先日、芝浦工業大学システム工学部教授・古川修氏が(株)日刊現代と友里征耶を名誉棄損等で訴えた裁判の第一回弁論期日が行われました。
数人の方が傍聴し、メモをとっておられた熱心な方もいらっしゃったと聞きました。こんな裁判に興味を持たれる方がいらっしゃるのかと感心したのですが、原告本人の古川修氏がしっかり原告席にお座りになっていたと聞き、大変驚きました。私は法人の代表として原告、被告と何回か裁判を経験しましたが、当事者でも普段は傍聴席に座るだけでして、原告席、被告席に座ったのは尋問の時だけでした。
今回私は裁判所へ行きませんでしたが、この弁論期日は訴状や答弁書の陳述(裁判所へ正式に提出されること)と次回期日を決めるだけの儀式のようなものでして、時間にして5分かからなかったのではないでしょうか。
大学教授、そして色々な公的役職を兼務、と幅広い活躍で大変お忙しいと思われる古川氏ですが、わざわざ裁判所のしかも原告席に座られたということは、大変な意気込みだということでしょう。
何より感心するのは、平日の午前中に私的な問題で東京地裁へ出廷できるほど、本業の大学教授や公的なお仕事の処理が速いということです。私なんか、本業が忙しくてなかなか時間がとれません。
海外の学会や関西の大学へ出張された際も、かなり精力的にワイナリー、レストラン、日本酒蔵元などを訪問されています。出張のメインの仕事の処理が超人的に速いからこそ出来ることで、普通の人は出張の合間にあれほど精力的に趣味の分野の訪問ができないと考えます。
彼の副業に関する精力的な行動を温かく見守る「芝浦工業大学」も大変懐が深いと言えるでしょう。
読者の方から聞いて古川さんのコラムを見て、7月はじめで休載することを知りました。村公一さん、西崎ファーム、秋鹿、宗玄、岸由、こびき、虎屋壺中庵、そして知人や応募読者たちとの宴会内容の羅列など、コラムの題材はかなり限られていると思うのですが、その限られた題材で700回以上も読者を引き付けるコラムを掲載し続けてきた古川氏の「筆力」にも感心した次第であります。
今回の弁論期日では他に開示するような重要なものはありません。原告と違って、被告は急いでいないのでしょうか、(株)日刊現代の主張が未提出ですので、次回までに提出するよう裁判長から書記官通じて代理人へ連絡するよう指示があったくらいであります。
芝浦工業大学教授・古川修氏の損害賠償請求事件 4 第一回弁論期日終了
おとなの週末 7月号
愛読書というのかネタ探しで毎月読んでいる「おとなの週末」を昨日購入しました。以前も述べましたがこの雑誌、なかなか面白い企画をたててくることがあるので個人的には読むのが楽しみなんです。一応覆面で取材しているところも評価できます。
考え直していただきたいところは、一般読者ではなく料理人や店に接近し過ぎた書き手をまだ重用している点。マスヒロさんは私のネタ素なので読んでいますが、より癒着が激しいと思われる門上さんは関西担当とあってほとんど読みません。今回無理して読んでみましたが、相変わらず「さ々木」や「嵐山吉兆」の主人など料理人との会食自慢が書かれていました。声をかける門上さんもどうかと思いますが、ホイホイ乗ってくる料理人も友里は疑問。最近は名古屋にまで進出してしまった「京都吉兆」ですが、創業者である湯木貞一翁の考えたコンセプトから外れてしまっている、かなり勘違いしてきてしまっているように感じるのは友里だけでしょうか。
さて、今月の特集はマスヒロさんの大好きな「丼もの」特集です。親子丼、かつ丼、天丼などを覆面で編集者や契約ライターが採点、かつ丼担当は4週間で5キロ以上も太ってしまったようで、その仕事ぶりには頭が下がります。体重管理のため食べても昼は野菜もの主体がほとんどの私には無縁の「丼もの」なのですが、写真をみていて無性にかつ丼が食べたくなりました。天婦羅コースの〆で食べる小天丼以外、ここ10年は丼ものを食べた記憶がないので病みつきになったら大変です。
最後にマスヒロさんの「食べ歩き手帳」について。珍しく辛口連発です。犬養裕美子さんとおなじく方向転換したのでしょうか。銀座「吉兆」のお椀、出汁が濃すぎると苦言。下町的な濃い味好きなマスヒロさんでしたが、嗜好も転換したのか。ミッドタウンの「ダノイ」が気軽なランチ価格でない、「方寸MURATA」のビーフシチューは旨みが乏しい、新丸ビルの「萬鳥」のランチ(1200円)は浅草本店までの電車賃が込みになっていると皮肉り、ミッドタウンの「淡悦」の厨房機器は手垢にまみれている、新丸ビルの「大宮MARUNOUCHI」のタンシチューも味の深みに乏しい、など日頃の宣伝スタイルが見えません。スタイルを変えたのか、たまたま彼に媚売らない店を多くとりあげてしまったからなのか、結論は8月号に持ち越しです。
