今年のワースト ジャンル別

ついに年末恒例「今年のワースト」の大晦日となってしまいした。
歳をとるにつれて加速度的に1年が過ぎ去るとはわかっていながら、今年はホント早かった。それだけ充実していたということでしょうか。

いや7月から11月まで、角川ちょくマガの原稿書きに追われてそれに集中していたことも大きな理由だったと思います。
来年は副業としては前半に新書の出版、そして本業もより充実したものにしたいと思っております。
今年より更にはやく1年が過ぎ去ってしまうかもしれません。

 

それではジャンル別のワーストです。

 

☆高台寺 閑人 

今はなきブログの主である、京都在住女性(ランチどころかほとんど外食しない)に「薄味」と教えられたお店。
経験不足を自覚しない怖いもの知らずのこの女性、友里になんと

大衆旅館料理レベルの店

を勧めてきたのであります。

すべての料理が味濃く食材の質も悪かったのですが、とくにひどかったのこの料理。

鰹の酒盗に付けたアワビと車エビ、イカの石焼き

 

味濃すぎる石焼き

 

石焼きなんて普通、宴会旅館ででてくる料理ではありませんか。こんな料理を平気で出す店を

薄味の京料理

と言い切ってしまう資質であっただけに、ブログの閉鎖は京都の純粋無垢読者には良かったのではないかと考えます。

 

☆フレンチ  ティルプス 

山本益博さんが絶賛していたカンテサンスの流れをくむフレンチ。
カンテの移転跡に今秋オープンしたばかりであります。
まずはマスヒロさんの絶賛FBをお読みください。

http://p.tl/UUKX

年とって舌がおかしくなったのか、もともと味がわからない人だったのかわかりませんが、

すべての皿の中に、才能の鉱脈がきらりと光っています

なんて、マスヒロさん、大丈夫なのか。

はっきり書くのは気が引けるのですが、アミューズから前菜の2皿はまだマシだったけど、あとは泡料理と生みたいな低温調理攻撃の連続。

特にひどかったのがメインの鰆と鳩。
まずは写真をご覧ください。

 

鰆の低温ロースト

 

 

鳩の低温ロースト

 

う~ん、食べきるのが苦しかったというか、同伴者は途中でギブアップとなりました。
そしてこの一言。

カンテサンスの方がまだマシ

出禁となってかなり昔の記憶しかありませんが、友里も

御意

でありました。

 

☆イタリアン  タツヤ・カワゴエ 

現在の飲み放題のシステムではなく、コース8000円前後だった時期の訪問。
しかし出てくる料理、前菜からメインまでそのほとんどが

デパ地下の惣菜レベル

と感じたのであります。

イタリアンは「無理~の」、もとい、イル・ムリーノを除けば、それほど大ハズレする店はないだけに(なんちゃってはありますが)、

かなり珍しいペケイタリアン

であると考えます。

 

☆鮨  鮨よしたけ 

2部制(18時と20:30の2回転営業)とのことだったけど、実態は客が少ないのではないか。
昨年も前日に1名増やせたけど、今年はなんと1部は我々2名だけでした。

相変わらず店内は甘い酢の匂いが充満していて胸が焼けそう。
ツマミは濃い味付けをしていますがタネ質の悪さは隠せない。
握りも酢飯が相変わらず甘すぎて、大阪人など江戸前をよく知らない自称鮨好きにしかウケないのではないか。
香港の支店も3つ星になったと聞きますから

ミシュランの罪は地球より重い

と考えます。

 

☆中国料理 魏飯夷堂 北新地 

門上武司さんやその配下のカオリン(船井香緒里さん)が絶賛していたお店。
でもすべての料理が

バイト調理レベル

でありまして、ペケ。
詳しくは以下の「店評価ブログ」をご覧ください。

http://tomosato.net/weblog2/?p=1246

タイトルにもありますが、3つ星和食、フレンチ、イタリアン、鮨に続いて

大阪は中国料理もペケ

であるとの結論に達しさせてくれたお店でありました。

 

