まずは自慢であります。
昨日発売された「週刊朝日」に拙著「グルメの嘘」(新潮新書)が取り上げられております。
2010年上半期 ベストセラー新書 著者が語る
ニッポンの新「正論」 第2弾
著名人らしきライターたちの新書に紛れて、「グルメの嘘」が選ばれたのは大変光栄であります。32ページに半ページ弱のスペースで載っておりますので、読んでいただければ幸いです。
さて好評シリーズの「その3」です。おかげさまで昨日の「その2」のアクセスも先週までの平均の1割増しと注目されているようです。伊藤章良氏は知名度落ちると思っていたので、ここまで反響があるのは意外でありました。
本日のテーマは大袈裟に言いますと「裁判制度」。
自己顕示欲だけではなく自己陶酔が強いと言いますか、自分の都合の良いところだけをえり抜いて己を「美化」することだけを考えている伊藤章良氏。オールアバウトから提訴されて応訴、準備書面などのやり取りの後、最終的に「和解」を選んだのですが、自己都合で偏向した経過説明を垂れ流して読者をミスリードしています。
普通の人だったら一生に一回も経験するかしないかの「裁判」。だからといって、いい加減な自分流の「裁判定義」を垂れ流していいものなのか。
まずは伊藤氏の「オールアバウト裁判 顛末」のURLです。
http://66frogs.com/frogs2009/eatout09/eatout09_1.html
伊藤氏は提訴されるという状況をどう受け取っているのか。
特別送達を受け取って仰天、友達の義兄弁護士に相談して不利であるとの意見を言われて落胆、しかし新たな専門弁護士に出会って勇気百倍となってしまった。
「Vol.1 被告になるということ」には
http://66frogs.com/frogs2009/eatout09/eatout09_1.html
さらに、一緒にallAboutを盛り上げてきたガイド仲間もこれからぼくと同じ目に合う可能性が大とするなら、自分がある程度の道筋を作って多少なりとも当たって砕けてもいいかな、とも考えた。
でも最大の理由は、個人に対し1000万円という巨額の損害賠償を請求。その結果、弱い一個人が「怖れをなして言うことを聞くだろう」とする大企業の横暴が許せなかった。(中略)
そしてぼくは「社会勉強にしては高い授業料ですが、がんばってみます」と応えた。
また、「Vol.7 N弁護士との出会い」では、
http://66frogs.com/frogs2009/eatout09/eatout09_7.html
そして最後にN先生は、この案件はぼくにとっては単に「降りかかった火の粉」で、その火の粉を払うためだけに個人のポケットから(相手は当然会社側が払うわけで)少なくないお金を払い、判決までの精神的ストレスがかかる。
そしてどちらかが上告した場合にはずっと続いていくことになるのですよ、と言われた。
でも、ぼくはこの爽やかな表情が魅力的なN弁護士に賭けてみようと思った。そしてN先生は、最難関の資格を持つ優秀なキャリアの男にはあまりにも似つかわしくない小額な弁護士料で、オールアバウト裁判の弁護を引き受けてくれた。
これをこのまま信じてしまうと、裁判制度をよくご存じない純粋な読者は、
さすが伊藤さんだ。オールアバウトのガイド仲間の権利を守るためにわざわざ高い授業料を払ってでも、筋を通すため横暴なオールアバウト社に立ち向かったんだ。
と思ってしまうではないか。
でも現実は、否定的な意見を言った友達の義兄弁護士でも、この有能?な専門弁護士でも、いや成り立ての「軒先弁護士」でも、とにかく委任して裁判を争わなければ大変なことになってしまうんです。
民事裁判は訴状が裁判所に受理されてしまったら、被告が「応訴」しなければ裁判所は即日に近い形で原告完全勝訴を判決してしまいます。
つまり、ガイド仲間の一助となりたい、横暴が許せなかった、とか世迷い言をゴタゴタ言う前に、とにかく応訴しなければ、即刻1000万円差し押さえをくらってしまうのです。
弁護士にとって依頼人の係争は所詮「人ごと」です。あくまでビジネスでありますから、弁護士としては依頼人が喜ぶこと(大丈夫ですとか)を言う前に、まずは「リスク」(係争で不利な点)を説明するはずです。(負けてあとで文句を言われたくない)
最初から「勝てますよ」とか有利な点だけをいう弁護士は、J.C.オカザワの「初版印税貰い逃げ」ではないですが、「着手金貰い逃げ」を狙っているのではないかと疑う必要があるでしょう。
有能で忙しい弁護士にとって、つまらない訴訟(オールアバウト社と伊藤氏の裁判は、伊藤氏が吹いているような「判決が出れば前例のない判例として法曹誌で取り上げられ、後世の裁判にも強い影響を与えるという訴訟」ではないと判断)の勝ち負けなんてはっきり言ってどうでもいいことなんです。充分な弁護士費用を払ってくれない依頼人なら尚更でしょう。
そうでないと伊藤氏いわく、知的財産法の専門で有能な弁護士が
被告側に有利に進んでいた
判決が出れば前例のない「判例」として法曹誌で取り上げられ、後世の裁判にも強い影響を与える
このような裁判で、被告伊藤章良氏に「和解」をすすめる理由がないではないか。画期的な「判決」がでれば、その有能な弁護士の名声は更に上がるからです。
法曹界注視となるような裁判を有利に進めておきながら、なぜその有能な弁護士は「和解」を被告伊藤章良氏にすすめたのか。
その真の理由は
係争内容はまったく法曹界注視のものでもないつまらない喧嘩みたいなもので、裁判自体も決して有利には進んでいなかった
ということではないでしょうか。知的財産法裁判と言っても、その前提のオールアバウトと伊藤氏が取り交わした契約書が、著作権を上回って有効かどうかを単に判断するだけの裁判であったと私は考えます。
昨日のブログで書いてしまいましたが、裁判官が和解をすすめたがる理由もまったくピント外れ。
自分を大きく見せたい、美化したい、信奉させたい、という願望が強すぎるのでしょう。嘘ではないが(伊藤氏は、ライターは嘘を言っても構わないと開き直っております)、肝心のことは隠して自分の都合の良いところだけ開陳するその姿勢は、まともなライターとして許せる存在ではありません。
折しも口蹄疫で大変な宮崎いや日本。当時フランスで口蹄疫が発生して輸入禁止になっていたにもかかわらず、パリで購入したアニョーを持ち帰って仲間と食べた伊藤章良氏。
黙って食べていただけでは物足りず、メルマガ読者への自慢になるかと脇甘く詳細を発信してオールアバウトから契約解除されたのに、それを「フィクション」だったと嘘で弁解してしまった。
http://taidan.seesaa.net/article/5914265.html
はっきり認めて謝っていれば、私はライターとしての信頼は回復していたと考えます。
オールアバウト社も決して良い会社ではないかもしれませんが、それを批判する資格が自分にあるのか伊藤さん。
ライターは嘘をついても構わない、と公に読者に発信する勇気があればまだ見直すのですが、ヘタレの彼には無理でしょう。
読者(HN ナハハ様)が友里掲示板で披露している好評の【勝手にコラボ】「オールアバウト裁判観戦記」を以下に紹介します。
http://tomosato.net/test/read.cgi/bbs/1273093041/123
http://tomosato.net/test/read.cgi/bbs/1273093041/134
http://tomosato.net/test/read.cgi/bbs/1273093041/135
http://tomosato.net/test/read.cgi/bbs/1273093041/151
http://tomosato.net/test/read.cgi/bbs/1273093041/152
(明日につづく)