それにしてもミッドタウンの人気店、「ユニオン スクエア」や「ボタニカ」へ予約なしで訪問して「満席」と軽くあしらわれたことを根に持ったのか、「わざわざやってきた客に対する礼儀が乏しい」と批判していました。言葉や対応は丁寧であったそうですからこれ以上何を求めるのか。彼が絶賛する店ではこの「言葉」や「態度」の悪い店があるのをお忘れか。「次郎」へは客がわざわざ頭を下げて1週間前に足を運んで予約しろ、とまで言っているのですから、正にダブルスタンダードです。
「わざわざやってきたこの『山本益博』に対する礼儀が乏しい」というのが本音であると考えます。一般人は皆予約なしの場合、ミッドタウンの人気店では断られていますから、まさに「特別待遇」しなかったことを批判しているとしか思えません。これを根に持って誌面でこんな批判をしたら、彼に屈伏して他の予約客を断って入店させてしまう店がでてくる可能性があります。彼は覆面ではなく顔をさらしての取材ですから、これでは「圧力」いや「ペンの暴力」とも言えるのではないでしょうか。
最近は天下のマスヒロさんを特別扱いしない店が増えてきているのかもしれません。飲食業界にとって大変良いことだと考えます。彼のこの威圧的「特別待遇要求」に屈しないことを真に友里は望みます。
最近訪問した店 短評編 7
まだまだ新丸ビルは混雑しているようです。数日後の予約を取ろうとしたのですが、何軒もの店から「予約で一杯」と断られました。中には予約用のテーブルの数を制限している店もあるようです。「予約が2週間先しか取れない」といった状態をつくり、過熱感を出そうとしている営業方針かもしれません。実際はオープンの18時直前に行けば入店できる可能性が高いそうですが、そんなに早くから食べる気がしないので今回は諦めた次第です。
さて最近訪問した3店です。
アピシウス
リニューアルしたということで久々の訪問でした。個室、バー、ホールへの動線が変わりましたが、内装の重厚な雰囲気は変化なし。そして客層もそれほどの変化がないというか、男性だけの接待グループもいくつかありまして、7割方の客入りで下。
メニューをみてあらためて料理の値付けの安さに驚きました。前菜は5千円前後、メインの肉類も5?6千円と「ロオジエ」より2?3割は安いでしょう。ハーフポーションの料理もかなり用意されておりました。
ワインも昔ほどではありませんが相変わらず安めの値付けです。
料理はマリネ系の調理がかなり多い。食後感は悪くないのですが、シェフの顔が見えないというかやや時代に取り残されてしまった調理、といった感じがしました。値付けが安いのでかえって絶対価格の高いワインを頼んでしまうと「ロオジエ」並みの支払いになる可能性があります。
うーん、今のところ巻き返しの道は厳しいといったところでしょうか。
基順館
板橋の紹介制の焼肉屋です。以前、「大人の週末」に掲載されていました。
一日一組だけ、政治家、高級官僚、財界人も通うという不思議な店です。嵐山吉兆や和田金も来て驚いたと饒舌な主人は言っておりました。
予算は一人1万6千円くらい。ビールはなく、オリジナルの日本製ワイン(甘いのが多くて食がすすみにくい)もついています。
基本は牛のヒレだけ。牛はヒレしか駄目だと、生肉、焼肉と大量に出てきます。確かに最初の一口二口は美味しくいただきました。しかし、オリジナルのタレが甘い、ビールがない、甘めのワイン、と三重苦で私的には肉を楽しんで食べることができませんでした。
また牛はヒレと言いながら、豚はスペアリブを大量に出してくることに矛盾はないのでしょうか。
食事中しゃべりっぱなしの主人といい、胃袋も頭も大変疲れるお店。確かにヒレ肉の量を考えるとCPは大変良いと思いますが、その他の環境を考えるとリピートはしにくい店です。
ラトリエ ロブション
久々の昼訪問。オープン当時のあの行列、1時間待ちは何だったのでしょうか。昼・夜と一回転目だけ予約を受け付けるようになったところまで知っていますが、現在は予約なしで簡単に入店できます。もう2回転はしていないと思います。
頼んだアラカルト、たとえば温野菜にタルタルはまずまず美味しかったです。客は減りましたが、料理は美味しくなったのではないでしょうか。
しかしグラスワインが高すぎ。ヴァン ド ペイとか無格付けのワインで1杯1000円以上取るのはあまりにやり過ぎです。半値で提供できるのではないでしょうか。
カウンターでこのワイン価格では、夜ゆっくり食事をする気になりません。