☆ステーキ  ニューヨーク・グリル 

肝心のステーキもダメでしたが、前菜などメニューもほとんど選択肢がないのも大きな問題点。
今どきNYの廉価なステーキハウスでももっと充実していると思います。

シンプルに塩胡椒だけで焼いては肉質の悪さが目立つのか。甘いだけの4種のソースは最悪で、醤油もたまり醤油のようでペケ。
すりニンニクを急遽頼みましたが、そのアシストをもってしても、食べきるのが困難でありました。

しかも皿を温めていないので

不味い肉がすぐ冷めてしまって更に不味くなる

絶品レストラン(鉄人社)に掲載したエル・アミーゴの安ステーキ(2000円前後)の方が、はるかに美味しいと考えます。(但しすりニンニクつけて)

 

今年も大変お世話になりました。

よいお年をお迎えください。

 

今年のベスト ジャンル別

そこらのヨイショコラムニストや店癒着評論家ならこのベスト編が大晦日を飾るのでしょうが、友里にはスペシャリテの

今年のワースト

があるだけに、1日前の本日の発表とさせていただきます。

ただ、昨年も一部の方から指摘されたのが

ベストの店が毎年同じで面白くない

確かに和食やイタリアンなど毎年同じ顔ぶれになっている友里ベスト。でもこれってある意味当たり前なんですね。

毎年新たに最高レベルの素晴らしい店が現れるはずがない

ではありませんか。
レストラン(料理店)の食後感は

性格&調理技術

で決まります。

性格とは、儲けに奔らずどれだけ客に還元するかという店経営のコンセプト。
調理技術は勿論シェフや板長の能力でありまして千差万別。
つまり

性格と技術は一朝一夕に大改善しない

のであります。
逆の大改悪、つまり

一気に金儲けに奔ってのCPの大劣化(調理と食材の劣化)

はあっという間に達成できますけど。

誰でもお金は儲けたいはず。この友里も、原稿料や印税、そして講演料に顧問料でバンバン稼いで

林真理子さんのように売れ残りの40センチ(50センチもあった)バーキンを買うような贅沢をしたい

縦より横幅が目立つ体型で、なぜバカでかいバーキンを持つのかそのセンスが信じられないのですが、友里も稼ぎまくってそんな

超無駄な贅沢をしたい

でも性格が良すぎるので、林真理子さんたちと違って世の負け組を対象とした商売が出来ないのであります。

話は反れましたが、誰でも儲けたいという欲がありますから、

客への還元よりまずは己の懐が大事

これは当たり前の心理であります。
ですから食後感が良い店は、その「欲」を抑えるか

欲をはるかに上回る調理技術

が必要。つまり性格が良いか、技術が高レベルというのが条件ですから

ベストの店はそう簡単に出現しない

のであります。

 

それでは今年のベストであります。

 

☆和食 御料理はやし(京都)

初っぱなから変わり映えしない店で申し訳ありません。
でも友里、今年も東京や関西のミシュラン3つ星やマスコミ露出店を何軒も訪問しての結論なのであります。
実際のところ、ほとんどの店が最初のインパクト(表面的な旨みを強調)を重視した調理。
そして食材の良さを消し飛ばす(質の悪さを隠す)味濃い副食材(海鼠腸、唐墨、キャビア、蟹味噌など)の多用。
本来は出汁で勝負すべきだと友里は考えるのであります。
まあそれだけ大味の外食好きが世に(特に関西)に多いということでありましょう。

 

☆フレンチ カプリス(香港)

これも去年と同じですね。(ただし、9月にシェフがやめておりますので現在はわかりません)
でもこれまた、パリやモナコ、そして東京の3つ星など有名店をいくつも訪問しての結論であります。
CP感では対等の店はありましたが、絶対評価ならこの店でありました。
下記の写真は春に食べたブレス鶏の2皿目。

ブレス鶏料理の2皿目

 

