話題造りだけの初競りマグロに釣られるな!

毎年恒例となってしまった築地のマグロ初競り狂想劇。友里は去年までの主役(競り合いを演じていた)だった香港系の寿司屋と銀座の「久兵衛」は

資本が同じじゃないのか

と疑問を抱いておりました。通常価格は1本400~500万しかしない近海生マグロ。いくらご祝儀相場といえども何倍も出して購入するのは「何らかの意図がある」と感じるのは友里だけではないでしょう。
はっきり言えば

単なる客釣り

なだけ。アフォなTV局が大々的に取り上げてくれるので、数千万円出しても

宣伝と考えれば充分モトが取れる

のであります。こんな無駄な競りをしてきた過去の落札者のほとんどは(実際は購入者の依頼を受けた仲卸)

多店舗展開の店

のはずであります。昔は来栖けい氏が過大評価する奥沢の「入船」という寿司屋が落として話題になりましたが、最近は香港&銀座の連合体の独壇場でありました。わざと高く購入してアフォな放送局に話題を提供していたのですが、今年はそこに新手が登場してきてしまいました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120105-00000004-jct-bus_all

こう言っては怒られるかもしれませんがこの寿司屋、まともな江戸前鮨好きが決して相手にしない

廉価寿司チェーン店

であります。関西の寿司好きの方々が上京しても

決して足を踏み入れない寿司屋

でありますから、どのような位置づけの店かおわかりいただけると思います。
そんな寿司屋の思惑に見事に引っかかったのか、最初から話が出来ていたのか知りませんが、見事に釣られたのが各TVの中でも大きく特集していた

TBSの朝ズバッ!

でありました。昨日の朝、15分はかけてみのもんたが店宣伝に徹しておりました。上記引用のヤフーニュースでは、この3日深夜に出航した船が釣り上げたと言われているこの大間マグロ。5日の午後から「すしざんまい」の各店で提供したとのことですから

まったく寝かせていない

のであります。こんなマグロが美味しいものなのか。客単価2万円以上のいわゆる高額鮨店へ行った際主人に確認して貰えばすぐわかるのですが、高額店で扱う高級マグロ

釣り上げて数日のものではない

のであります。会社経費でTV局のお偉いさん達は銀座の高額寿司屋へ行っているはずですから、こんな常識はご存じだと思うのですがなぜこのような疑問を抱かないのか。
またこの廉価チェーン店の落札でマスコミは検証しなければならない問題が出てきたはずなのですが、各TV局ともスルーしております。

かまとろ 498円
大トロ  398円
中トロ  298円

これは「すしざんまい」のマグロの提供価格であります。今回の5000万円超の過大落札マグロも同じ価格で提供されたようですが、これで営業的にペイできるのか。
今回の落札劇、あのNHKでも放送していたと聞きましたが、NHKが「プロジェクトX」ヨイショしていた銀座の過大評価高額鮨店

すきやばし 次郎

看板主人の小野二郎さんは確か高額マグロは

握り1ヶの原価は数千円なので出血サービス

と公言して憚らなかったはず。なんでこれが1/10で「すしざんまい」は提供できるのか。ここには以下のようないくつもの疑問がでてくるのです。

1ヶ数千円と言っていた小野二郎氏の話は「嘘」?

計算を簡単にするためにこのマグロを250キロで5000万円としましょうか。1キロ当たりは20万円。100gで2万円。握りタネのグラム数はよくわからないのですが、10gと仮定しましても2000円となります。実際には骨などつかえない部位も多いですから歩留まりを考えると

1ネタで4000円

くらいになるのではないでしょうか。
「次郎」が購入しているマグロはこんなバカ高いマグロではありませんから、実際の原価は1/10くらいでしょうが、今回の「すしざんまい」の落札マグロを500円以下で提供するのは

完全な原価割れ

であることがご理解いただけると思います。
友里はこのパフォーマンス鮪自体の質をどうこう言うのではなりません。(実際もたいした質ではないと思いますけど)問題は「すしざんまい」もしくは高額寿司店の営業姿勢であります。

大きく原価割れさせて客釣りする「すしざんまい」の行為でありますが、この落札マグロ以外の普段のマグロはどのような質のものなのか。
高額寿司店と同じ質のマグロを普段から数百円で提供しているとしたら

高額寿司店は儲けすぎ

となります。最高値と言われるマグロの最高ものでも数百円で提供できるなら、数万円も請求する高額寿司店はボッタクリ営業となってしまうではありませんか。
いや、「すしざんまい」が提供する通常マグロはもっと安いマグロで数百円レベルであるというならば、5000万円マグロで客を釣る行為は

公正な競争による営業行為に反する

ものではないでしょうか。
その日だけ高級なマグロを出して客を釣って、普段はそれなりのマグロしか提供していないなら「すしざんまい」にとって大きな問題。
また、高級なマグロが数百円で提供し続けることができるとしたら、世の高額寿司店の値段設定は不当価格となってしまいます。

一応高額寿司屋の位置づけである「久兵衛」が落札していたらこんな大きな問題がでてこなかった初競り問題。
いくらネタ不足といっても、TV局はこんなつまらない報道をやめたらどうなのか。もし取り上げるなら、上記の大きな問題を検証する義務があると友里は考えます。

霊感商法で有名な他国の団体も寿司やマグロのビジネスに参入していると漏れ聞きます。
TV局は安易に寿司ビジネスを取り上げない方が無難なのではないでしょうか。

食べログに惑わされるな!

