのインタビューで

読売にはナベツネ派閥の社員しかいない

と言っておりました。ナベツネに異を唱える社員は粛正されてしまうそうです。
と言うことは、代表取締役をチェックする読売新聞取締役はすべてナベツネの息がかかった人だけということ。彼らにナベツネのチェックが出来ると考える純粋無垢な人が読売社員以外にいるとは思えません。
社外取締役がいるではないかという反論も友里は認めることは出来ません。それは一般に

社外取締役の人選もその会社の代表者がしている

からであります。規模の大小を問わずほとんどのケースで取締役就任は、会社側(はっきり言うと現経営陣)から株主総会でその人選案を議題に出して承認となります。(株主提案での取締役就任は非常にレア)
つまり、社外取締役を何人入れたとしても

代表者(実力取締役)のお友達やパシタ

ばかりですから、チェック機能が働くわけがないのです。彼らはしっかり

社外取締役報酬

を貰っていますしね。本来は会社から貰っているのですが、当人たちは自分を任命してくれた代表者や実力取締役から報酬を貰っていると思って忠誠を尽くすのは想像するに難くない。

代表者をチェックする取締役をチェックする監査役も取締役と同じで、実質会社側(代表者や実力取締役)が人選しますから、その存在に意味は全くないのです。では最後の砦、監査法人はどうかというと、これまた

頼りないの一言(最近はいくらか改善されたようですけど)

その理由は簡単。読売社説にも書かれておりますが、

監査法人を選任する権限も取締役会

が持っているからであります。選任の権限を取締役会が持っていると言うことは、その取締役会の選任の権限を実質持っている代表者や実力取締役が持っていると言うこと。読売新聞で言えば、

監査法人の選任権限もナベツネが持っている

と言っても過言ではないでしょう。監査法人はその会社から監査報酬を貰って業務を遂行しております。実際の雇い主にむかって

耳に逆らう諌言

をすることは難しい。下手して雇い主の機嫌を損ねたら、食い扶持の監査報酬を失ってしまうからであります。
大王製紙のように確かに創業家の暴走は許されるものではありませんが

一介のサラリーマン会長(社長時代もいれて)が20年も好き勝手やっている

のも問題であるということを読売新聞が自覚していないところが、悲劇であり喜劇であると考えます。

昨日のブログで、大王製紙前会長の財布はすでに空っぽではないかと書きましたが、会社側への損害金(85億円強)だけではなく、更なる高額な請求を受ける可能性があるのではないか。それは

株主代表訴訟

であります。現在は上場廃止の可能性もある監理銘柄になっている大王製紙。今回の特別背任事件の影響が証明できるなら、今後の株価の如何によって株主から

莫大な損害賠償請求訴訟

を起こされる可能性もあると考えます。規模は遙かに小さい零細企業でありますが、友里も他山の石とあらためて身を引き締めた次第であります。