普通はサラダ仕立てにしてくるのですが、この店はポトフ風でありました。

そして料理ではないですが食後酒。ペドロヒメネス好き(安いのでCPが良いから)の友里が、今までの経験で最高に美味しかったと思ったのがこれ。

ペドロヒメネス

 

この手のワイン、日本で飲めるのでしょうか。

 

☆イタリアン Locanda dell’Arco 

西麻布のトルナヴェントの指定席でありましたが、2年ぶりに今秋訪問して、特にバローロ煮込みの美味しさに驚いたのであります。
詳しくは一昨日のCP編をご覧ください。
CPだけではなく、この料理は絶対評価でも今年1番のイタリア料理でありました。
来年はラ・チャウの訪問をやめても再訪したいと思います。

 

☆中国料理 龍景軒(香港)

広東料理の本場ですから当たり前とも言えますが・・・
友里定説の「3つ星にうまいものなし」を打ち破るカプリス(シェフ辞任で現在は降格)に次いでの3つ星店のベスト登場です。
写真は今春食べたスターガルーパ。美味しかったです。

スターガルーパ

 

 

☆韓国料理 韓灯(月島) 

昨年からの連続登場。
世では創作の「ほうば」(大阪)が絶賛されておりますが、こちらは「御料理はやし」の韓国版という位置付け。和食で言う「薄味」系であります。
写真は予約が必要なのですがウリの「タッカンマリ」。

タッカンマリ

 

鶏1羽を使った鍋であります。参鶏湯も美味しいのですが、詰め物でお腹が一杯になるので、色々な料理を試したいならこちらでありましょう。
4人以上(6人がベスト)での訪問が良いと思います。

 

☆ステーキ トロワフレージュ 

ドン・ナチュール時代よりCP感が増したお店。
ニューヨークやアメリカ南部など本場でも食べてきましたが、6月のピーター・ルーガーは運が悪かったからか焼きがイマイチでありましたので、客単価は倍以上でありますがこちらを選択しました。
写真は黒毛(ヒレ)、オーブラック、短角の3種であります。

牛3種盛り

 

明日は大晦日。今年のワーストで締めくくりたいと思います。

今年のベスト&ワースト 色々編

アメリカのヘラチョウザメキャビア2つにドイツ産のキャビア(チョウザメ)が昨日届きました。
あとは本当の高級品であるベルーガに出来れば日本産の自称キャビアを揃えて、ブラインドの食べ比べをしてみたいと思います。
来年早々にはブログで報告できると思いますのでそれまでお待ちください。

それでは今年のベスト&ワースト 色々編です。

 

☆味濃い店  北新地 弧柳

東京だけではなく京都にも味濃い星付き和食店は多いのですが、さすが大阪。ここまで味濃くしても客がくるのですから

大阪人恐るべし

海老芋にはタップリの蕗味噌、焼き物の鰆も中には唐墨が挟まっており、メインの蝦夷鹿にはネギ酒盗、〆の白飯には鯛味噌と、旨みの濃い食材(調味料)が必ず添えてあるのがこの店の特徴でありました。
この歳になって

和食は足し算

と友里はこの店ではじめて知ったのであります。
味蕾細胞がすり切れている方には特にオススメであります。

 

☆スパイス1番  SOMA 

今年はかなり大阪のカレー専門店を訪問しました。その経験から行き着いた大阪カレーの特徴は

・皿に溢れんばかりに(汚く)ルーを盛り付ける
・生のスパイスを最後に振りかける

スパイスは調合のバランスだと思うのですが、最後の仕上げに何種もの特徴あるスパイスを直に振りかけたら

そりゃスパイス感が出るに決まっている

そんな大阪カレーの中でも辛さではなく生のスパイスを一番強く感じたのがこの中津にあるカレー店でありました。
特に強く感じるので、カルダモンを苦手とする人は近づいてはいけません。

 

