ミシュランのアシストが目的か、朝日新聞インタビュー

朝日は夕刊で過食のオコチャマ・来栖けい氏を一面で取り上げるなど「ヨイショ系ライター」や飲食店に甘い新聞だと思っていたのですが、ミシュランガイドに対しても大甘であることがわかりました。?

ミシュラン覆面調査員、実名で語る

との見出しで3月5日の夕刊紙に、写真付きで調査員へのインタビュー内容が掲載されると聞いて、わざわざ地下鉄の改札を通ってこの夕刊紙を買ったのですが、完全な肩透かしをくらってしまいました。(はじめて知ったのですが、コンビニには一般紙の夕刊を取り扱っていない店が多い)
タイトルは異なりますが内容は同じなので、まずは以下のURLをご覧下さい。

http://www.asahi.com/food/news/TKY201003050250.html

内容は「暴露」ではなく、ミシュランガイドにちょっとでも興味のある人なら既知であるというか、ミシュランサイドが日頃主張している内容のリピートだけ。調査員の写真だって後ろ姿だけ。本物かどうか読者はわかりません。
ミシュランの許可を得てというか、ミシュランの仕掛けで朝日がインタビューしたとも受け取れる「ミシュラン権威付け」みたいな内容のものでありました。

ミシュランガイドの最大の問題点である、調査員自体の資質や、嗜好は人それぞれで違うのに複数の調査員同士でどうやって星判定が合議できるのか、調査員が少なすぎて新レストランどころか掲載しているレストランも再訪問できないではないか、には完全スルー。
こんな上辺だけの話を有り難がる人が未だにいると思っているのだとしたら、朝日新聞の社会部(いや朝日の読者かも)はお目出度いとしか言いようがありません。

?掲載レストランでさえ実際は何年も調査に行っていないのがほとんど

と暴露した元調査員・パスカル・レミの本の方が、物理的に考えても信用性が高いと私は考えます。

世界的な不況で本業であるタイヤ販売が苦しい上に、東京版や京都・大阪版の大量売れ残りと踏んだり蹴ったり状態のミシュラン。
来年度は神戸の店も評価対象に入れてくるとの情報も漏れ聞きました。
ミシュランで飯を食っていると揶揄される友里としては、今回の記事の仕掛けがミシュランの最後の足掻きとならないことを祈るばかりであります。

最近訪問した店 短評編 2010-10

中国の不動産バブルが問題になっているそうです。不動産だけではなく中国経済全体がバブルなのではないか。
銀座や秋葉原だけではなく、欧州やアメリカの主要都市でも見られる中国人の突出した存在感。北京近くで計画されているとてつもないバブリーな施設(屋内スキー場、7つ星?ホテルや豪華別荘などの集合体)のプレゼンを見て、私は椅子から転げ落ちそうになりました。ここまでやるのか、ここまで後先を考えない人がいるのか、と。

スケールは小さいですが多店舗展開のレストランが行き詰まる歴史が証明する「やり過ぎ」による崩壊は、ドバイはじめ国単位でも同じ。世には永遠の「右肩上がり」が存在しないのですから、隣国のバブル崩壊に対する備えをしておかなければならないでしょう。
今や世界企業の目先は中国から「インド」へ完全に移っていると聞きますから、バブル崩壊は時間の問題かもしれません。

さて3店です。

丸安
知る人ぞ知る関西の高額フグ店。ぶつ切り含めた刺身、白子焼き、遠江だけではない色々な部位の焼き物、唐揚げ、ちり鍋、雑炊と天然フグ尽くしコースは高かったけど(4万円以上)同伴者たちは満足したようでした。フグはやはり厚めに処理した物を思いっきり頬張りたいものです。

よしはし
掲載拒否してもミシュラン1星になったすきやき店。入り口が路地裏のようなところで迷いました。
しゃぶしゃぶもあるようですが、すきやきの3コース(1万2000円から1万7000円)がメイン。接待主体と思っていたのですが、カウンターでは経費払いらしき夫婦でないカップルもちらほら。何ともいえない雰囲気のお店であります。
あまり書きたくないのですが、なぜかボルドーワイン(勿論2000年代)の値付けが安い。グリュオラローズが1万3000円、ソシアンドマレが1万円でありました。ついつい頼んでしまったのは言うまでもありません。
接待や隠れたデートに使えます。

かわむら
予約連鎖と言うのでしょうか。一度潜り込むとその権利を放棄するのがもったいなく感じるのか、帰り際に次回の予約を入れてしまうのは友里も同じ。昨年末に続いて再訪してしまいました。
肉の味については色々な意見ありますが、一致している感想は「まったく胃にもたれないステーキ」。
胃丈夫を自認する友里だけではなく、大食いでない女性でさえ、肉尽くしコースを食べ切っても大丈夫と言われました。

「店評価ブログ」を更新しています

今週木曜発売の「週刊文春」に、有名店の銀座進出についての記事が載っていました。
「うまくいくのか? 今、有名飲食店がこぞって銀座進出」と銘打った記事、「あら輝」、「カーエム」、「アロマフレスカ」の銀座移転に関して関係者のコメントがいくつか載っています。
長引く不況で空き物件が急増し、契約料も激減して銀座進出が容易になったとの見方がありました。

確かに「あら輝」の弟分みたいな大阪鮨職人(近く東京の上野毛に移転)は、「銀座はガラガラなのでいくらでも場所があるから大丈夫」と言っていました。
でも「あら輝」が当初見込んでいた場所(8丁目近辺の高額鮨激戦区)でのオープンが頓挫、銀座移転が延期になってしまって玉突きのように「あら輝」後に入ろうとした彼が焦りまくっていた、といった話も漏れ聞きました。「あら輝」の実際の移転先は銀座5丁目と言っても、中央通りの晴海側より更に条件の悪い昭和通りの外側。あの「井雪」の隣です。記事が言うほど銀座の移転は簡単ではないようです。

銀座から西麻布へ移転した「ナルカミ」や今年で閉店の「ピンキオーリ」の例もあります。銀座では同伴や接待の客が狙え、コースや酒類を高く設定できるとありますが、誰でも銀座へ出れば成功するというものではありません。
私が予想するに、鮨屋以外のジャンルの銀座移転は厳しいものがあるのではないか。最近になって地方でも高額鮨屋が存在できることを知った友里、銀座でもよほどのヘタを打たなければ、高額寿司屋の商売は成り立つと考えます。

一番面白かったコメントは最後の料理ライターの一言。

奇しくも銀座に出したがるのは地方出身のシェフばかりなんですね

には思わず膝ポン。

さて「店評価ブログ」に、先日シャトー・マルゴーとのコラボのガラディナーを開催した「ひらまつ」と宅配ピザ・フォーシーズの傘下にある和食店「有季銚」をアップしています。
ぜひお立ち寄り下さい。