6ヶ月も保管するのか ボジョレーヌーヴォー

今朝のTVを見ていてひっくり返りました。昨日はヌーヴォーの解禁日だったんですね。まったくこの手のワインに興味がない友里、すっかり忘れておりました。
不景気の影響でしょうか、ヌーヴォーも廉価なものが出回りだしたそうで(元々廉価な位置づけのワインというかジュースみたいなもの)、ペットボトル入りがあるそうです。1000円以下の値付けだそうで私は質に似合った容器だと思うのですが、本場のなんとか協会からクレームがきたとか。安く提供すればどんどん売れると思うのですが、

?量より質
ペットボトルでは6ヶ月もたない

?と来年早々禁止することを考えているとのことでした。

ボジョレーヌーヴォーって「質」を追求するワインだったのか?
何ヶ月も保管してヌーヴォーを飲むワイン好きがいるはずがないではないか!

と突っ込む人はいないのでしょうか。

出張で関西へ来ているのですが、昨日大阪駅の大丸前を歩いていてビックリ。この不景気に長蛇の列が出来ている売り場があったのです。最後尾には「待ち時間 1時間30分以上」とありましたから驚きです。
何の行列かと最後尾でパンフを配っている人に聞いたところ「ラスク」とのこと。失礼ながら「ラスク」を求めて1時間も2時間も並ぶ人がいるとは思いませんでした。
「グーテ・デ・ロワ」のプレミアム(ミルクチョコでコーティングしている)というものらしいですが、メーカーである「ガトー フェスタ ハラダ」という名前もまったく知りませんでした。有名な店なんでしょうか。

もう一つ、TVからの情報です。
高級食材の値下がりが止まらないようです。トラフグの卸値が昨年の半値、贈答用のメロンが3割減だとか。
メロンは好きでないので気にしないのですが、トラフグが半値になっているとは知りませんでした。コメンテーターは「やれば半値で提供できるではないか」と言っておりましたが私も同感。

しかしここで大きな疑問。

?東京(大阪でも神戸でも)の高額フグ店、価格は去年から据え置きじゃないでしょうか。

本当に仕入れ値が半減していたとしたら、「粗利」が出すぎです
不景気なんですから、一般客にも還元していただきたいと考えます。

【自慢】 グルメの嘘 増刷決定 【宣伝】

昨夕に新潮社の編集者から携帯に連絡が入りました。発信者を確認して電話に出る前にある程度の予感がしたのですが、やはり「増刷決定」の通知でありました。
発売から1週間経たずの増刷決定ですので素直に嬉しかったですが、昨年の「ガチミシュラン」(講談社)も実は第二刷の決定は早かったのです。しかし景気の問題もあったのか、単に著者の力不足なだけだったのかその後失速。「モウラ」部門も消滅してしまいましたから、第三刷の可能性はほとんどなくなってしまったかもしれません。

?「増刷だ」、「また増刷しました」、と喜んでいる「さとなお」さんなど副業ライターや関谷江里さんのようなヨイショライターが多いですが(この友里も仲間入りです)、問題は初版数と増刷の際の刷数です。
単行本の場合、初版が3000冊というのも珍しくないでしょう。多くて5000冊、よほどの作家でない限り何万冊というのはリスクがかなりあるようです。
何しろすべての出版本の「平均冊数」が3000前後と聞いたくらいですから。かくいう私も最初の「シェフ・板長を斬る 悪口雑言集」の初版数は3000冊でした。

新書はその形態(すぐ読み切れて雑誌並の価格)から単行本とは違い、初版数は多いはず。普通で1万冊前後ではないでしょうか。
実際今月発売の「新潮新書」、別格の「日本辺境論」(内田樹 著)はかなり初版数が多いようですが、あとの3冊(グルメの嘘含む)は似たり寄ったりのはずです。増刷といってもこの時代リスクは最小限にとどめるでしょうから、1回の刷り数はせいぜい数千冊。「第何刷まで行きましたー!」と言っても、初版の倍チョイ、3倍の数にはなかなかならないと考えます。

?とはいえ経験の少ない友里にとって「増刷」は素直に嬉しい。
「グルメの嘘」を含めてこの6年で5冊の本を出版させていただきましたが、正直「話題になるかな、売れるかな?」とちょっと自信があったのは最初の「シェフ板」黒本と今回の「グルメの嘘」だけ。あとは心配でありました。(グラフ社さま 講談社さま 申し訳ありません)
特に組んだ相手が悪かった共著本「グルメバトル」、執筆中は気合いが入っていたのですが、J.C.オカザワの担当する部分を読んで「これは初版印税もらい逃げになる」と悟ったものです。
「もらい逃げ」が得意技のオカザワと組んだのですから当然の結果だと言われればそれまでですけど。

