今年もあと1ヶ月あまりとなりました。ネガティヴな考えですが、死ぬまでにあと何回正月を迎えることが出来るかと思うと空しくなることがあります。小山薫堂氏ではないですが、残る人生、「一食入魂」と言いたくなる気持ちは理解できます。
ただし本当に一食に入魂するのであったら、あんな大味な店を絶賛しないだろう、あんなカレー屋をプロデュースしないだろう、と私は思います。単に、真の味がわからないだけの人なんですね。
「グルメの嘘」そろそろ増刷が刷り上がってくる頃です。アマゾンにも入荷されたようで、ようやく「在庫あり」になりました。
3刷目に入っておりますが、巷で評判になっているような感じがイマイチしません。アマゾンのレビューも過去の本とは比べものにならないほど少ないですし、掲示板への書き込みも過熱感が出ていません。唯一の売れ情報は、「三省堂有楽町店」の新書ランキングで「ベスト6」になっていたことくらいでしょうか。
書評で取り上げられるとしたらこの時期になると思いますので、年末にかけて「グルメの嘘」には頑張ってもらいたいものです。
さて3店ですが、今秋訪問したトリノ、アルバ、パリの店をしばらく順次日曜に取り上げたいと思います。
NEUV CAVAL’D BRONS SRL(トリノ)
店前にあった「白トリュフ入荷」の看板に引かれて飛び込みで昼に入りました。グラススプマンテ(多分プロセッコ)が甘く最初から嫌な予感。グラワインもロゼしかないと空いてあるボトルを押しつけられました。
ココット入りの卵料理とタヤリンに白トリュフを別注しましたが、香りが薄すぎ。どうみても現地近くの旬物に思えません。明細を見たら、17グラムで110.5ユーロとありました。100グラム650ユーロに値します。後でわかったことですがアルバの倍近い価格。この質ならボッタクリともいえるでしょう。料理はもちろん美味しくなかった。
DEL CAMBIO(トリノ)
ミシュランでクラシックな料理とあったので選んだ店。店内はゴージャス、客も正装に近い人が多く(でもベビーカーも入っていた)、勿論夜の訪問です。
白トリュフがあるか聞いたら、「トリノにはまだ入ってきていない」と言われました。どうりで昼の店の自称白トリュフが変に感じたわけです。
トンナート、アニョッダル プリン、頬肉のバローロ煮込みと典型的なピエモンテ料理を楽しみました。
全体に薄味というか思ったよりあっさり。まさかアルバでの濃厚料理の連続で、胃の調子を崩してダウンするとはこのとき夢にも思いませんでした。
RISTORANTE SAVONA(アルバ)
白トリュフ祭り真っ最中の日曜の昼にアルバに到着。街中人でごった返しておりました。予約で満席の店ばかりでやっと入れたのがこの店。
35ユーロのプリフィクスに35ユーロの追加で白トリュフを1皿かけて貰いました。
空いていたわけは料理を食べて納得。鮪のタルタルは普通、パイにトロトロのタレッジオ、これはイマイチ。白トリュフをかけてもらったタヤリンは単なる「玉子麺」のようでありました。白トリュフはさすがトリノよりはましでした。
牛のバローロ煮込みは添えられたポレンタだけが美味しかったです。