掲題のキャッチ、昨日の各社新聞のキャッチではありません。自慢になってしまいますが、昨年6月に発売した拙著

絶品レストラン(鉄人社)

の帯に使用したキャッチなのであります。また10月に発売した

グルメの真実(宝島社新書)

にも、第5章の164ページから

 店宣伝に勤しむ口コミサイト

として実名で「食べログ」を取り上げております。「負け組で儲け続けるクーポン事業」と共に、一般客の立場に立たず飲食業界に巣くっているこの

2第事業

を真っ向敵に回したのは友里征耶が最初であると自負する次第であります。
しかし大マスコミはホント

談合の業界

でありますね。こんなランキング操作会社の存在、ずっと以前から業界では有名でありました。こんなこと、飲食店にちょっと取材すればすぐわかったことであります。何を今更各社一斉に報道しているのでしょうか。

とはいえ、食べログのヤラセ問題、サンケイの記事をご覧ください。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120105-00000593-san-soci

「食べログ」運営のカカクコムですが、ヤフーニュースでは

飲食店コンサルティング会社などを名乗るやらせ業者39社を特定、業務停止などを求める提訴も検討している

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120105-00000593-san-soci

とありますが、これまた何を今更であります。このようなランキング操作業者の存在を今まで知らなかったはずがなく

黙認

していたではないか。もし本当に知らなかったというなら

運営会社として無能であります

と自白しているようなものであります。
TBSの昨晩の報道では、あるネットに詳しいコンサルの意見として

ネットでの操作は所詮無理。行ってダメな店なら人気はいずれなくなる

とアフォなことをコメント。アナウンサーも

客ごとの嗅覚が問われる

とか言っていました。彼らは飲食店業界、特に一般客の動向(嗜好や思考)をまったく理解していないのではないか。

自分では美味しいか美味しくないかわからない純粋無垢な人(味がわからない)が多い

から、このような口コミサイトだけではなく、味音痴で下戸な

山本益博さん、門上武司さん、関谷江里さん

などがこの業界で食っていけるわけであります。世が嗅覚が備わっている人ばかりなら、食べログや彼らヨイショライタ-たちはとうの昔に

廃業

しております。
体裁は個人レビューで成り立っているような造りである食べログ。誰でも気軽に投稿できるだけに(規制してしまったら成り立たなくなる)

金貰ってレビューを投稿する人を排除することは不可能

なのであります。それに加えて店関係者たちの

サクラ投稿やライバル店への批判レビュー

の排除も無理。アスクユーが埋没していったように、この「食べログ」もここまで大きく報道されてしまったら、埋没も間近となるのではないでしょうか。
私は声を大にして言いたい。

素人投稿を建前にしている口コミサイトのビジネスモデルは破綻している

この勢いで

ヨイショライターのビジネスモデルも破綻している

ことが周知され彼らが駆逐されれば、友里征耶の引退も早まろうというものです。

明日はもう1つの店宣伝に関する問題点、今や正月の恒例行事となった大間マグロの初競りについて書いてみたいと思います。

これから帰国の途につきます

年末年始からの欧州旅行、長いようであっという間でしたがこれから帰国となります。
パリ、ブルージュ、ブリュッセル、ヴェネチアと今回は4ヶ所もまわりましたので駆け足となった感もありますが、初訪問のベルギーなど次回は何時いけるかわからない場所だけに良い経験になったと思います。
パリ、ブルージュ、ブリュッセルとフレンチに近い料理が続いたので久々に胃がパンクしそうにもなりました。最後のイタリアでは、3皿目のセコンドを頼まず終了となることばかり。歳のせいにはしたくはありませんが、食が細くなったのかもしれません。

本日は帰国の途中での更新でありますので慌ただしいことも有り、ヴェネチアでの代表的な料理(飲み物)の写真をアップして〆たいと思います。手抜きのようなりますがご容赦下さい。
まずは、その店発祥とか言われている飲み物と料理です。

ベリーニ

カルパッチョ

ベリーニはこの時期だからか緩いというか薄い。以前夏に飲んだときの方が美味しかった気がします。
カルパッチョも肉の味が薄いというか、目を瞑ったら何を食べているかわからないほど味が薄いものでありました。

そして2軒ほど空振りしてやっとありつけたのがこのクモガニであります。

これも久々でしたが、はっきり言ってこんなものだったか。この時期なら、日本の「コッペ」の方がはるかに美味しいと思った次第であります。

クモガニ

明日からは通常のブログに戻るつもりであります。