☆なんちゃって1番 キャンティ西麻布  

店のホールスタッフが自ら「日本風のイタリアン」と言っているだけに

どこに出しても恥ずかしくない、なんちゃってイタリアン

でもそれは東京でとの前提がついておりまして、関西のイタリアンのほとんどが(フレンチも)

キャンティと遜色ない「なんちゃって度」

友里がよほどのネタになると思わない限り、関西のフレンチやイタリアンに行かない理由はここにあるのです。

 

☆次回の予約日最長店  鮨 三谷 

予約が取りにくい人気店が取り入れている(これを取り入れることによって予約困難になる)

帰り際の次回予約

というシステム。
くろぎ、京味、かわむらなど、数ヶ月先でないと次回の予約が入らなくなっておりますが、友里が知る限り最長なのがこの「三谷」。
今までは1年以内になんとか予約が入ったのですが、今年の夏の訪問では

昼でも1年以上

と言われて、椅子から転げ落ちそうになりました。夜ならもっと先でないと予約がとれないとも。
あくまで想像でありますが、この店を接待用に利用している文春系列やヘビーなリピーターには

別枠

があるのではないかと友里は考えます。

 

 ☆予約が取りやすい店 ビッフィ・テアトロ 

料理が不味くても良いというなら、簡単に訪問出来る店は世に沢山ありますが、

高額&高レベル料理&高CP

との条件をつけたら、なかなかあるものではありません。
そんな中で、今年になって見つけたこの店は、ホールスタッフのオペレーションの悪さを我慢すれば

いつでも(飛び込みでも良いかも)入店可の食後感良いイタリアン

であります。

 

☆過大評価  ラ ファミーユ モリナガ 

タダ飯を得意技にしている店癒着ライター・関谷江里さんだけではなく、己の商売(観光タクシー)の客釣りの為のランチ日記が注目されたようでマスコミへの露出が目立つグルメタクシーも絶賛していた京都フレンチ。
関西(東京以外)にまともなフレンチ(イタリアンも)なしと信じる友里、本当に美味しいのかと検証のため訪問したのはいうまでもありません。

その結論は友里の定説どおり

(東京では)単なる街場フレンチレベル

となりました。
タダ飯主体の関谷江里さんの味音痴は誰でも知るところ。でもこのグルメタクシーは

フランスで修業したこともある元料理人

が最大のウリのブロガー。
よって京都の素人は

料理、特にフレンチの評価は絶対

と思い込んでいるのではないか。でも元料理人だからといってフレンチをよく知っているとは限らないんですね。
わずかなフランス修業では過酷な労働条件(報酬や休み)でまともなフレンチなんてそんなに経験できるはずがない。
そしてもっと大きな問題はこのお方

ランチ専門

なんであります。
東京でランチ専門の店評価は通用しないのですがさすが関西、懐が深いお国柄であります。

 

☆イタくて見て(食べて)いられなかった アラジン 

川﨑シェフから20周年の記念ディナーのお誘いメールが来たのが8月の半ば過ぎ。(今までメールのやりとりはなかった)
行くとは答えなかったけど、黙って最終日に訪問してきました。

フォアグラ、カリフラワー、鮎、サーディン、鶉などアイテムは豊富でしたが、塩を打ち過ぎたのか食材が弱いのか

すべてが塩負け

記念ディナーの最終日なのに満席とはなっておらず、ジーンズ姿のオタク風客の存在が目立ちました。
昔はディープな料理を出していた人気店と記憶しているだけに残念でありました。

 

☆奇抜さ1番  L2O 

シカゴの元3つ☆アメリカ料理店。
味のわからないアメリカ人向けの創作料理なので、どの皿も変わっているのですが、その中でも驚いたのがこのフォアグラ料理であります。

これがフォアグラ料理!

 

知らない人なら、プティフールかなにかと思うことでありましょう。
でもこの小さな粒の中にフォアグラが詰まっているんですね。
料理はいずれも友里には理解不能でありました。

明日は「今年のベスト」であります。