?予約が取れない、連日満席だ、と言われれば何としてもその店へ行きたくなるのが人情。閑古鳥の店へ行こうとするのはミシュラン調査員とこの友里くらいでありましょう。
「増刷しました」、「売れています」とマイナーな著者(含む友里)が己のブログなどで大騒ぎする様は、このレストランの「煽り」と同じ原理であります。
「そんなに売れているのか」、「グルメの嘘って面白いのか」と感じられた「純粋な読者」の皆様、ご購入が未だでしたらどうぞ書店、もしくはネットでお買い上げいただければ幸いです。自分で言うのも何ですが、ホント面白いと思います。

本日は全編「自己宣伝」のブログで失礼しました。

ミシュラン東京 2010年

既にご覧になっているでしょう2010年版東京星付き店。
「濱田屋」の2つ星降格が話題になっていますが、もともとこの「濃い味料亭」、接待専門で3つ星取得後も予約が簡単に入りましたから、降格されても集客にさほど影響は出ないでしょう。一番無難な店を落としたと言えますが、大きな話題(つまり販促になる)となる「降格ネタ」は、もっと効果的に活用した方が良かったと思います。
小さな店には死活問題となるでしょうが、「かんだ」や「次郎」を落としたならもっと話題になり、更に売れる(現段階では書店に予約が入る)と考えます。

しかし3つ星だけではなく、2つ、1つも良くここまで乱発したと呆れを通り越して感心してしまいます。
貧すれば鈍するというのでしょうか、断末魔の足掻きと表すると言い過ぎかもしれませんが、何を血迷ったのかナレさん。ここまで星付き店を増やしたら、「有り難み」が激減するではないですか。
まわりの人がみんなエルメスやランゲを持っているようなものです。高いお金を出してまで買う気がなくなるように、わざわざ予約してまで行く気がなくなると言うものです。

朝方放送されたあるラジオ番組で語ったのですが、ますます売れなくなったので、せめて店関係者やその常連客に1冊でも多く買って貰おうと星を乱発したのではないでしょうか。
読者や一般客の目線で考えますと星乱発はクオリティの劣化だけを感じますが、該当する昇格店は別物。星付き店が増殖して価値が下がったことに気がつかず、嬉しくて経営者や料理人は縁者・親戚、そして関係者に配りまくるのではないか。常連客にも配布するかもしれません。
店関係者の購入に頼るのは関谷江里さんやJ.C.オカザワだけではなく「ミシュランよ、お前もか」であります。

個別に昇格店の感想をちょっと述べます。

?CPがウリの「えさき」、似非京料理の「幸村」などあり得ない3つ星。「鮨 さいとう」も悪くはないですが、6席しかない小キャパの店を掲載すること自体が間違い。

?アイコニック(1つ星)なんて「結婚披露宴会場」だと思っておりました。セレモニースペース(教会式の結婚式をあげる会場)まである凄いところです。私はランチで「ハンバーガー」を食べた記憶がありますが、過食のオコチャマを真似するならば「ありえなーい」であります。

アイコニックも客が少ないですが、閑古鳥のメッカ「タテルヨシノ 銀座」の1つ星も驚きです。オープン以来の客は友里征耶とミシュラン調査員だけではないか、といったジョークを言いたいです。

?初年度の選考に漏れて週刊誌に「恨み節」を吐露した早乙女さん。六本木店とともに見事1つ星になりましたが、選に漏れて批判していたのに1つ星をちらつかされて尻尾を振ったとしたら呆れるばかりであります。

まったく旨みのない奥久慈軍鶏の「バードランド」、弱い火力で焼き上げる「たかはし」、ミシュラン調査員は高額和食だけではなく「焼き鳥」の経験も不足しているようです。

今回は居酒屋も選ばれたということですが、日本の調査員は和食系ではもっとも得意(訪問している)なジャンルが「居酒屋」と聞いております。「居酒屋」ならまともな評価が出来るのではないか。
サービス業に長年従事していたから仕方がないのですが、ミシュラン掲載和食は、いっそのことすべて「居酒屋」に特化した方が良いと私は考えます。