週刊現代、マスヒロさん降板か?

私はポスト、現代、文春、新潮と週に4冊の週刊誌を読んでいます。まずはじめにどこを読むかというと、
新潮を除いて「料理店紹介記事」か「料理店評価記事」であります。
月曜はポストと現代の発売日のはずですが、今日はポストが発売されないのかコンビニやキオスクに見当たらず変だなと感じていたのですが、現代をみてまたまた驚きました。
最終ページの山本益博氏の「至福の食」。友里の「突っ込みネタもと」として重宝させていただいたのですが、最終回となっておりました。
この数ヶ月、スイーツや定食物ばかりを連続で取り上げていて、ディナー用のフレンチ、イタリアン、和食、鮨などご無沙汰で、私には参考にならない記事ばかりで肩透かしを食っていたのですが、撤退を前提での取材費軽減策だったのでしょうか。
「また逢う日まで、さようなら」と締めていますから、来週から新しい企画で登場することはないようです。
毎週、至福だ、この一皿だ、なんだと、いかにも傑出した料理がこの世に五万とあるように紹介し続けておられましたが、実際にそれほどの料理が毎週登場できるほどあるわけがなく、すべて下駄履かせた過大評価。ついに彼の才能である「ヨイショ精神」を駆使しても紹介するネタが尽きたのではないかと想像します。
料理評論家と称せず、一ライターとして店紹介、料理紹介をするならば、ヨイショ記事の連発でも私はこれほど文句を言わなかったと思います。
しかし、週刊現代という土俵が一つ減ってしまいましたが、マスヒロさんにはまだまだ「大人の週末」という大きな媒体が残っております。まだまだ彼がプロデュースや宣伝した店で集客に苦しむ店があります。銀座の「ゲンテン」、六本木ヒルズの「れい家菜」などですね。
そのフォローがこれからは「大人の週末」に集中し、連発で掲載されてくるのではないかと私は危惧することになりました。
でもいくら褒めて煽っても、コンセプトがもともと間違っていたら、客は見向きもしないということをもうそろそろマスヒロさんにはお分かりいただきたい。身内の「大人の週末」のライターでさえ、「れい家菜」に駄目出ししていたのですから。

鮨屋の仕込みはやはり簡単だった!

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さて先日、信頼できる知人から面白いネタを入手しました。
都心で雑誌には載らないながら評価の高い若手の主人の鮨屋でのこと。
常連客と主人の会話だそうです。
常連「和食の連中の仕込みや修業は半端でなく大変らしいね」
主人「そうなんですよ。和食の連中は覚えることもかなり多く大変らしいですね。
   仕込みもふくめて和食に比べたら鮨は楽ですよ。鮨の連中ではつとまりません」
最近は和食の分野でも30歳前後の若手が独立して店を構えるようになりましたが、和食の修業歴のないことをウリにする料理人はないでしょう。そんな店、誰も行きません。
反面、鮨屋では何回も書きましたが、修業歴が数年、数ヶ月、いや和食で修業したが鮨屋での修業経験なしを堂々とウリにしている店があるくらい、修業歴はあまり重要視されていません。
「さわ田」、「なかむら」などがそれに相当しますが、他に江戸前拘りの有名店や老舗店でない、まったくの街場寿司出身でも評判になっている店もあります。銀座の「くわ野」なんかそうですね。
評判の鮨屋の主人が和食と比べられないくらいレパートリーもなく楽だと認めてしまっている鮨屋の仕込み。
鮨屋はシビアに評価されるお椀など出汁に神経を使うことはありません。
焼き物の技術にしても、穴子くらいでしょうが、この炙りを厨房奥の若い衆や女将に任せている鮨屋が
ほとんどですから、たいした技術は必要ないようです。
煮物といってもハマグリや穴子、烏賊くらい。蒸し物は鮑くらいか。
扱うタネもかなり限られていますし、基本は握り鮨だけ。下手に変わったタネやツマミ料理を考えたら、
江戸前鮨ではないと批判されてしまうくらい、ワンパターンな仕事の業界です。
「江戸前」は「男前」に通ずるとか変なことを言い出してヨイショする山本益博氏、鮨技術を必要以上に
拡大評価、神聖化した里見真三氏。
和食よりぜんぜん楽と発言する評判鮨店主人、修業歴の少ないもしくはない鮨屋が、「次郎」などの古手のお気に入り鮨屋とたいして食後感の変わらない鮨を提供している現実をどうお考えなのでしょうか。
鮨はタネ質が一番、酢飯や握り、仕事の技術は二の次だということではないでしょうか。

ラ・ソース 古賀がリニューアル

先日東武ホテルで打ち合わせがあった帰り、昼飯に「ラ・ソース古賀」へ立ち寄りました。
日刊ゲンダイもふくめてコラムでは何回か取り上げたこの店のコンセプト間違いによる集客苦戦問題。
具をオーダーすると2千円近くになるカレーがメインで昼からの通し営業。大箱なカウンター席を一杯にするのが無理なのは、オープン数ヶ月で店先を通れば誰でも確認できました。
昼時で絶好のカレータイムのはずですが、相変わらず満席ではありません。客も5分に1人くらいの割合でしか入店していません。しかし着席してカレーをオーダーして店内を見渡した私は何か違った印象を持ちました。
奥のテーブル席があんなにあっただろうか。カウンターが小さくなっているようにも見えます。店のパンフも変わっています。
振り返ると壁際の黒板になにやら料理が細かく書かれているではありませんか。
男性の責任者らしき人に変わって仕切っている女性に聞いたところ、5月半ばにリニューアルして夜はビストロ料理を主体にし、カレーやブイヤベースなど今までの主力4種は最後の〆料理に変更したとのことでした。
カウンターも短くし、テーブル席も増やしたそうです。カウンターの天板も色を濃くしたとか。
「カレーも出すカウンター洋食屋かフレンチ」にしないと難しいだろうと5月に書きましたが、誰でも思うところは同じなのかその通りになっているのに驚いたのです。
1千円以下の前菜は鶏白レバー、バーニャカウダ、生ハム、瞬間スモークなど。メインはあまりないようで鴨コンフィが1800円、ほほ肉煮込みが1600円だったでしょうか。
厨房施設の制約か、厨房スタッフの技量の問題なのか、ビストロと言っても料理数は少なく造り置きできるものや手のかからないものが主体のようです。
これから実績を見て品数を増やしていくのかもしれませんが、ちょっとビストロとしては寂しい。
カリフォルニアが過半数のワインリストもヴィンテージがも書かれていません。何を狙っているのでしょうか。
「流行る店」(吉野信吾著、 日経BP社)という本にもありましたが、集客が苦しく何か手を打つときは中途半端ではなく全面的に変えないと、客は前の悪いイメージを引きずってしまってリニューアルの効果がなかなかでないはず。
古賀シェフの妹さんらしき女性がカウンター内で頑張っているだけに、店内の再改装はもう無理でしょうが、より料理を充実させ、フランスの安めのワインを主体にするといった「こだわり」を見せないと、方針変更の効果が出にくいのではないかと考えます。
オープン当初褒めまくっていたマスヒロさん、さとなおさんには、リニューアル後のフォローもぜひしてもらいたいものです。なぜリニューアルしなければならなかったかという考察も含めて。