今回の旅行、いつもの事じゃないかと言われると身も蓋もないのですが、またまた初めての珍しい体験をしてしまいました。(大袈裟か)
午後から出かける予定の前、たまたま1時間ほど余裕があったので、気に入っているメーカーの靴でも買おうと店までタクシーで行ったと思ってください。お目当ての店に着いたら、入り口ドアに何やら張り紙があるではないですか。
すわ閉店か
と思ったのですが、フラ語と英語併記の文面は
通信回線のアクシデントでカード使用不可(要約)
とあるではありませんか。きょうび、結構な額の商品がキャッシュオンリーでは店が成り立つはずがなく
すぐ修復したはずだ。紙は剥がし忘れたのだろう
と勝手に解釈して、店中に入ってスタッフに確認したら、まだ回復していないとのこと。滞在はあと丸一日あったのですが、ビジネス用として靴底をラバーに張り替えて貰うには1日かかるので購入を断念したのであります。いまどきカード端末がそう簡単に壊れるものなのでしょうか。
仕方がないので時間つぶしに、近辺にあるバッグ類で有名なブランド本店に入ってみたところ、店内は中国人の山。
ショーケースにはバッグがなく空になったスペースもチラホラでしたが、驚いたのは奥の小物売り場。比較的手軽な商品が陳列されているショーケースも物が並んでいないのです。パリ在住の方の話では、最近は
中国人とロシア人
がパリに目立つとのことでしたから、買い占められてしまったのでしょう。この世界的な不景気の中、良い商売しているものです。
商品ウオッチではなく、店内マンウオッチングだけでホテルへ帰ったのは言うまでもありません。
とりとめのないイントロになってしまいましたが、年末恒例のベストもの(ワースト含む)の発表であります。日本広といえども、飲食店相手に
期待はずれ
ワースト
などの発表をしているのは友里征耶だけではないかと自負しております。
では3店です。
トルチュ
雇われではなく、初めてオーナーとして吉野建氏(タテル・ヨシノ)が日本に出した広尾のビストロ。知人から皿出しは遅いけど良かったと聞いていただけに非常に残念な結果でありました。
チーズ味のグジェールはまったく凡庸。アミューズの缶詰入り(使い回しか)の唐墨大根カナッペもどこが絶賛に値するのか、ネットのレビュアーに疑問であります。
スペシャリテのサーモン、オイルを塗って火入れしているようですが、生焼けが半端ではなく生臭さが残ったまま。
ストウブ鍋で供されたテッド ド コションは煮込みというか蒸し煮みたいなもので、ミックスした香草がマッチしていない。カスレも単調な味わいですぐ飽きがきてしまいました。コンフィも変に油臭かった。
皿出しは遅くありませんでしたが、まったく美味しくないというか、今後も変わりようがないレベルと判断し、再訪をせずに店評価ブログに掲載させていただいたのであります。
ブーケ ド フランス
ネットだけではなく、知り合いからも美味しいと聞いて2年ぶりに再訪したのですが、初回と同じくまったくその美味しさに触れられませんでした。
まず夏牡蠣にまったく合わないコンソメに落胆。アンドゥイエット、ブーダンノワール、餅豚ポワレとまったく印象に残りませんでした。
癖のあるマダムのサービス(女性を「姫」、男性を「殿」と呼ぶ)も、この時代でスベるだけで見ていてイタい。
スタッフ(厨房&ホール)が少ないのが問題ではないかと考えます。
ヘイフンテラス シェフズテーブル
料理を食する前に、このシェフズテーブルの環境を見ただけで期待は一気に萎えました。入り口からホールを通り過ぎてやっとたどり着いた厨房の横に、いかにも手抜きで造ったかと見紛う隔離部屋がシェフズテーブル。
プアの一言
であります。当時は原発事故直後で中国人厨師が国へ逃げ帰ってしまい、2番手の日本人がトップについておりました。これをスタート時に知って嫌な予感がしたのですが、この支払い(料理だけで6名20万円)では食後感は最悪に近かったのであります。
フカヒレは米スープのとろみが余計。鮑料理はこの価格で干し鮑ではなく生鮑の調理でありました。北京ダックやアズキハタの蒸し物も凡庸でまったく良いところなし。一番安いと思われる紹興酒を飲んでの支払いが一人4万円超と、CPも最悪に近い。
シェフズテーブル=素晴らしい料理の提供
はまったくの妄想であると悟ったのであります。